【流山市】みらいのたね応援団の団長 良峰 武徳さんという「誠実の装置」

【流山市】みらいのたね応援団の団長 良峰 武徳さんという「誠実の装置」

こんにちは!
生まれも育ちも流山、スペシャリストのスガコウタロウです。

今回は良峰 武徳さん(一般社団法人みらいのたね応援団のよっしー団長)のお話。
夢を断たれた青年が、絶望を抱えながらも不器用に歩み続け、やがて地域に学びの場をつくるまでの物語を紹介いたします。

 

序章:背中を追い続けるということ

人は誰しも、心の奥底に「追いかける背中」を持っている。
良峰 武徳さん(一般社団法人みらいのたね応援団のよっしー団長)にとってそれは、40歳という若さで亡くなった父の背中だ。社会で結果を残した人間でありながら、子どもに何ひとつ強制せず、自由を尊重し続けた父。その「押し付けない強さ」は、彼にとって人生の規範となり、いまもその姿を追い続けている。

早くに父を失ったことは、彼に大きな寂しさを残した。だが同時に、幼少期にすでに受け取っていた人格教育の“種”が、のちの困難に立ち向かう力となった。彼の生き様は、その種がどう芽を出し、幾度も風雨にさらされながら根を張り続けたのかを物語っている。

第一章:サッカー少年の夢と、残酷な時間差

よっしー団長(良峰 武徳さん)は幼いころからサッカーに真剣に取り組んでいた。まだ日本にプロのサッカーリーグが存在しない時代から、周囲の大人が「彼にはプロの素質がある」と口をそろえるほどの実力を持っていた。

しかし、その夢は体の病によって突然断たれる。病気のために競技生活を続けることはできず、プロを目指す道をあきらめざるを得なかったのだ。

さらに時代は残酷だった。彼が夢を諦めた直後、日本にJリーグが創設されたのである。開幕戦の日、テレビ画面の向こうで仲間たちがプロ選手として輝いていた。その中には、学生時代には自分より上手いと思わなかった選手もいた。

その光景を見た瞬間、胸の奥が裂かれるようだった。
「自分は病で降りた。なのに、市場はこれから爆発する」。
眩しいスポットライトの中で走る彼らと、暗闇に取り残された自分。その断絶こそが、よっしー団長(良峰 武徳さん)にとって人生最初の大きな “ 絶望 ” だった。

この経験は、単なる挫折ではなく、強いコンプレックスとして長く彼を縛った。サッカー業界に近づくことすら苦しく、逃げるように距離を置いた時期もあったという。だがこの絶望の物語は、後に彼の人生を推進する大きな燃料へと変わっていく。

 

第二章:営業という “ 第二競技 ” での再起

サッカーの道を絶たれたよっしー団長(良峰 武徳さん)が次に選んだのは、まったく異なるフィールド 営業 の仕事だった。
営業は、学歴や技術がそのまま武器になるわけではない。数字という冷徹な結果でしか評価されない世界だ。そこで彼は、サッカーで培った「継続する力」をもう一度武器にした。

彼のやり方は、不器用で直線的だ。典型的なのが、「毎日、名刺を置いて帰る」という行動だった。断られても、また置く。反応がなくても、また置く。三か月も続ければ、机の引き出しに名刺が束になる。ある日、ついに相手がその束を机に広げ、こう言った。

「成果はもう出てる。ここまでやったのは君だけだ。」

その瞬間、彼は悟った。
“不器用を貫くこと自体が、信用の仕様になる”。

器用に立ち回らなくてもいい。粘り強く、自分を貫き続ければ、いつか相手はその行動を人格として評価する。この気づきは彼の中で確信となり、後の教育活動にまでつながる原理となった。

第三章:照れ屋の仮面と、地道な信用

よっしー団長には、生来の繊細さがある。その繊細さを隠すために、時に冗談や軽口を多用する。それは外からは「調子のいい人」と映ることもある。だが、実際の彼はむしろ真逆だ。

縁もゆかりも薄い土地に転居してから、一から信頼を積み重ね、地域の知見者とつながりを築いた。派手さはない。名刺束と同じように、地道な信用の積層で歩んできた。

その結果として、

第四章:彼が子どもたちに手渡したいもの

よっしー団長が子どもたちに伝えたいことは、シンプルで力強い。

継続は人格を翻訳する
言葉でうまく説明できなくても、行動の積み重ねが人柄を証明する。

役割を再配置する勇気
固執するポジションを捨ててもいい。チームを勝たせるための役割を取ることは、新しい物語の始まりだ。

押し付けない強さ
父が示したように、強制はしない。ただし「他人の学びを妨げない」という線は絶対に守らせる。

これらはすべて、彼が父から受け取った教育の再現であり、営業現場でつかんだ実感の翻訳でもある。

第五章:現在地とパッションの源泉

よっしー団長がつくる「まなびテラス」は、子どもたちに「やらない自由」を与える。ただし「妨害はしない」という絶対条件を敷く。その線を守らせることで、自由と秩序が同居する空間を成り立たせている。

この運営方針は、まさに彼の人生の延長線上にある。営業で証明した「行動で信用は積める」という法則。父から受け取った「押し付けない強さ」という規範。そして、Jリーグ開幕戦で味わった“絶望”という燃料。

そのすべてが混ざり合い、いま彼を突き動かしている。

彼が心の底で願っているのは、自分が父からもらった「背中の種」を、できるだけ早く子どもたちに渡すことだ。父を早くに失った寂しさがあるからこそ、その願いは強い。

「社会の王道ルート」に乗れなかったとしても構わない。自分なりの幸せを定義できる人間になってほしい。困難に正面から立ち向かえる強さを持ってほしい。そうした強い人間としての軸を、早くから身につけてほしい。

結語

父から受け取った「押し付けない強さ」。Jリーグ開幕戦で味わった絶望。営業現場でつかんだ「継続の力」。そのすべてが一本の線でつながっている。

絶望を見た人間だからこそ、子どもに“背中の種”を渡せる。
それが、よっしー団長を今も走らせているパッションである。

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おおたかの森ファームスガコウタロウ

東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。

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