【柏】柏市民はどこかで目にしているはず!「生誕88年早川義孝展」開催中。スタンプラリーで特典も!

【柏】柏市民はどこかで目にしているはず!「生誕88年早川義孝展」開催中。スタンプラリーで特典も!

市役所、ラコルタ柏、柏市民文化会館、アミュゼ柏、市内小中高校など、柏市内の公共施設に掲げられている幻想的なサーカスや船の絵の数々…。
これらを描いた画家・早川義孝氏の名前は知らなくても、その作品は柏市民なら一度はお目にかかっているのではないでしょうか。

柏のみならず、国内外でも人気のある早川作品。
今回、そんな早川氏の作品36点がパレット柏に集結!
筆者は事前にデジタルスタンプラリーで招待券を入手し、初日に柏市民ギャラリーに伺いました!

↓↓柏市の公共施設に展示されている早川氏の絵については、過去のまちっと柏の記事をご参照ください↓↓

早川氏の絵を展示しているスポットを巡り、スタンプ3つでオリジナルクリアファイル、スタンプ5つで招待券がもらえます! もちろん、スタンプラリーに参加しなくても、一般の大人の方は500円の入場料で鑑賞できます。(高校生以下は無料)

早川氏の絵を展示しているスポットを巡り、スタンプ3つでオリジナルクリアファイル、スタンプ5つで招待券がもらえます! もちろん、スタンプラリーに参加しなくても、一般の大人の方は500円の入場料で鑑賞できます。(高校生以下は無料)

早川義孝展について学芸員さんに聞く!

まずは、今回の展示を鑑賞するにあたり、パレット柏の学芸員・渡慶次明子さんにお話を伺いました。

Q:なぜ今回の展覧会を企画されたのですか。

渡慶次氏:前回柏で早川先生の展覧会が開催されたのが2005年(※1)なので、20年経つ前に開催したいと思っていたこと、そして、昨年柏市に新しく作品が寄贈されたことなど、いろいろなタイミングがあったという感じでした。

Q:今回は柏市所蔵の作品が多いのですか?

渡慶次氏:実は、展示作品の半分くらいが「しもだて美術館」からお借りしたものなんです。

Q:それは楽しみですね! 早速拝見させていただきます。

(※1)2005年に開催された柏市・沼南町合併記念「早川義孝展」。

36点の作品がテーマごとに整然と展示されていて、照明も美しく…。渡慶次さんの静かな情熱が感じられます。

36点の作品がテーマごとに整然と展示されていて、照明も美しく…。渡慶次さんの静かな情熱が感じられます。

見どころ①テーマごとに早川ワールドを体感!

早川氏は1936年生まれ。小学校に入学する頃、強制疎開のために家族とともに柏に移り住みます。
柏の自然を愛し、以降、2012年に亡くなるまで、柏を拠点に活動されました。

早川氏が繰り返し描いたモチーフは、船、サーカス、花、鳥、蝶、灯台など。
基調となっている色彩のなかに、それらが象徴的に描かれ、物語の1シーンを切り取ったような世界が広がります。

今回の展示では、それぞれテーマごとに展示されているので、そんな早川ワールドをたっぷり堪能できるんです!

壁一面、サーカスをテーマにした作品が並びます。少年のときに柏で見たサーカスが鮮烈な印象となって早川氏の心に刻まれたそうです。

壁一面、サーカスをテーマにした作品が並びます。少年のときに柏で見たサーカスが鮮烈な印象となって早川氏の心に刻まれたそうです。

鳥をテーマにした作品も、こんなに色とりどり!!

鳥をテーマにした作品も、こんなに色とりどり!!

灯台を描いた4作品は、椅子に座ってゆっくり眺めたい! 私のイチオシ鑑賞スポットです!

灯台を描いた4作品は、椅子に座ってゆっくり眺めたい! 私のイチオシ鑑賞スポットです!

見どころ②「シンドバットの船」大型3作品

早川作品の代名詞ともいうべき「シンドバッドの船」は、クラシック愛好者だった早川氏がロシアの作曲家リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェラザード」から着想を得たもの。
この「シンドバッドの船」大型3作品の展示は圧巻です!

「この配置、狙いましたよね?」との私の質問に、「しもだて美術館から2作品借りられたので」と渡慶次さんがはにかみながら答えてくださいました。

「この配置、狙いましたよね?」との私の質問に、「しもだて美術館から2作品借りられたので」と渡慶次さんがはにかみながら答えてくださいました。

こちらも壁一面に「シンドバッドの船」がズラリと並びます。船腹の渦巻きや十字模様、波、国旗など描かれているパーツの一つひとつが、リズミカルに音楽を奏でているようです。

こちらも壁一面に「シンドバッドの船」がズラリと並びます。船腹の渦巻きや十字模様、波、国旗など描かれているパーツの一つひとつが、リズミカルに音楽を奏でているようです。

見どころ③しもだて美術館所蔵レア作品

展示作品のうち、ひとつだけ雰囲気の異なる作品が…。
タイトルを見てみると、1954年、早川氏が東葛飾高校2年生のときに、全日本学生油絵コンクールで、最優秀作品に与えられる文部大臣奨励賞を受賞した作品「家族」でした。

早川氏の原点ともいうべき「家族」。翌年も同コンクールで文部大臣奨励賞を受賞するという快挙を成し遂げます。

早川氏の原点ともいうべき「家族」。翌年も同コンクールで文部大臣奨励賞を受賞するという快挙を成し遂げます。

しもだて美術館所蔵「ミモザ咲く海」。黄色と青の色彩が美しい、早川氏の作品のなかでもレアなテーマ・構図の作品に心を奪われました。

しもだて美術館所蔵「ミモザ咲く海」。黄色と青の色彩が美しい、早川氏の作品のなかでもレアなテーマ・構図の作品に心を奪われました。

早川義孝氏の妻・十世子氏に聞く!

初日に会場にいらした早川氏の奥様・十世子氏にお話を伺うことができました。
十世子氏は、2021年まで千代田一丁目で「コーヒーショップモカ」を長年経営していらっしゃいました。店内は早川氏の絵が飾られ、多くの常連さんたちに愛されたカフェでした。

Q:画家である早川先生をどのようにお支えになったのですか?

十世子氏:私はモカをずっと経営していましたし、お互いに相手の仕事には口を出すことはありませんでした。ただ、新しい作品ができあがると「ステキね」「好きだわ」などと感想を言ったりしていました。

Q:そもそもなぜモカを経営することに?

十世子氏:18歳のとき、母と一緒に早川の家の前を通りかかったとき、「従業員募集」の貼り紙を見かけたんです。お話を伺いに行ったら、早川のお父さんとお母さんが出ていらして「3月1日に開店するので、明日からいらしてください」と。それ2月27日のことなんですよ。しかも、私の母にもご一緒にって(笑)。

Q:それから68年も経営されることになったんですね! 早川先生との出会いはそこからですね?

十世子氏:早川は当時東葛高校2年生でした。学校から帰ってくると、裏口から顔をだして「アイスクリームください」なんて言って。

Q:高校2年生というと早川先生が初めて文部大臣奨励賞をとったときですね。けっこうかわいらしいところも?

十世子氏:はい(笑)。鳥を愛し、花を愛し、魚つり…と、生涯、自分の好きなことを夢中でやった人でした。

市民ギャラリー向かいの多目的スペースにて。親交のあった座間博氏提供のゆかりの品々が展示され、作品解説のビデオ放映ではラヴェルの「ボレロ」が終始流れています。「早川の作品に合っているわね、このリズムが」と奥様。

市民ギャラリー向かいの多目的スペースにて。親交のあった座間博氏提供のゆかりの品々が展示され、作品解説のビデオ放映ではラヴェルの「ボレロ」が終始流れています。「早川の作品に合っているわね、このリズムが」と奥様。

2021年に惜しまれつつ閉店した「コーヒーショップモカ」。当時は入口に「シンドバッドの船」のオブジェが飾られていました。

2021年に惜しまれつつ閉店した「コーヒーショップモカ」。当時は入口に「シンドバッドの船」のオブジェが飾られていました。

生誕88年早川義孝展へ

十世子氏が早川氏に出会った当時のエピソードをお話になるとき、未来を見つめるような表情をされたのが印象的でした。
早川夫婦は同じ世界を見ていたのかもしれない…。
「ずっとお店をやってこれてよかったと思います」という奥様の言葉に、そんな夫妻の絆が垣間見えるような気がしました。

早川氏が繰り返した描いたモチーフは、いずれも私たちを別の空間・世界へ連れていってくれるものばかり。
その作品の前に立ったとき、心がふわっと沸き立つような気持ちがするのは私だけではないでしょう。

「生誕88年早川義孝展」は8月5日まで開催。
この機会にぜひ柏を代表する画家の作品をたっぷりお楽しみください!

「シンドバッドの船」が掲載されたチラシ。この作品は大型3作品のうちどれでしょうか? 会場で確かめてみてくださいね!

「シンドバッドの船」が掲載されたチラシ。この作品は大型3作品のうちどれでしょうか? 会場で確かめてみてくださいね!

早川作品お馴染みの月・船・鳥が刺繍されたオリジナルハンカチも販売されています!

早川作品お馴染みの月・船・鳥が刺繍されたオリジナルハンカチも販売されています!

生誕88年早川義孝展

  • 【開催期間】2024年7月12日(金)~8月5日(月)
    【開館時間】10:00~18:00(最終入館17:30)
    【料金】一般500円、高校生以下無料、障害者手帳をお持ちの方と介助の方1名無料
    【会場】柏市民ギャラリー(柏市文化・交流複合施設 パレット柏内)
    【住所】柏市柏一丁目7番1-301号 DayOneタワー3階
    【電話】04-7157-0280

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「ちゃーりんぐ柏」代表石井雅子

柏生まれ柏育ち。編集者・箏(こと)奏者。市民活動家の両親が2015年前後に他界したことをきっかけに、柏に興味を持つようになる。2021年、柏の歴史スポットを自転車で巡る「ちゃーりんぐ柏」プロジェクトを立ち上げ、2022年市民公益活動団体として登録。2023年5月、補助金申請や情報発信、連携などをサポートする中間支援団体「ジセダイ歴史文化継承研究所」を設立、事務局長を務める。

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