【栂・美木多】西紋建匠・西恭利さん<前編>時代に合った豊かさを建築に込める

【栂・美木多】西紋建匠・西恭利さん<前編>時代に合った豊かさを建築に込める

さまざまな魅力を持つ泉北ですが、町の魅力を生み出すものは、やっぱり人!

ということで、今回は泉北の素敵な人を紹介します。

登場いただくのは、南区を拠点に住宅の設計・建築・リノベーション・耐震補強などを幅広く手がける西紋建匠(さいもんけんたく)株式会社の代表・西恭利さん。事業のかたわら、泉北ニュータウンの活性化やコミュニティづくりにも奔走する西さんの哲学とは!?

一級建築士・一級施工管理技士・宅地建物取引士として活躍する西さん

 

日本中をバイクで旅した学生時代

いきなり、建築とは関係ない見出しですが・・・西さんの人物像を知るにはピッタリなエピソードなので、少々お付き合いください。

高校時代に建築に興味を持った西さんは、大学で建築学科に進学。本格的に建築を学ぶ一方で、さまざまなアルバイトを経験します。北新地のバーテン、ゴルフのキャディー、家庭教師、甲子園球場で7回裏に飛ばされた風船の片づけ・・・。

アルバイトを転々としたのには、ある理由がありました。

なかなか一つに固定されなかったのは、休みになるとバイクで日本全国、海外までツーリングに駆け回りたかったため。
バイクでは、本当に日本全国走り回った。沖縄以外は全県。高速道路は使うことはなかった。そのプロセスが大切だと感じていたから。特に多かったのは、北海道。北海道の美瑛町で初めて大根堀の仕事。これ以降、住み込みで美瑛町の農家に毎シーズン行くことに。夏はツーリング、冬はスキーに。

ホームページより)

バイクで旅をしていた当時の西さん

ツーリングは日本だけで飽き足らず、オーストラリアでも。現地でバイクを購入し、2か月近く走った後、現地で売って帰ってきたそうです。

今もエネルギッシュに活動する西さんのバックグラウンドには、こんなケタ違いにスケールの大きい経験があったんです。

 

卒業後、いくつかの設計事務所や不動産会社で実績を積んだ西さんは、2012年に一念発起して独立。当初は中百舌鳥のシェアオフィスに拠点を置き、2020年に現在の南区のオフィスに移りました。

築50年の古民家をリノベーションした現オフィス

建築士としての自分を世に問う

ここからどんどん、西さんの思想の奥に迫っていきます。

独立した背景には西さんのある想いがありました。それは「自分の建築的な考えを世に問いたい」というものです。その真意について、次のように語ってくれました。

 

「建築って、時代を映す鏡なんです。

 環境やエネルギーの問題を抱え、少子高齢化で空家が増えていく今の時代の建築はどうあるべきなのか。

 これらの問題に対して、私は建築士として何ができるかを問いながら

 私の仕事によって世の中が改善するのか、ということに挑戦していきたい」

 

なるほど、深い!

新築から大型リフォームまで幅広い実績を持つ西さんですが、特に力を入れているのが中古物件のリノベーションです。

今あるものをうまく活用しつつ、時代に合わせて耐震や断熱などの性能をアップデートし、豊かな空間をつくる。そんな仕事に魅力を感じている西さん。その背景には、こんな哲学があったんですね。

築62年の家屋をリノベーションした例

完成見学会

西紋建匠さんでは、完成した家を一般の方に見てもらう「完成見学会」を定期的に開催しています。

西さんの哲学が詰まった家を実際に見て、触れて、体感できるチャンス。12月中も開催されているそうですので、ご興味のある方はホームページまたは電話で直接お問い合わせください。

 

ハードとソフトで泉北を元気に

建築士として活躍する一方、西さんは泉北ニュータウンの活性化にも取り組んでいます。

というのも、先に述べた「社会問題に建築士として何ができるか」という挑戦には、「ハードとソフト」の両面から取り組む必要があるとのこと。

「ハード」とは西さんが本業として手がける「家」のことで

「ソフト」は、泉北に住む人が集まり、交わる「場」や「機会」のことです。

西さんいわく、この「ハードとソフトのバランスを考えることは、その人にしかできない」とのこと。

家を建てるだけでなく、そこにどんな「ソフト」を組み合わせるか。そのバランスこそが建築士としての自分の独自性を生むのだそうです。

地元の野菜をリヤカーに積んでカレーをふるまう「だんぢりキッチン」

市民主体のまちづくり活動「泉北をつむぐまちとわたしプロジェクト」

 

最後に、泉北の活性化に対する想いを語ってもらいました。

「泉北では、この先10年間ほどで空家が増え、家の持ち主が一気に入れ替わるので、それを良い形で生まれ変わらせるのが大きなテーマになってきます。

ここは住宅街も農村地帯もあって、面白い地域。活性化には『地産地消』と『職住近接』がカギになると思うので、そこに対して今後もできることをやっていきたい。

独立してから、とにかく周りの人にお世話になってここまできたので、自分ができる『恩返し』を追求していきたいですね」

 

こんなアツい方が地域を盛り上げてくれる泉北って、やっぱり素敵ですね!

<後編>では、8年の構想を経て西さんが作った理想の共創スペース「ゆっくりばこ」を紹介します。

西紋建匠株式会社

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ジモトミンフーキー

泉北でフリーライターをしています。町の小さな会社や、そこで働く人たちのストーリーを紡ぎながら町の魅力を紹介したいと考えています。泉北が「明るい未来に向かって積極的に挑戦する人」であふれる町になればいいなぁ、などと思いつつ。よろしくお願いします。

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