【柏】駅近 美術めぐり! 柏ゆかりの二人の画家〈瀬〆謙一氏&早川義孝氏〉

【柏】駅近 美術めぐり! 柏ゆかりの二人の画家〈瀬〆謙一氏&早川義孝氏〉

今回は、アート愛好者のなかで、今ホットなトピックとなっている、柏ゆかりの画家お二人についてご紹介します!
いずれも公共施設で見られる作品ばかりですよ~!

遺された作品は800点以上! 異色の画家・瀬〆謙一氏

私が初めて瀬〆氏の絵に出合ったのは、前回の記事でご紹介した中村順二美術館を訪れたとき――ちょうど館長がその絵の額装をしていたときでした。

↓↓中村順二美術館についての記事はコチラ↓↓

瀬〆謙一氏(せしめ けんいち、1949~2020年)。
30代で精神を病み、入院生活をへて、柏にある社会福祉法人「よつば」の福祉作業所で活動。
福祉的支援のあるグループホームに移り住んでからは、安定した生活環境のなかで創作に打ち込めるようになり、遺された作品は800点以上にも及びます。

一目見たときから、その色遣い・世界観に心を奪われてしまった私。
その美しい絵の数々が2万円前後で販売されることを知り――展覧会初日の開館時刻に、購入する気満々で訪問。
《手賀沼》と題された絵を選びました。
(作家さんの絵を購入するのは、実は初めてなんです。)

中村順二美術館に展示されていた《手賀沼》。手賀沼を愛する私としては、ときめかずにはいられない作品です。

中村順二美術館に展示されていた《手賀沼》。手賀沼を愛する私としては、ときめかずにはいられない作品です。

そして、現在、ラコルタ柏(教育福祉会館)1階の「障害者等自立支援室 あ・えーるテラス」で、再び瀬〆氏の展覧会が開催されています。

中村順二美術館とは異なる展示内容で、しかも、12月8日(水)から作品が入れ替わるそうです。

この機会にぜひ瀬〆さんの鮮やかな絵に触れてみてください。今回の展示作品も購入できますよ!

この機会にぜひ瀬〆さんの鮮やかな絵に触れてみてください。今回の展示作品も購入できますよ!

12月24日(金)まで開催中ですので、柏市役所や柏市立図書館本館にお立ち寄りの際には、ぜひご覧になってみてください。

「あ・えーるテラス」入り口。開館日は月・水・金曜日の10:00~16:00。

「あ・えーるテラス」入り口。開館日は月・水・金曜日の10:00~16:00。

「モカ」閉店ショック! でも、早川義孝氏の絵は身近にあるんです!

そして、今回もう一人お話ししたいのが、瀬〆氏も一時期、強い影響を受けていた、早川義孝氏(はやかわ ぎこう、1936~2012年)のことです。

生前、柏に在住し、国内外にファンの多い早川氏の作品。
先月末(11月30日)、早川氏の奥さまが68年にわたって、柏で経営してきた「コーヒーショップ モカ」が、多くのファンに惜しまれつつ、閉店しました。

常連のお客さんたちに愛されてきた「モカ」の外観。店内に流れるクラシックに耳を傾けながら、一人でゆったり過ごす方も多かった…。

常連のお客さんたちに愛されてきた「モカ」の外観。店内に流れるクラシックに耳を傾けながら、一人でゆったり過ごす方も多かった…。

お店の中は早川氏の絵が飾られているのはもちろん、ランプのシェードや椅子の装飾、コーヒーカップにいたるまで、早川氏の絵がほどこされ、その幻想的な世界にどっぷり浸れる空間でした。

早川氏との接点は、私の父が早川氏からもらったという絵。
「早川はいつもいろいろな方に“ありがとう”と言っていました。作品も、たくさんの方にお礼として差し上げていたんですよ」と、奥さまは凛とした表情でお話しくださいました。
父を介して早川氏と線でつながったような気がして、うれしいお言葉でした。

ギャラリー兼カフェの「モカ」は閉店してしまいましたが、早川氏の絵は、柏の様々な公共施設で見ることができます。

柏市役所本庁舎1階ロビーに展示されている《シンドバットの船》

柏市役所本庁舎1階ロビーに展示されている《シンドバットの船》

ラコルタ柏(教育福祉会館)5階に展示されている《夜空の旅》

ラコルタ柏(教育福祉会館)5階に展示されている《夜空の旅》

アミュゼ柏に展示されている《シンドバッドの船》

アミュゼ柏に展示されている《シンドバッドの船》

柏市民文化会館に展示されている《港とサーカス小屋》(左)、《いつかある日》(右)

柏市民文化会館に展示されている《港とサーカス小屋》(左)、《いつかある日》(右)

基調となっている色彩のなかに、花、鳥、蝶、月、太陽、船などが象徴的に描かれる早川氏の作品。
独特の幻想的な画風は決して甘ったるいファンタジーやノスタルジーではなく、見る人一人ひとりの想像力をかき立て、早川氏の提示する世界とつながり対話することができる――そこが今もなお、多くのファンをひきつけてやまない理由ではないでしょうか。

幼少期、疎開を機に柏に移り住むことになった早川氏。
その瑞々しくも深い情感は、豊かな自然があふれる、古き良き時代の柏が育んでくれたのかもしれません。

次回は、そんな柏の歴史の一つをご紹介いたします。

「瀬〆謙一作品展2021」

  • 【会場】ラコルタ柏1階(柏市教育福祉会館)「障害者等自立支援室 あ・えーるテラス」
    【住所】柏市柏 5-8-12 ラコルタ柏(柏市教育福祉会館)
    【開催期間】2021年11月19日(金)~12月24日(金)の月・水・金曜日
    【開館時間】10:00~16:00
    【休館日】火・木・土・日曜日
    【入場料】無料
    【主催】瀬〆謙一作品展実行委員会
    【協力】中村順二美術館

柏市役所

アミュゼ柏

  • 【住所】柏市柏6丁目2-22
    【休館日】年末年始、保守点検による休館日

柏市民文化会館

  • 【住所】柏市柏下107番地
    【休館日】年末年始(12月29日~1月3日)、月曜日 (祝日の場合は開館)

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「ちゃーりんぐ柏」代表石井雅子

柏生まれ柏育ち。編集者・箏(こと)奏者。市民活動家の両親が2015年前後に他界したことをきっかけに、柏に興味を持つようになる。2021年、柏の歴史スポットを自転車で巡る「ちゃーりんぐ柏」プロジェクトを立ち上げ、2022年市民公益活動団体として登録。2023年5月、補助金申請や情報発信、連携などをサポートする中間支援団体「ジセダイ歴史文化継承研究所」を設立、事務局長を務める。

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