<Profile>
とよす代表取締役社長。宝塚市在住。1958年名古屋市生まれ。1986年に亀田製菓入社後、1998年に中部量販支店長、2010年から執行役員、商品開発本部長などを経て、2015年から現職。趣味は読書と映画鑑賞。
-創業116年を迎え、今春、メインブランド「あられとよす」を刷新。看板商品「お八つ」をリニューアルし、洋風版「あられりえ」をラインアップに加えました。きっかけを教えていただけますか。
〝お客様の声を反映したブランドにしたい〟というのが、リニューアルのきっかけです。
1年に一度、店頭で「お客様アンケート」と「購買調査」を実施しているのですが、その中で、お客様の90%が女性。74%が50代以上の方ということがわかりました。
商品で見ると、自宅用の袋物購入は、60代以上が多く、ギフト需要は40代が最も多くなっていました。
そういった結果を見て、一つ一つ、ブランドに反映していったのです。
例えば、少しずつ食べたいという、シニア層のニーズに答え、自宅用の袋物にジッパーを付けて、保存性を高めました。
また、40代のギフト需要として、洋風ギフト商品「あられりえ」を開発。チーズのほか、バジルソルトやオニオン黒トリュフなど、ワインやコーヒーにも合う、多彩なフレーバーをひと袋にしました。
-購入者は中高年が中心。洋風の商品を投入したのはなぜでしょう?
これも、お客様アンケートでわかったのですが、意外なことに、百貨店での、競合は米菓メーカーばかりではなく、モロゾフ、アンリ・シャルパンティエ、クラブ ハリエなどの洋菓子メーカーでもあったのです。
その気づきから、伝統+革新をキーワードにした、洋風あられが生まれました。
「あられりえ」のポテトのあられは、伝統的な米菓に、ポテトパウダーを練り込み、バター風味の蜜をかけた革新的な商品です。
トリュフしょう油で味付けた、オニオン黒トリュフやロレーヌ産の岩塩で仕上げた、バジルソルトも変化球的な味ですが、ベースは伝統的な米菓の魅力が詰まっています。
また、弊社別ブランド「かきたねキッチン」では、チーズのフレーバーが一番人気であるところから、チーズを使ったあられ、「アーモンドチーズ」と「焦がしチーズ」の2種類を入れました。
40代向けに展開した「あられりえ」ですが、60代、70代のお客様にもご好評をいただいています。今の方は本当に外見も感覚もお若い、70代と言ってもビートルズ世代ですからね。
―社長が考える〝会社のしあわせ〟とはどんなことでしょうか?
社員の幸せです。
もちろんお客様は大切ですが、社員の幸せがあってこそ、お客様の幸せにつながると考えています。ストレスや大きな不満があると、良い仕事ができませんから。働く環境を整え、利益を出し、社員に還元する。昨年は、年間105日だった休日を113日に増やし、賞与の率を上げました。
また、「がんばっている人を見逃さない」ため、正社員とパートさんを対象に、社員表彰制度を導入しました。年2回、全体会議の場で表彰式を行っています。これには大切な目的が2つあります。表彰理由を社内全員で共有することと、授与した金メダルや景品を家に持って帰って家族に自慢してもらい、家の中でも盛り上がってもらいたいという願いです。
社員には、「イキイキと働き、働くことでしか得られない、充実感を味わいましょう」と話しています。働く意味の定義は人それぞれ。もちろん、お金は大切ですが、働くことでしか得られない充実感も素晴らしいものです。
嫌な仕事でも、がむしゃらに頑張っていくと、想像もしなかった世界が開けることも。
例えば、一昨年、羽田空港が、「世界で最も清潔な空港」に選ばれましたが、その立役者となったのが、清掃責任者である新津春子さん。彼女も、最初から、清掃の仕事を希望した訳ではなかったのですが、工夫を重ねることで、掃除をクリエイティブな仕事に変え、スタッフを指導する立場になり、羽田空港を世界一の空港に導いたのです。
私自身、若い頃は〝どぶ板営業〟で、体を使う、ザ・昭和のスタイルでした。午前0時に帰宅すると、妻が「早かったね」と迎えてくれるほど。転職も考えましたが、少しずつ、結果が出ると頑張れるんですね。そして、今、そのころからは想像もつかない世界を見せてもらっています。
―しあわせに働くためのヒントを教えてください
ただ、私のようながむしゃらな働き方は、読者の方々とは、少し違うかもしれません。
とよすでは、たくさんのパート店長にご活躍いただいているのですが、彼女たちの仕事観は、きちんと責任を果たした上で、最も大切なのは家庭というスタンス。家庭の時間のためにパートという働き方を選んでいる方が多いですね。
彼女たちと話をすると、大切にしているのは、コミュニケ―ションだと言います。スタッフ同志の関係がうまくいけば、仕事も楽しく充実する。
また、お客様とのコミュニケーションも、働き甲斐の大事な要素と聞きます。良い人間関係を築くことで、お客様は、とよすへ信頼を感じてくださり、ブランドのロイヤルティを高めることもに繫がるのです。
しあわせになるためには、色々な選択の場面に遭遇しますが、まず、大切なのは、自分の向き、不向きを知ること。そのためには、これまでの経験を振り返ってみたり、人の声を聞くことです。
自分自身を掘り下げて見つめる力と、コミュニケーション力が、しあわせの確率を上げていくのではないでしょうか。
―地域との関わりを教えてください
工場直販のほか、小学生の工場見学、中学生の職業体験などを実施しています。
〝100年時代〟に必要なのは、人も企業も地域で愛されること。ありがたいことに、地元の方は、〝うちの地区のとよす〟と、非常に強い愛着を感じてくださっています。子どもの頃に食べたひなあられが、大人になって、ハイサラダになり、さらに、かきたねキッチンになり、とお母さんから娘さんへ、またその娘さんへと、脈々と受け継いでいただける、ブランドや会社でありたい。昔も、今も、そしてこれからも「あられはやっぱり、とよす」と言っていただけたら嬉しいですね。
ー北摂の好きな場所を教えてください
太陽の塔が好きです。スマホの待ち受け画面も太陽の塔なんですよ。岡本太郎の魂を感じるところが魅力ですね。万博記念公園へは、妻と散策に出かけることも、と言いながら、なかなか一緒には行けませんが(笑)。
とよすから、抽選で5人に豪華なプレゼント!
とよすから、リニューアルした「お八つ」やハイサラダなど、あられのアソート「豊楽撰(ほうらくせん)」(3240円)を抽選で5人にプレゼント。
応募はコチラをクリック! 7月18日(水)締切。発表は発送をもってかえます
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