【池田】日本初のカレーせんべい専門店「カレーのくち」を考えた人って?池田市が誇る米菓の老舗「とよす」に行ってみた

【池田】日本初のカレーせんべい専門店「カレーのくち」を考えた人って?池田市が誇る米菓の老舗「とよす」に行ってみた

こんにちは!まちっと北摂編集部りんごです。

「今日はカレーよ~」と聞いたら最後。その日は“カレーのくち”になっているので、何としてでもカレーが食べたくなりませんか? カレーと聞いたらカレー。後戻りできないんですよね(笑) これ不思議。

そんな“カレーのくち”に着目し、新たなブランドを立ち上げたのが、池田市が誇る米菓の老舗「とよす」です。今年の6月14日、フルオープンを迎えた阪神百貨店梅田本店の地下の和菓子売り場に、カレーせんべい専門店「カレーのくち」を立ち上げました。

「老舗がカレーせんべい専門店?」と聞き、かなりのチャレンジなのでは?と気になった私。しかし、そこは創業120年を迎える「とよす」。何か秘策があるに違いない!と、池田市の住吉にあるとよす本社に伺いしました。

なぜ?とよすがカレーせんべい専門店なの?

とよす本社で迎えてくれたのは、商品開発部 商品・販促企画課の石原雅也さんと、技術開発課の前田達彦さん。今回の新ブランドの立ち上げに関わった中心のお二人です。

そもそも、なぜ、とよすが新ブランドを手掛けたのか? それは、阪神百貨店梅田本店のグランドオープンがきっかけだったそう。

商品・販促企画課の石原雅也さん。雑談からひらめきを生むアイデアマンです

「阪神百貨店梅田本店の地下1階に、柿の種専門店“かきたねキッチン”を出店しているのですが、今回の改装にあたり、阪神百貨店さんから、新たに何かしませんか?とお声がけいただいて。何がいいかなーと担当の方と話していたのですが、ふとした雑談から、カレーせんべいっておいしいよねとなり、カレーせんべいを出してみるのはどう?ってなったんです」と、石原さん。そこから、調べを進めると、カレーせんべいは関西地域で良く売れていて、さらに大阪ではスパイスカレーの人気が高く、東京よりも激戦区であることが分かりました。
「関西で、大阪でこれだけ求められているのであれば、カレーせんべいはありなのでは」と、とよすのカレーせんべいへの挑戦が動き出したのです。

スパイスで風味を差別化。辛さも段階を

いざ、「カレーせんべい」と決まったものの、社内ではちょっとしたざわつきがあったと前田さん。「カレー味のお菓子は、かなりの数が出ているのですが、しぼんでいくものがほとんどで。そこに手を出すのか…という雰囲気は正直ありました。ただ、スパイスカレーは人気がありますので、その波にのせて関西のお土産として広げることはできるかなと」

大阪らしいスパイスカレーでありながら、老若男女が食べられるような味、好みが偏らないように、スパイスカレーと家のカレーの間を探ってきたそう。「カレーってほとんどの方が好きなのですが、味の好みがバラバラなんですよね。これ俺のカレーと違う、にならないようにスパイスで風味を差別化し、辛みの差をつけていきました」。

鉄板焼き製法のサックリとした食感のカレーのくち。サラダオイルとカレーオイルを使い、後にも旨みが残る風味豊かな上品なせんべいに仕上がりました。

技術開発課の前田達彦さん。カレー好きですが、実は辛い味は苦手。ずっと汗をかきながら開発していたそうです

カレー味のランキングも参考にしつつ、出来上がった味は、「オリジナルカレー味」「スパイシーカレー味」「グリーンカレー味」「バターチキンカレー味」の4種類。一番辛くないのが、バターチキン。子どもでも食べられます。

口の周りが汚れない、食べやすい一口サイズです(各540円)

突然出てきたカレーせんべい⁉当初は揚げ米菓だった⁉

しかし開発当初はカレーせんべいではなく、揚げ米菓の話が上がっていたそう。「実は市場では揚げ米菓が伸びているんですよね。1年間試行錯誤していたのですが、揚げ米菓はお土産でも多いので、二番煎じになるなと。パリパリっとした食感のお菓子も好まれているので、そこからカレーせんべいの話が出てきました」と石原さん。

ただ、突然の方向転換に開発担当者としては、驚きがあったと思うのですが…

「このタイミングで!?(笑)となりますが、よくあることなんです。揚げ米菓は表面がガサガサになるので、進物らしさがなくなります。そもそも、進物にもできるような体裁を整えた米菓にしたかったので、鉄板焼きの方が進物らしさはあります」。なるほど、業界ではよくあることなんですね…しかもそこから、カレーせんべいを数カ月ほどで完成させたのは、さすがの老舗です!

せんべいは決まった。そこからの道のりがさらに長かったと石原さん。
「どんなブランドでいくの?デザインは?最終決定に昨年の11月ころまでかかりました。とくにブランド名がなかなか決まらずで。本来は大阪土産なので、大阪の冠はつけたかったのですが、そうすると、味のバリエーションが広がらない。初見でイメージが伝わるキャッチーな名前にしたい思いがあったのですが、100~200案出してもどれもピンとこない。最終的に私が考えていた“カレーのくち”を半ばごり押しで、上司が折れた形ですね(笑)」

オープン2日目に“完売”のポップが出るほど好評

阪神百貨店梅田本店に誕生してから、お客さんの反応はいかがだったのでしょうか?

「オープン記念の限定パックを、1週間分くらいを想定して1000個用意したのですが、1日半で完売。嬉しい誤算でした。冗談で、“本日分完売しましたのポップを作らないとあかんのちゃいますかー”と言っていたのですが、2日目本当に作らないといけなくなって(笑)、その後、1000円のアソートも日中で完売になることも。今も品薄なので、本社で作ったものをその日に営業が持参するという日もあります。近くて良かったです(笑)」と、想定以上に好調だったことに、石原さんも前田さんも安堵の笑顔を見せてくれました。

複数の味を入れた「アソートセット」は3種類。1080円、2160円、3240円。左の1080円が一番人気。

カレー堂さんとのコラボ商品を7月6日(水)に販売!

今後は、4種類の味に加えコラボ商品などの販売も検討中。その第一弾として、7月6日(水)に発売されるのが、ビジネスマンに人気の欧風カレー店との商品です。
「堀江と堺にお店があるのですが、まー辛いです(笑)。スパイシーカレー味をはるかに超えています。でも、最初にフルーティーな味が来て、その後ろから辛みがくるので、クセになる味です」(前田さん)

「今後も、コラボ商品は考えています。北摂地域のカレー屋さんとコラボができれば北摂地域も盛り上がって、おもしろいかもしれないですね」(石原さん)

無性にカレーが食べたくなる季節!  家のお菓子のストックと、夏の帰省の手土産は「カレーのくち」にキマリかも。「カレーのくちってナニ?」から話も広がりそうですね。
そして、120周年を迎えても新たな挑戦を続ける、池田の「とよす」を北摂人としても応援したいです!

カレーのくち

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まちっと北摂編集部りんご

大阪・北摂(豊中・吹田・池田・箕面・茨木・高槻)で地域密着の生活情報紙「リビング新聞」を発行する株式会社サンケイリビング新聞社が展開する地域情報プラットフォーム「まちっと北摂」の編集部、りんごです。 大阪生まれ、大阪育ち。結婚後、家族4人で北摂暮らしに。空が広く、緑が豊かで、子育てもしやすい北摂の街の雰囲気がとても大好きです。お気に入りの風景は、新御堂筋から見える夕焼け。アイコンの画像はお気に入りの2歳の頃の私です。

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