こんにちは!
生まれも育ちも流山、スペシャリストのスガコウタロウです。
流山市で続けている “ 心のバリアフリー ” の取り組み「エンカナルプロジェクト」のお話です。

今回で5回目となるこのイベントは、あえて50名ほどのコンパクトな規模にし、原点に立ち返る形で実施されました。
大人、幼児、小学生、大学生、高齢者、精神障害・身体障害を持つ方々。
多様な人々が自然に混ざり合い、まるで「小さな村そのもの」が都会からすぐの流山に出現したような空気が流れる一日となりました。
過去のエンカナルプロジェクトをが気になる方はこちら
なぜ “ あえて小規模 ” に戻したのか
これまで4回開催し、エンカナルの魅力の「核」がどこにあるのかが見えてきました。
それは、理念やコンセプトといった “ 抽象 ” ではなく、もっとミクロなところ
最初にどう声をかけるか
会話が生まれる “ きっかけ ” がどこに置かれているか
誰がどこに立つと安心が生まれるか
といった “ 最初の数十秒の設計 ” にこそ、本質があるということです。
参加者の多くは、心のバリアフリーに対して高い意識と善意を持って来てくれています。
それでも、実際にはこんな迷いが生まれます。
最初に何を話せばいいかわからない
相手にどう近づけばいいのか迷う
興味を持てなかったら失礼ではないか
反応が薄かったらどうしよう
そして実は、こうした “ 最初の一言の迷い ” は健常者側に多く、
障害を持つ方々は自己肯定感の問題や経験から、自分からいくのが難しい場合が少なくありません。
この “ 双方の遠慮 ” が、静かで見えない壁として場に存在する。
エンカナルは、ここを丁寧に扱うプロジェクトなのです。

火起こしのように “ 最初だけ ” コーディネートする
今回の第5回では、特に火起こしと同じ構造を意識しました。
最初の着火だけは主催側がつくる
火がついたら、あとは放っておく
この設計に徹しました。
そのために、以下の仕掛けを入れてました^^
- コミュニケーション力が突出して高い “ 魅力的な人材 ” を数名、あえて混ぜる
- 子どもたちの空気を読む力や自然体の行動を“潤滑油”にする
- 車椅子や身体が不自由な方を中央に配置し、皆が自然に囲む構図をつくる
- おにぎり・ピザ・焼き芋など、誰もが作れ・運べ・手伝えるメニューに統一
- 配る/取りに行く/誰かと一緒に作る——会話が始まる入口を至るところに置く
こうした“最初の段取り”さえ整えば、あとは火が広がるように、
どのグループも勝手に話し始め、勝手に混ざり合っていきます。
そして、場が温まりきった瞬間からは、主催側は意図的に手を引きます。
この“最初だけおせっかい、あとは放置”というリズムが、
5回の実践を通じて最も自然で混ざり合いが深まる方法であると確信に変わりました。



50人というスケールが生んだ “ 村の空気 ”
参加人数を50名に絞ったことで、
誰かの気配が常に視界に入り
しかし干渉しすぎない距離感が保たれる
という絶妙な “ 村サイズ ” が実現しました。
焼き芋を配る子ども、ピザを切り分ける大学生、車椅子の参加者を自然に囲む輪。
そこには「障害者だから」「健常者だから」という視点は消え、ただ “ そこにいる人 ” としての関わりがありました。
意図的な設計とコンパクト化によって、
「混ざり合いが自走する空気」が確かに生まれていました。

エンカナルは “ 障害者イベント ” ではない
誤解されがちですが、このプロジェクトは福祉イベントではありません。
むしろ、
“健常者が心の壁を外す経験を得るためのイベント”
です。
話しかけてみたら普通に楽しい
不安に思っていた壁は薄かった
やってみたら自分のほうが楽になった
こうした“成功体験”が、健常者側の心を変え、社会全体を変えていく。
これがエンカナルの目的です。
コストがかからない理由 “ 持ち寄り ” が文化になる
エンカナルは、設営・片付け・食事準備を参加者全員で行うため、運営コストが極端に低いのが特徴です。
参加費も最小限で済み、ハンディキャップを持つ参加者は無料で参加できます。
これは、「持ち寄りこそコミュニティの本質」という価値観の実装そのものです。

この仕組みは、他の地域でも再現できる
特殊な設備は不要。
必要なのは、
人を集める役割
実行委員的な少人数
最初の一歩をつくる意図
たったこれだけです。
運営ノウハウ、初期設計、当日の流れはすべてお伝えできますので、
他の自治体・団体でも再現可能な“地域モデル”へと成熟してきました。
【興味を持った方へ】
もし、ご自身の町で学校や団体で自治体として
こうした “ 心のバリアフリーの小さな村 ” をつくってみたい方がいれば、どうぞ気軽にお声がけください。
初期コーディネートの設計や当日の流れなど、必要なことはすべてお伝えします。
誰かの勇気ある一歩さえあれば、どの地域でも “ 心のバリアフリーの小さな村 ” 立ち上げられます。
お問い合わせ:おおたかの森ファーム株式会社
https://otakanomorifirm.com/contact/










エンカナルプロジェクト詳細
過去のエンカナルプロジェクト
過去のンカナルプロジェクト動画
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※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけ、サービス利用の際はHP等で最新情報の確認をしてください
この記事を書いたのは…

おおたかの森ファームスガコウタロウ
東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。












