【北摂コーヒー×地域】豊中・喫茶ピーコック「まちや店は人が作るもの。僕はあくまで管理人」上芝英司さん

【北摂コーヒー×地域】豊中・喫茶ピーコック「まちや店は人が作るもの。僕はあくまで管理人」上芝英司さん

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コラム「北摂の人・会社」では、北摂を代表する会社や、地域を盛り上げる人を取り上げています。そのスピンオフとして、コーヒーで地域をつなぐ人をフォーカス。第3回は、豊中産レモンで地域の人をつなぐ「豊中こどもれもねいど」の活動など、地域活性に尽力する、「喫茶 ピーコック」3代目店主・上芝英司さん(写真)です。

web外観上柴さんDSC06780

阪急服部天神駅近くで、50年以上の長きに渡り地元で愛される喫茶ピーコック。訪れた平日の午後、店内にはコーヒーの香りが満ち、ゆっくりとした時間の流れに身をゆだねる常連客の姿がありました。

web店内DSC06792▲テーブルもゆったりと配置され、くつろげる店内

父からのパスを受けて見えた地域

上芝さんの父で、2代目の茂樹さんが、毎朝ていねいに焙煎する豆でいれたコーヒー(350円)とカレーライス(600円)が看板メニュー。初代である祖父時代から、材料をつぎ足しながら煮込み続けるカレーは、2時間かけてスパイスを炒めたルーが、深いコクを醸し出します。

webコーヒーDSC06767

曾祖父の代から、寿司店など飲食店を営む家系という上芝家。「祖父の代で喫茶店に商売替え、1960年代頃から始まった喫茶ブームの走りです。父が後を継ぎ、僕で3代目。家業を継ぐ気はまったくなく、バンド活動をしていた25歳の頃、父親の背中にかすかな老いを感じて…。跡を継ぐ決心を」と話しながらも、これにはオチが。「その頃、父は50歳代、まだ若いですよね。背中の老いは、僕の勘違いだったのかも」

そう笑いながらも、父からのパスを受け取り店に出ると、高齢化、シングル家庭や子どもの貧困といった、お客さんの生活や地域の話が聞こえるように。それらをサポートするうちに「コーヒー屋だけでは見えなかったことが見えるようになった」と、地域に目を向け始めた当時を振り返ります。

webパックコーヒーDSC06789▲「ピーコックの変わらない良さを大切にしつつ、チャレンジも」と、上芝さんがパッケージデザインを手がけたドリップパックを発売

レモンで地元の子どもとお金を学ぶ

そんな中、地域活性にと思いついたのが「豊中こどもれもねいど」。子どもが収穫した豊中産のレモンを使ったレモネードを販売し、売り上げで子ども食堂のサポートなど、地域貢献をする活動です。

webレモネイドDSC06773

2016年から活動し手ごたえを感じる一方で、豊中産レモンの生産量の限界などの理由もあり昨年でひと区切り。今年1月からは、子どものお金教育を地域で考える「こどもれもねいどアンバサダー」をプレスタートしました。レモネードを販売して利益を得る部分は以前と同じですが、新たに、子どもが自分で夢やチャレンジを設定、実現のための出資を受け、売るためのPRや工夫などを考える過程を取り入れました。

売るためのPRや工夫とは?「例えば、おもちゃが欲しい!とします。購入する資金が3000円必要だとしたら、200円のレモネードを15人に売ったら稼げる額です。じゃあ、15人が買ってくれる場所は?親戚?近所?地域のイベント?500円で買ってもらうには?どんな付加化価値を?などを考えてもらいます。理由や目的について説明できることが大切で、経済感覚とともに、プレゼンテーションとコミュニケーション力が鍛えられればと思っています」。

上芝さんの役割は、これらのサポート。子どもだけでは難しい、資金調達に必要な地域イベントやクラウドファンディングの紹介など、情報や人と子どもをつなぎます。本格始動は春ごろで、パンフレットなどを市内に配架する予定です。

web写真展DSC06786▲上芝家ほか地域住民が所蔵する、服部界隈の懐かしの写真を集め作成した写真集。年末年始には写真展も開催されました

幸せに暮らせるまちに。管理人としてメンテナンス

「こどもれもねいどアンバサダー」は、豊中レモンを他の物に置き換えれば、全国どこででもできる取り組みですが、まずは地元の子供たちから。「幸せで楽しい思い出があるまちは、大人になってからも大切にしようとしますよね、僕がそう。たくさんの大人に愛されて育った服部のまちは、今、僕が地域で動く時に、ピーコックの“ぼん”やからと、みんなが力を貸してくれます。子どもたちにも、地域でそんな体験をしてもらいたい」

地元愛あふれる上芝さんに、地元や店への思いをたずねると「僕はあくまでも管理人」との返答。「”こうしたい”といった大それた思いはなく、店やまちはそこにいる人が作っていくもののような気がします。お客さんや地域の人が幸せに暮らすせるよう、人をつなぐのが僕の役割。公共施設のメンテナンスをしている感じです」

喫茶ピーコック
豊中市服部元町1-1-6
06-6864-0317
ピーコックHP https://peacock64.com/
こどもれもねいどアンバサダー https://peacock64.com/post-10463/

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