先日伺った箕面の持ち帰り餃子店「餃子の惑星」でお会いした店長さんが、お話を聞いていたら、実はなんと世界的な歯ブラシメーカー「夢職人」の社長、辻陽平さんでいらして、「なんで歯ブラシメーカーの社長が、エプロン巻いて餃子屋さんの厨房に立ってはったんや…」「なんで歯ブラシと餃子の組み合わせなんや」を考えていると、日に日に悶々としてきて、それならもっかいお話聞きに行こう!ということで、今回改めて辻さんにお話を聞く機会をいただきました。
過去記事:【箕面】12月にオープンした「餃子の惑星」が宇宙規格のおいしさである件
<夢職人?MISOKA歯ブラシって?という人に>
「株式会社夢職人」と歯ブラシブランド「MISOKA」をご紹介しますと、「夢職人」は、北摂・箕面で2007年に創業した、先進的なナノミネラルテクノロジーを軸とした製品の開発および製造をする企業です。主力商品の歯ブラシ、「MISOKA」は独自のコーティング技術によりコップ一杯の水だけでさっぱり歯を磨くことができる画期的な歯ブラシで、アジアやヨーロッパ、アメリカ等の各国で(各国のセレブの方にも!)450万本以上販売されている、世界でも愛される歯ブラシブランドです。
「夢職人」ホームページ
「MISOKA」オンラインショップ
今回は、歯ブラシの魅力、餃子の魅力というモノの紹介という観点ではなく、辻さんとのお話の中で特に響いた「モノづくり」「ヒトづくり」「マチづくり」のキーワードをピックアップしました。お仕事の話が中心ですが、北摂の街を元気に楽しくする要素、楽しく生きていくうえで参考になる考え方が多く、こんちゃんが、はっ!と響いたキーワードをご紹介します。
「ものづくりの原動力は、好奇心と探求心。考えて、調べて、カタチにして、シェアする」
辻さんの「ものづくりの原動力」は、好奇心と探求心。 自分でまず考えて、自分なりの解釈で調べて、人が気づかないことを探して カタチにしてみて、それをシェアすることで、喜んでもらうこと。昔はパソコンを自分で一から組み立てるほど、これだ!と思ったものに没入する。車のコーティングを自ら研究開発したり、そしてそれがきっかけとなり、生みだした歯ブラシ「MISOKA」、新事業の餃子まで、一貫して、好奇心と探求心で調べまくって、考えまくって、カタチ化していくこだわり。そしてそれらの「面白いことを考える」「面白いことを実現する」時間は本当に尽きない!
「世の中、世の人が本当に求めているものを、妥協せずこつこつ提供する」
夢職人の創業からしばらくして、TVでの紹介がきっかけで、爆発的なヒットを記録した「MISOKA」。在庫が全く追いつかないタイミングにおいても、パッケージ等の細部まで妥協せず、量産体制をとることでクオリティを下げることをせず、自分とメンバーで作り続け、本当に良いと思ってもらえる、求められているものを届け続けたこだわり。それが人から愛され続けるモノになり、それは社会に残り続けていく財産に。
「まずは自分でできるようにする。自分が職人となってこだわりのものづくりをする」
自らの手で試行錯誤し、研究し、完成させた歯ブラシはもちろんのこと、新規事業で始めた餃子についても、夢職人の社長という立場を伏せて、浜松に餃子の修行に。ノウハウを得たうえでこだわりの餃子づくりを開始。完成したのは、店舗併設の工場ですべて生産(肉のミンチ化まで!)したこだわり餃子。自分がこだわって、完成できてこそ、周りの人を巻き込める。
「人を感動させるモノづくりをするという考え方は、完成物が違っても変わらない」
餃子の事業を始めるにあたり、社内で、歯ブラシを作っていた担当メンバー数人を餃子店へ転換。最初は半信半疑だったメンバー。モノづくりの職人気質がすぐに餃子の製造にも生かされた。自分達が作った試作品をたべて、メンバーから上がってきた言葉は「なぜ社長が餃子店を出そうと思ったかがわかりました!」
その後、メンバーからは、食べ方のアイデアがどんどん湧き出てくるように。モノづくりの本質は、考え抜いて生み出したモノによって、人に感動してもらうことであって
それは「歯ブラシ」であっても「餃子」であっても変わらない。
「一人一人が強みを生かし、皆が職人に。互いを尊重しあえる循環状態をつくる」
誰しもが得手不得手があるので、得意を強める。そして自分ができないことを得意とする人を尊重する。事務作業が得意な人、パソコンが得意な人、誰が偉いということでなく
それぞれが互いに支えあって100%の力を発揮できてこそ組織力が最大化して、よいサイクルが生まれる。夢職人はそんな職人集団。
更には例えば餃子であればキャベツの農家さん、お客さんまでも尊重しあい、それぞれが支えあうことで、社会・経済が循環する。
「自らが、社会をよくする原動力に。そしてみんなが様々なモノゴトに挑戦できるように」
まずは、自分が社会をよくする原動力になり、波紋をたてることが大事。周りにアホやなとおもわれても、自信が無くても、まずはやってみればいい。無理ならやめればいい。まずトライをして、エラーをして、、見つかった課題をカイゼンしていくことが大切。
「北摂は自然、文教、独特な価値観を持つ地域。ただし地域の活気が落ちていることが課題。解決したい」
吹田で生まれ育ち、箕面で起業。万博公園や箕面の桜並木、大学も多く、阪急電車のカラーリングさえも、北摂の独特の価値観を構成している。ステイタスある素敵な地域。ただし、大型店での出現等で昔ながらの商店街等の活気が落ち、空き店舗が増えている。若い世代が、北摂に戻ってきて、職住接近で活躍できる状態になればこの先数十年と、北摂の街の住みやすさが続いていく。そしてそれが北摂社会の財産となって残っていく。
その若い世代の活躍を応援する場や仕組みを作っていきたい。そして、みんなが応援する、応援される状態になればよい。
”つくる”の根底「想い」「信念」。伝わると応援したくなる!
「MISOKA歯ブラシ」「餃子の惑星」、こんちゃんも実際に体験し、それぞれの商品はとても素晴らしいものだと感じましたが、それは、そのモノが作られる過程で”つくる”の根底、背景にある「人の想い」「信念」が商品に宿るからこそ、その魅力を感じることができたんだと改めて思いました。そして辻さんの想いを共有した職人たちが作ったモノは、やはりとても魅力があふれるもの。その思いはとても心に響くもので、私もすっかり商品のファンに、そしてその考えでモノづくりをされている辻さん、夢職人のファンになりました!
辻さん、貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
こんちゃんも、そして「まちっと北摂」も、これからもっともっと「地域」「地域の人」の魅力発見をしていき、ひとりでも多くの人が「地域」を「人」を応援しあいたくなるように。そして、ずっとずっと素敵で住みやすい北摂の”まちづくり”に貢献できるように、想いをこめてがんばります!
株式会社夢職人
- 大阪府箕面市半町 3 - 14 - 13
「夢職人」ホームページ
「MISOKA」オンラインショップ
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この記事を書いたのは…
まちっと北摂編集部こんちゃん
大阪・北摂(豊中・吹田・池田・箕面・茨木・高槻)で地域密着の生活情報紙「リビング新聞」を発行する株式会社サンケイリビング新聞社が展開する地域情報プラットフォーム「まちっと北摂」の編集部、こんちゃんです。 北摂生まれ北摂育ち、一度北摂を出て、もうきっと戻ることはないと思っていましたが偶然のきっかけで北摂に夢のUターン! 北摂に縁と魅力と愛を感じ暮らす毎日。この愛を存分に発信できればと思っています! テーマは(レコードを掘って、音楽とオーディエンスを繋ぐDJのように) 「北摂の人・モノ」を掘って掘ってつなぎまくる! 「北摂の魅力ある人・モノ」を発掘して、「北摂」らしいか検証し、また別の「北摂」を教えてもらって「北摂の街・人・モノ・想い」を繋いでいこうと思っています!