【栂・美木多】Add Wall・上山浩之さん<後編>泉北を彩る“調色師”

【栂・美木多】Add Wall・上山浩之さん<後編>泉北を彩る“調色師”

さまざまな魅力を持つ泉北ですが、街の魅力を生み出すものは、やっぱり人!

前回に引き続き、株式会社Add Wall(アド・ウォール)の代表・上山浩之さんをご紹介します。後編では上山さんが大切にしている泉北と、その豊かな自然への思いに迫ります。

自然と人の適度なバランス

泉北で生まれ育ち、今も地元に拠点を構える上山さんに泉北の魅力を聞いてみました。

「豊かな自然と、人の活動の融合というかバランスが何とも言えないですよね。起伏に富んだ地形があって、その中に人の営みが点在している。その“抜け感”が心地いいんです。都会は人工的な建物が占めていて、その建物の中に人がいるから人の営みが見えにくくなっていると感じます。泉北にいると『人ってやっぱり自然を求めるんだな』と実感しますね」

普段、人工的な建物に色を塗っている上山さんが「自然の風景が好き」というのは面白い。そんな話をしていると、次のように返ってきました。

「塗料にも自然の鉱物が入っているので、ペイントの色と自然は相性がいいんですよ」

これまで数多くの実績を重ね、街に彩りを生み出してきた上山さん。そのバックグラウンドには子どもの頃から目に焼き付けてきた泉北の自然があり、そこから多くのインスピレーションを受けてきたんだな、と感じました。

自然に還る塗料

泉北を愛し、自然を愛する上山さんは今、とても興味深いことに取り組んでいます。それは「土」を素材にした塗料の開発です。

「塗装業界では、余った塗料の廃棄が昔から悩みの種です。Add Wallでも社員とその話をよくしていたのですが、ある時、一人が『自然に還る塗料とか、あったらいいですよね』と言ったんです。その瞬間、『土だ!』と。

大昔、この地域は須恵器の産出地だったので、この辺の土は粘土質というのは知っていました。そこで、その土に抗菌作用のある竹炭を混ぜて塗材にする研究を始めたんです」

自然にやさしくて、地元の資源を生かせる土の塗材。

自然も地元も愛する上山さんならではの素敵な取り組みですね!

土塗材で内装を仕上げたアロマサロン

土塗材を使った古民家再生ワークショップ

泉北の色を作る「○○師」

上山さんの活動でもうひとつ、興味深いものがあります。泉北の活性化への取り組みとして、2021年にオープンした「わたしのまちの、くらしの博物館 space.SUEMURA」の運営です。

これは「環境にも人にもやさしい暮らしを提案するコミュニティミュージアム」を掲げたスペースで、旧泉北すえむら資料館をリニューアルしたもの。環境に配慮した雑貨や工芸品の展示・販売のほか、オーガニック食材を使ったカフェ、イベント開催などに使用されています。

スペースのリノベーションを担当したのは、もちろんAdd Wallさんです。ここで人と人との交流が生まれ、それぞれの形で自分を表現し、街が元気になっていく。

そんな活動にも力を入れる上山さんは、一緒に働く仲間にはどのように映っているのでしょうか。メンバーの甚田さんに聞いてみました。

Add Wallのディレクター、甚田(じんた)さん

「いい意味で、ぶっ飛んでる人です…笑。

とにかく人に喜んでほしくて、予算とかも度外視してしまうので。「彩りと感動」を広げるために全力で突っ走っているなぁ、と。

でも同じ泉北の人間として『地域に還元したい』という考え方を持った会社があるのは、とてもありがたいです。街の魅力を創っていくうえで欠かせない存在ですね」

 

そんなお二人の会話から、上山さんを表す絶妙なキャッチフレーズが生まれました!

調色師として、泉北をどんな色に染めていってくれるのでしょうか!

いや、泉北だけでなく「日本、世界、宇宙も彩っていきたい」と語る上山さんは、まだまだ走り続けます!

株式会社Add Wall

★この記事が気になったり、いいね!と思ったらハートマークやお気に入りのボタンを押してくださいね。

※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけ、サービス利用の際はHP等で最新情報の確認をしてください

  • facebookシェア
  • twitterシェア
  • LINEで送る

ライター一覧

この記事を書いたのは…

author avatar

ジモトミンフーキー

泉北でフリーライターをしています。町の小さな会社や、そこで働く人たちのストーリーを紡ぎながら町の魅力を紹介したいと考えています。泉北が「明るい未来に向かって積極的に挑戦する人」であふれる町になればいいなぁ、などと思いつつ。よろしくお願いします。

公式LINEバナー

north