【流山市】誰ひとり取り残さない社会へ。よりそいサポートセンターが描く支援のかたち

【流山市】誰ひとり取り残さない社会へ。よりそいサポートセンターが描く支援のかたち

こんにちは、流山市在住2児の母、まちっと柏編集部のtoriemaです。

今回訪れたのは、流山市にある「よりそいサポートセンター(通称:よりサポ)」。

さまざまな事情を抱え、「誰にも相談できない」と感じている方々に寄り添い続ける場所です。

社会制度の“狭間”に取り残されがちな声に、どう耳を傾け、どう支援につなげているのか。

よりサポcafeに行った時にセンター長の門馬さんにお話を伺ってきました!

「制度の狭間にある声にこたえるために」――よりサポ誕生の背景

toriema: まず、よりそいサポートセンター設立のきっかけを教えてください。

門馬:日本の社会保障は、高齢、障害、子育て、生活困窮といった分野ごとに整備されてきました。

でも、現実の困りごとは複数の課題が重なっていることが多いんです。

支援制度の“縦割り”の限界に向き合い、制度の狭間にある声をすくい取る必要性を感じています。

2024年10月、流山市社会福祉協議会が市からの委託を受け、「流山市生きづらさ包括支援事業」の一環として、よりそいサポートセンターを開設。

「どこに相談したらいいかわからない」方の最初の窓口として機能しています。

 

「困りごとは、複雑で多面的。だからこそ、受け止める」――支援の内容とは?

toriema:  現在、どのような支援活動を行っているのでしょうか?

門馬:私たちは、二つの事業を柱にしています。

ひとつは、継続的支援事業。

継続的支援事業は、生活課題を抱える本人・世帯と直接かつ継続的に関わるための信頼関係の構築及び地域や社会との繋がりづくりに向けた継続した支援(伴走支援)のこと。 

ふたつめは、参加支援事業。

参加支援事業は、生活課題を抱えながら孤立している本人・世帯が、地域や社会との関わりを回復又は拡大し、

自らの役割を見出すために、居場所や就労先など多様な社会資源とのつながりを確保するための支援 のこと。

例えば、本人や家族と面談を重ね、必要に応じて福祉、医療、就労支援など多機関と連携。

支援の“つなぎ手”として、個々のケースに丁寧に向き合っているとのこと。

“これなら解決できる”という正解がすぐにあるわけではないんです。

だからこそ、一緒に考え、伴走する姿勢を大切にしています。

さらに、より複雑で多岐にわたる支援が必要と判断された場合には、多機関協働事業者である流山市(福祉政策課)につなぎ、

重層的支援会議・支援会議を経て、包括的な支援を実施しています 

 

「ふらっと来られる場所をつくりたくて」――よりサポcafeの開催

よりサポcafe

toriema:定期的に「よりサポcafe」も開催されているそうですね。

門馬:はい。“ここに来ていいんだ”と感じてもらえる、居場所のような空間にしたいと思っています。

・地域住民の居場所としての定着

・困りごとや相談を拾い上げる 

・地域住民へ共助の場所として提供

この3つを目的に「よりサポcafe」はスタートしました。

イベントは、きっかけ作りの一環として考えています。

コーヒーを飲みながらの雑談が、時には大きな相談への入口になることも。

また、知人を通じて“よりサポ”の存在が広まっていくことにもつながっています。

コーヒーやお茶

コーヒーやお茶をいただきました♪

 

「8050問題」など複雑な課題も――相談者の傾向と向き合い方

toriema:実際、どのような方からの相談が多いですか?

門馬:最近多いのは、いわゆる“8050問題”です。

8050問題(80代の親と50代の子が同居し、経済的・社会的に困窮する状態)が多くを占めています。

原因・要因はそれぞれ違いますが、長い期間引きこもり状態が続き、親が子の生活面・金銭面の世話をしながら同居。

対象者は就労や社会参加に繋がっていない方が多数いらっしゃいます

疾患が原因の方もいれば、適切な医療機関に繋がっておらず、原因がはっきりせず引きこもり状態の方もいらっしゃいます

そういった方へのアプローチが難しいです。対象者は困っていない(生活ができているから)、親が困っている(子をどうにかしたい)場合が多いです。

まずは家族の支援から入ります。

伴走支援をしていく中で、少しの変化も見逃さないようにし、必要なタイミングで介入できるようにまずは信頼関係づくりに尽力します。 

 

「よりそい」を広げていくために――これからの展望

toriema:今後の目標があれば教えてください。

門馬まずはよりサポを知ってもらうことが最優先と考えます。

いろいろな社会資源とつながりを持ち、多くの方に知ってもらいたいです。

また、社会資源とつながりを持つことで、社会参加の場として居場所を紹介し、その中から個別に相談したい方がいらっしゃったら、

よりサポとしてお話を伺い、伴走支援をしていきたいと考えております。

そのようなネットワークを広げていくことで、広く地域住民によりサポの存在が浸透していってもらえたら嬉しいです。 

 

読者のみなさんへメッセージ

開所以来、様々な相談が寄せられています。

そのお困りごとにしっかりよりそい、時間はかかるかもしれませんが、少しでも進展があればともに喜び、困難が続く時期はともに考え、一人一人によりそった伴走支援を心がけています。

その気持ちを忘れずに今後も対応をしていきたいと思います。 

 

さいごに

今回、5月の「よりサポcafe」へ行き楽しい時間を過ごさせていただきました。

よりサポのスタッフさんがライブで音楽を届けたり、お茶を飲みながら周囲と会話をして楽しんだり…♪

また来たいな〜と思える場所でした。

ぜひ皆さんも足を運んでみてくださいね。

アクセスも流山駅からすぐのところにありますよ。

この記事が、誰かにとって「相談してみようかな」と思えるきっかけになりますように。

 

よりそいサポートセンター

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まちっと編集部toriema

流山市在住。2歳と4歳の子供を持つ母。流山・柏・松戸エリアの子育て情報をメインに発信していきます★

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