【流山市】未来のためにできること…「ふるまぎ里山ミュージアム発足会」参加レポート

【流山市】未来のためにできること…「ふるまぎ里山ミュージアム発足会」参加レポート

野草フォトクラブ19です。

さる3月15日、「ふるまぎ里山ミュージアムを実現する会」に参加してきました。
その報告と感想です。

前日までの暖かさから一転、曇り空の寒い日となりましたが会場の「流山市生涯学習センター」の会場には50~60人の人が集まってました。
会の名称から年配の方たちだけかと思っていたら子育て中の若い方も見受けられ、実際子供さんも来ていました。

会場の流山市生涯学習センター

会場の流山市生涯学習センター

生物多様性ながれやま戦略

主催者の説明では「生物多様性ながれやま戦略」は2010年に全国の自治体に先駆けて策定されたそうです。
“へー、すごい!”と思いました。

でも、その戦略を実現するため2014年に生物のモニタリング調査が始まって約10年。
データは整っているのに自然環境の保全につながる施策は一向に打たれていないと聞いて2度びっくり。
“へー、そうなんだ‼”です。

流山市は人口が急増し、学校や病院などのインフラに予算をとられるのは容易に想像できますね。
税収を確保するための格好の材料が物流センター。

新川耕地に次々と姿を現す物流センターは流山市の発展を象徴する景観ですね。
高速道路のインターチェンジに近い場所に広大で格好の土地があったこともある意味、驚きです。

会場風景

会場風景

会場の両サイドに展示されたふるまぎの生き物

会場の両サイドに展示されたふるまぎの生き物

古間木地区は流山で最後に残った里山

みなさんは流山市の古間木という場所をご存じでしょうか?

流山総合運動公園はご存じの方も多いと思いますがその東側に広がる場所で畑や田んぼが大半を占めています。

ただし休耕地や耕作放棄地も散見される場所です。
会の終了後、見学会が開催され、私も見てきました。

主催者によればこの古間木と隣接する長崎・野々下地区を含めた地域は流山市で最後に残った里山とのことで、回りを斜面林に囲まれ、豊かな地下水や湧水に恵まれた場所だそうです。

従って生物多様性にも恵まれ、猛禽類で環境省の雑滅危惧種に指定されるサシバが営巣したり、千葉県の絶滅危惧種最高ランクのニホンアカガエル、それにホタルも生息しているとのことです。
実際見学会ではアカガエルの卵もたくさん確認できました。

野草フォトクラブ19の会員もこの場所は格好の花探索と撮影で、実際よく訪れる場所なのです。
今までに希少なタコノアシやヒンジガヤツリ、タウコギを確認してます。
キンラン、ギンランももちろん見られます。

ふるまぎの航空写真

ふるまぎの航空写真

参加者みんなで現地視察

参加者みんなで現地視察

ニホンアカガエルの卵塊

ニホンアカガエルの卵塊

芝生圃場の出現

その最後に残った里山に突然?大量の盛り土工事が始まりました。
これも見学会で見てきました。

大人の背丈くらいの盛り土です。
主催者の説明では芝生の圃場ができるとのことで私が見てきたのは第1期工事の約1ヘクタール分だそうです。
第2期、第3期の工事も予定されているとかです。

加えて200床規模の大型病院建設計画もあると聞きました。
工事に伴う道路の拡張も予想されます。

本会合で新川耕地を含む流山の自然がどんどん失われていく現状の説明にびっくりしました。

現地視察中に現れた盛り土

現地視察中に現れた盛り土

都心から一番近い森のまちはいずこへ

流山市は「都心から一番近い森のまち」をキャッチフレーズに全国の自治体のトップを切って「生物多様性ながれやま戦略」を策定した町です。

そのキャッチフレーズに心動かされ、移り住んだ人たちも多いのではないかと思います。
バッタやチョウチョ、トンボを追いかけ、ザリガニやメダカを飼育してこどもの情操教育にと思っている方もいると思います。

田植えや稲刈りの農業体験に興味を抱く親子もいるのではないかと思います。

つくばエクスプレスの開業から今年8月に20年だそうです。
私には見えない様々な事情あっての今日の流山市だとは思うもののそろそろ15年前の「生物多様性ながれやま戦略」策定時の原点に立ち返り、これからの10年、20年先を見据えた流山市の姿を考えるのも必要なのかなと感じた一日でした。

なお、本会合では環境再生医(上級)の資格を持たれる箕輪直明さんの講演もあり、

①市街化調整区域だとしても、守ろうと動かない限り貴重な自然はすべて失われる。

②谷津と斜面林は1セットで健康が保たれる。谷津の埋立・盛土は何もしなければ斜面林の荒廃につながる。

③生物多様性は生き物好きだけの問題ではない。動物由来感染症のパンデミックなど、すべての人間に影響を与える。

などの興味深いお話もありましたがここでは割愛させていただきます。

現地視察を終えて、集合写真

現地視察を終えて、集合写真

「ふるまぎ里山ミュージアムを実現させる会」のご紹介

今回の発足会を主催されたのは「ふるまぎ里山ミュージアムを実現させる会」。
流山市の市民団体である「水と緑の探偵団」「 Social Green Projects in NAGAREYAMA」他市内外の40以上の団体が賛同団体となっています。

ふるまぎ里山エリアの、水田・湧水・湿地・雑木林・里山の生物の調査、保全及び回復をめざし、活動されています。

HPでは詳細な提案書を閲覧することもできますので、気になった方はぜひチェックしてみてください!

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野草フォトクラブ19

撮影対象を山野草に絞ったちょっとユニークな写真クラブです。 東葛地区で咲く四季折々の花やその花についての楽しい説明など、発信していきたいと思います。

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