【流山市】NAGAREYAMA F.C.高 勝竜(コウ・ショウリュウ)監督の思い

こんにちは!
生まれも育ちも流山、スペシャリストのスガコウタロウです。

今回は「NAGAREYAMA F.C.高 勝竜(コウ ・ショウリュウ)監督のお話です!

1|一見、穏やかに見えて

インタビューをしてまず感じたのは、高監督の圧倒的な優しさだった。
監督という立場におごらず、対話の一つひとつに誠実に耳を傾けるその姿勢は、長年の経験を重ねた人特有の落ち着きを漂わせている。しかしその内側には、約30年にわたってサッカーの現場を見つめ続けてきた、深く熱い情熱が確かに宿っていた。

彼のキャリアを辿れば、もしJリーグが存在していた時代に生まれていれば、間違いなくJリーガーとして活躍していたであろう。
だが高監督の原点は「憧れ」ではなく、「純粋な好き」だ。
貧しくてもサッカーが好き。靴がなくてもボールを追いかけた。

そんな原体験の中で培われた “ 道具への敬意 ” “ 競技への誠実さ ” が、今も彼の指導哲学の核にある。

「最近の子どもたちは、サッカーを“かっこよくやる”ことを意識しすぎている気がする」と彼は語った。
そこには、華やかな舞台への憧れよりも、“本質を忘れるな”という静かな叱咤が込められていた。

2|チームが大きくなるという試練

NAGAREYAMA F.C.は、クラブ社長・秋銀次氏のカリスマ性により、一気に知名度と支持を獲得した。
スポンサーも増え、地域における存在感も急速に拡大した。だが広がりすぎた輪は、やがて一体感の希薄さという課題を生む。
現場では、人員不足の中で協調性のバランスが崩れ、上昇志向が行き詰まりを見せている。

そんな中で高監督は、自らの立ち位置を冷静に見つめ直していた。
「若い人の意見を尊重することは大事。でも、自分の想いを出さなければいけない時期に来ている」と。
長年のキャリアを持つ彼が、なおも “ 学び直し ” “ 再挑戦 ” を自覚している姿は、まさに成熟したリーダーの証である。

3| “ 勝利 ” の向こう側にあるもの

高監督が最も強調していたのは、「Jリーグを目指すチームを作ることの難しさ」だった。

勝つために戦うことはもちろん大切だ。しかし、“勝ち続けること”を唯一の目的にしてしまうと、チームも選手も消耗してしまう。
だからこそ、勝敗の枠を超えた“もう一つのモチベーション”が必要なのだと彼は言う。

それは、地域と共に育つチームのあり方でもあり、一人ひとりの人間が成長し続けるための哲学でもある。
社会人リーグという“現実”と、Jリーグという“理想”の狭間で、彼はその新しいバランス点を模索している最中だ。

4| 日本サッカーと “ ハングリー精神 ” 

興味深かったのは、高監督が語った自身の少年時代の話だ。
「昔の日本は、今よりずっとハングリーだった」と彼は振り返る。
日々がサバイバル。今日の練習で結果を残せなければ明日はない。
それは、現在のヨーロッパユースに近い競争環境だったという。

対して現代の日本には“ゆとり”がある。
それ自体は決して悪ではない。だがその中で、「サッカー選手として、何を目指せばいいのか」を見失う若者が増えている。
その言葉には、現代社会の教育・成長・努力の在り方への深い洞察がにじんでいた。

5| 葛藤の中の覚悟

高監督は今、クラブの現状を誰よりも理解しながら、なおも前へ進む決意を固めている。
彼の語る「優しさ」は、甘さではなく、すべてを見た上での包容力だ。
多くの世代を指導してきた彼だからこそ見える、組織の成熟と人の成長の相関、そこにこそ、NAGAREYAMA F.C.の未来がある。

6| 結びに

インタビューを終えたあと、心に残ったのは「勝つチームより、育つチームをつくる」という言葉だった。
それは、結果だけを追いがちな社会への静かなメッセージでもある。
高監督の視線の先には、“サッカーのその先”にある人間の成長が、確かに映っている。

NAGAREYAMA F.C.

【2025】高 勝竜監督 契約更新のお知らせ | NAGAREYAMA F.C.

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おおたかの森ファームスガコウタロウ

東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。

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