千里南公園で関西大学の岡教授とコーヒーを飲んだ話【北摂しあわせ2.0】

千里南公園で関西大学の岡教授とコーヒーを飲んだ話【北摂しあわせ2.0】

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コーヒーを飲みながら学生と談笑する関西大学環境都市工学部 教授・岡絵理子さん

カフェのきっかけは「ふるまいコーヒーをしたくて」

9月のことです。台風21号のが猛威をふるった2日後、記者Kは吹田市の関西大学を訪れました。環境都市工学部 建築学科 住環境デザイン研究室の教授・岡絵理子さんに会うためです。

現在、北摂の公園・広場では、さまざまな取り組みが行われています。万博記念公園も今年10月から指定事業者が導入され、新たなコンテンツが生まれる模様。
万博記念公園はどうなる?「北摂の公園・広場にでかけよう

今回は、千里南公園(吹田市)で月2回、研究のために学生たちとカフェ「café au café(カフェ・オ・カフェ。以下、オカフェ)」を運営する岡先生に、公園・広場の存在について話を聞きたくて、取材をお願いしたのでした。

まず、オカフェを始めたきっかけを聞くと、「“公園は人々にとって、どのような場所なのかを聞きたいね”と、学生と話していたんです」と岡先生。

その頃、吹田市で千里南公園にパークカフェをつくる計画があり、岡先生の研究室で、“公園でどのようなことをしてみたいか”、市民の声を聞くことに。「市役所などでアンケートを取ってもよかったのだけれど、せっかくだから公園で調査をしようと。ただ、話を聞くだけでは味気ないから、コーヒーを出して聞くことにしました」。コーヒーを出して、市民ヒアリングだなんて珍しいですね。「ふるまいコーヒーをしてみたかったの。ふふふ」と、ほほえむ岡先生。

「公園はみんなの居場所。みんなが、やりたいことができる場所に」と、岡先生。公共的なオープンスペースだからこそ、“人々のやりたいこと”が、社会的にも役立ち、公共的に意味があるべき、とも。

 

「景色を変えない」をカフェにもいかして

DSC01586実際に千里南公園で話を聞いたら、どんな声がありましたか? 「大きなものはいらないという声が多かったんです。そこから、景色を変えないことが大切ではないかと」

その後、保健所の許可を得て、コーヒー1杯200円で営業をするスタイルに変更。オカフェには、自転車を押しながらやってきて、コーヒーを片手に学生とおしゃべりをして去っていく人や、ジョギングの途中でオーダーをしてから1周走り、“ごほうびコーヒー”として楽しむ人も。「オカフェをする中で、公園の利用者の活動をさまたげない、活動の質を大きく変えない存在がいいなと、思いました」

公園が持つ景色や利用者の活動を配慮して、カフェもスタンド、食器などのアイテムにいたるまで「学生たちが、デザイン、スタイルにこだわりました」と岡先生。カフェのスタンドも学生たちのお手製とは、さすが建築学科! カフェスタンドは移動式のため、営業後は跡形もなく元の公園に戻すことができます。これも、こだわりの一つです。

 

公園にコーヒースタンドが出現

9月の第4土曜、編集Kは南千里公園を訪れました。それにしても広い! 「オカフェ」を探しながら、公園散策というよりもはや探検です。DSC01545
公園で周囲の団地を見ながら、大学で聞いた、岡先生の話を思い出しました。それは、千里南公園は地元の人の利用が多いということ。お昼になると周囲の団地からお弁当を持った人が公園にやってきて、それぞれ思い思いの場所でお昼ごはんを食べながら、時間を共有しているというのです。岡先生はその様子を、「高度で、質の高い公園の使い方」と話していました。

ようやく、公園の南側(阪急南千里駅近く)で「オカフェ」を発見! 機能的でおしゃれなのに、公園の景色になじんだスタンドが、ひっそりとたたずんでいました。DSC01571
山田東にある人気店「Kawakami coffee roaster」のコーヒー豆を使い、抽出も本格派。ゆっくり、丁寧に入れてくれます。

「『もっと、早く入れないの?』と学生に聞いたら、入れている時間にお客さんと話をするんですって、言われちゃった」と笑う岡先生。カフェにはアンケート用紙も置いてありましたが、お客さん=公園の利用者の声を聞く場として、コーヒーを入れる時間も大切にしているのだそう。

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この日は、コーヒースタンドの向かいで、本を並べる学生が。聞くと、本の帯を作るワークショップをしていました。コーヒーを手に、また通りがかりに、本を眺める人や、イスに腰掛けて絵本を手にとる親子の姿も。2018年11月24日(土)には、周辺住民が趣味などを発表する「おひろめ マルシェ」が予定されています。

“公園は市民が幸せになる場所”と話す岡先生。公園を自由に、自分たちの場として使うためには、高い社会性が求められると言います。「公園でしてはいけないことが、昔と違って多くなり、公園でできることを狭めてきました。市民としてのふるまいを身に付け、庭の先に公園があるように、身近に使えるのが理想ですね」

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オカフェには、ショップカードもありました。さりげないのに、おしゃれ!

「café au café(カフェ・オ・カフェ)」
営業日時は、第2土曜11:00~15:00、第4土曜15:00~18:00
千里南公園のパークカフェプロジェクト https://oakeri.jimdo.com/

〈話を聞いた人〉
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関西大学環境都市工学部建築学科教授
岡絵理子さん
国内外での調査を通して、豊かな気持ちで暮らせる環境を研究。千里南公園のほか、団地の居住実験など、学生との研究も多数。
北摂育ちで、お気に入りの場所は豊中市にある服部住吉神社の参道。「左右に住む人が、良く手入れをされていて、美しい参道なんですよ」

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