【豊中】あの飴も熱中飴も井関食品でした。井関優社長に聞いた飴作りのこと

【豊中】あの飴も熱中飴も井関食品でした。井関優社長に聞いた飴作りのこと

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●eye
〈プロフィル〉井関 優さん 井関食品代表取締役社長。1962年、豊中市出身、豊中育ち。大学卒業後、ダイワハウス工業で営業に携わる。退職後、1989年に井関食品に入社、2010年から現職。血液型はO型。

飴(あめ)菓子の製造を行う、大阪・豊中市の「井関食品」。砂糖と水飴を銅製の鍋で炊いて作った飴は、高品質な商品を扱うスーパーマーケットにも並びます。愛される”飴づくり”について、代表取締役社長の井関優さんに話を聞きました。

─ 井関食品は、1945年(昭和20年)にお菓子問屋として開業し、その後、問屋からお菓子を製造する側になりました。

祖父が開業し、父が引き継いだときも、しばらくは問屋をしていましたが、”お菓子問屋の先は長くない”と判断し、せんべい屋さんに業態変更しました。

僕が入社したときは(1989年)、おせんべいを作る傍ら、カステラ、おこし、夏は棒ジュースも作っていました。飴もちょっとだけ作っていましたね。でも、せんべいメーカーと言えるほどの規模じゃなかったんです。

そんな中、唯一量産できたのが飴。父は何を思ったのか、「これで売れまくるで」って、飴を個装できる機械を買ってきて。”作れば売れる”という発想ですが、そんなに甘くはない(苦笑)。そこから飴菓子の専業になりました。

─ 銅製の鍋で原材料を炊く、昔ながらの飴作りが特徴です。

当時うちの設備は古かったので、その設備だからこそ作れる飴を全面に押し出してやってきました。お鍋で炊くと、プリンのカラメルのような香ばしい風味が出ます。これが飴のうま味。あとは、飴に入れるピーナツやハチミツといった素材の味が一番生きるように気をつけています。

商品によって砂糖と水分量の割合や、仕上げる温度も変わります。抹茶はちょっと温度が低め、レンコンは高めという感じ。あと、余計なものは入れたくない。抹茶飴も原材料は砂糖と水あめと抹茶だけ、香料は使っていません。

¶無名の会社だからこそ、他にない商品を

●商品集合

─ シックなパッケージののど飴から、ピスタチオやマヌカハニーを使ったトレンド性のあるものまで商品は多彩です。

飴作りが専業になった30年ほど前は、製法や原料にこだわった飴はありませんでした。無名の飴会社だったので、いいものを作ろうとできたのが、千葉県産のピーナッツや丹波産の大豆をたっぷり使った飴。原価率を考えていたら、作れないような商品ばかりです。もう”他はやらなくても、うちはやる”という執念に近い(笑)。商品は、いかりスーパーさん、成城石井さんでも置いてもらっています。

たくさん売ろうと思わなかったのですが、売れる商品も出てきました。このレンコンや大根ののど飴は、神社の参道で売り出し始めた商品ですね。

レンコンだいこん
▲だいこん入 かりんのど飴(左)、れんこん入 せきのど飴(右)は各230円(メーカー希望小売価格・税別)

大根やレンコンを使った飴は、昔より味がマイルドになりました。大根には独特の強い香りがあり、大根の飴を炊いたら、工場中がその匂いに包まれたものです。今は、品種改良のせいか大根も食べやすくなり、飴の味も薄くなりました。工場のにおいも、昔ほどではないですね。野菜は毎年、出来が違うので、飴も年によって味が変わります。

¶新商品は雑談の”面白い”から誕生

─ 新商品はどのように生まれるのでしょうか。

「ピスタチオメープル」や「マヌカハニーのど飴」は、マドモアゼル・イセキシリーズといって、小売店のバイヤーの意見を聞いて作るシリーズです。今のイチオシはピスタチオメープル。おいしいんですよ、めっちゃ好評です。
マドモアゼル

▲ピスタチオメープルキャンディ(左・メーカー希望小売価格350円)、マヌカハニー のど飴(右・同300円)。価格はいずれも税別

新商品は開発するというより、雑談の中からできる感じです。「面白い」と思ったら、手鍋で試作しちゃう。「石垣島 塩の飴」という塩飴がありますが、これは「おいしい塩飴がほしい。井関さんのところで作れない?」というバイヤーの声から生まれました。当時も塩飴はあったのですが、塩辛くて…。うちの塩飴は、塩の味はマイルドで、塩が飴の味を引き立たせる商品になりました。

この塩飴を手に取った建築会社の方から、「職人が食べる塩飴を作ってほしい」という話が持ち込まれました。夏は熱中症対策として現場に塩と水を置いていても塩をなめてくれない、もっと楽しく塩を取れないか、という相談でした。そこで誕生したのが「熱中飴」です。世の中で熱中症対策の声が上がるより前の話です。

熱中飴
▲熱中飴(メーカー希望小売価格280円・税別)

塩だけ多くしてもおいしくない。そこで、酸を加えてスポーツドリンクのような味をイメージしました。現場の人に何度か試作品を食べてもらいましたが、「塩味が足らん」と言われるんです。「この10倍入れてください」って。それならと、塩を追加したらちょうどよかった(笑)。

¶実直な飴作りを続けることは使命

─ 豊中生まれ、豊中育ちです。豊中の人たちの間では出身中学が話題になりやすいとか。

服部天神駅近くの出身で、第四中学校の卒業です。豊中で好きな場所と言われたら、会社が最寄りの庄内より服部かな。家内も豊中出身ですが、阪急沿線から少し離れているので、”庄内も服部も同じ”と言いますけれどね(笑)。

─ この先、飴作りで目指すことは?

種類を出せばいいとは思っていません。気に入った、いいものだけをラインアップとして揃えていきたい。

これからの時代を生き残るために、2009年に稼働した工房は衛生管理の設備を充実させ、製造時にはハサップ(※)を導入しました。自動化した部分もありますが、もう、こんな古い製法で飴作りをしているところは少ないと思います。

そのうち、砂糖と水あめと抹茶だけで作った飴なんて、なくなるかもしれません。ちょっとおこがましいですが、昔ながらの手造り飴を作り続けることは、うちの使命だと思っています。

※ハサップ=HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)。食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保する衛生管理の手法。厚生労働省のHPから引用

井関食品
住所:豊中市豊南町南6-2-21
TEL:06-6333-9408
https://ameiseki.jp/

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