突然ですが、海といえば何を連想しますか?
海水浴やサーフィン、
釣りや漁船、
または水平線に沈む綺麗な夕焼け…などでしょうか。
ですが、ここ堺市にある堺浜ふれあいビーチでは
そのどれとも違う光景が広がっています。
ゴミの流れ着くビーチ
なぜ砂浜にごみが浮かぶようになったのか?
それは、大和川の河口から近いため大阪湾の海流によって
押し流されてくるからだそう。
奈良県から大阪府へ続いている大和川の流域人口は約215万人。
町のあちこちにポイ捨てされているごみは、雨で流され近くの川に入り、
それらの多くがこの地点へ漂着している、と考えられるそうです。
ごみだけでなく流木、看板のかけら、ボールなど様々なものが
流れ着き、大雨の後は波打ち際の水面が見えない程だそうです。
カフェという名の、清掃活動団体。きっかけはたった1人で早朝~夜までビーチを清掃する高校生の存在
そのビーチを毎月清掃している
”堺浜マイクロプラスチックカフェ”という団体があります。
代表をしておられるのは、堺市泉北エリア在住の益田次朗さん。
益田さんは学生時代に登山と出会ってからその魅力にハマり、
毎年20以上の山へ登っているそうです。
山の自然に惹かれ、美しい地球環境を維持したいと思う益田さんは
4年ほど前に堺浜のごみ問題を知り
さらにその1年後、堺浜でたった1人でビーチの清掃をしている
K・Y君(当時、高校1年生)と出会いました。
聞けば、堺浜の漂着ごみを目の当たりにして放っておけず、
休みの日に東大阪市から来て朝早いときは5時から、
21時まで1人で活動しているというのです。
誰かに頼まれたわけでもなく、
対価が支払われるわけでもない。
ただ、そうしたいからという純粋な動機からくる行動に
益田さんは感銘を受けました。
そして、
大人として堺市民として、自らも行動しようと決意し
”堺浜マイクロプラスチックカフェ”を立ち上げました。
現在は、原則として毎月第1日曜日の午前中に
ビーチの清掃活動を行っています。
(天候その他の事情で、日時が変更になる事もあります)
拾えないほど小さなサイズのプラスチックが砂浜にびっしり…
堺浜を歩くと、カラフルなかけらが沢山目につきます。
それらは川や海の流れで粉々に砕かれたプラスチック製品で
直径5mm以下になると”マイクロプラスチック”と呼ばれます。
これは、拾いにくく、砂に混じってしまっているので、
とても厄介です。
篩やザルにかけるなどして取り除くのにとても手間がかかります。
このようなプラスチック粒子が、海底にも堆積して
わかっているだけでも400種以上もの魚がそれを食べているという調査結果が
あるそうです。
100人規模でのイベントや、テレビ・ラジオ出演も
去年の3月には、"堺浜ひゃくいちビーチクリーン”と銘打って
100人でごみを拾おう!という大きなイベントを実施。
インスタグラムの告知のみでしたが、
当日は115名もの参加者が集まりました。
今年3月にはラジオ局FM大阪の主催イベントで、
アルピニストの野口健さんや堺市長、副市長が堺浜に来て
雨の中ビーチクリーンをメインとするイベント
「コスモ アースコンシャス アクト クリーン・キャンペーン in 堺」を実施。
この日も、悪天候にもかかわらず約200名が集まる盛況ぶりでした。
そのほか、ラジオ番組に呼ばれ出演したり
テレビ大阪の番組で活動の様子が放送されるなど
こつこつと継続している活動が少しずつ
広がりを見せていっています。
主催者・益田さんの想い
益田さんは
「テレビ番組に取り上げられてネット記事になった時は、
500件以上のコメントがついて
社会的な関心は相当高いんだなと感じました。
だけど、『日本人はポイ捨ては少ないから
漂着ごみは海外からのものだ』などといった意見もあり、
この問題を他人事と捉えているのは残念です。
ポイ捨てはしなくても、たとえば
フリースやポリエステル素材の服を洗濯すると
大量のマイクロプラスチックが海に流れ出ます。
私たちの生活様式そのものに、原因があるんです。
マイクロプラスチックは人体の血液中に既に
取り込まれているという研究結果もあります。
この問題を将来世代にバトンタッチしたらあかん、
と思ったら
この記事を目にしたことで更にこの問題に関心を寄せて、
実際に行動に移してみませんか?」
と話します。
漂着ごみの問題、目で見て学んでみませんか
堺浜では毎月清掃活動を行っており、誰でも参加出来ます。
次回は10/6(日) 9~12時 です。
※お子さん連れでも参加できますが、
ビンのかけらなど危険なものもあるので
軍手をしたり、長靴を履かれるのをおすすめします。
1回だけでも、短時間でも大丈夫です。
申込は不要なので、ご都合の合う時に参加してみて下さいね。
*************************************************************************
また、堺浜から少し離れた和歌山県和歌山市の加太海岸から
船で約20分の友ヶ島でもごみの漂着が問題となっています。
益田さんは、このエリアのごみ問題についても
地元の方々、大学教授等と協力して調査や清掃活動を
行っているそうです。
(詳しくはInstagramで「加太・友ヶ島環境戦略研究会」の
アカウントをご覧ください)
その友ヶ島に実際に行って、ごみの漂着する海岸の現状を観察したり
シーグラスを使ったハーバリウム、キーチャームなどを作る
エコツアーが10月13日(日)に開催されるそうです。
興味のある方は、益田次朗さん又は
加太・友ヶ島環境戦略研究会のアカウントから
内容を確認・お申込下さい。
堺浜自然再生ふれあいビーチ
- 堺市堺区築港八幡町1−97
URL:https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/toshi/rinkai/hureaibi-ti.html
堺浜マイクロプラスチックカフェ
益田次朗さん
加太・友ヶ島環境戦略研究会 (KATIES)
★この記事が気になったり、いいね!と思ったらハートマークやお気に入りのボタンを押してくださいね。
※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけ、サービス利用の際はHP等で最新情報の確認をしてください
この記事を書いたのは…
ジモトミンにし
泉北ニュータウン(のはしっこ)生まれ育ち。約5年のブランクを経て泉北へ戻りました。子どもの頃は気づかなかった泉北のいいところを最近あれこれ発見して、毎日が楽しくなっています。 泉北で暮らす人に、もっともっと、このエリアのすてきな人・お店・場所が知られてここが好きと感じる人が増えていったらいな。