川西から池田の公園に向かうときに通るルート。国の登録有形文化財である稲束家住宅主屋や池田の銘酒「呉春」の蔵が建つ、情緒あふれる道です。そこに同じぐらいの時を経て佇む日本家屋があり、いつも「中はどんな感じなのかなぁ」と思いを馳せながら前を過ぎていました。
月に一度開く歴史の扉の向こうへ
その日も自転車の後ろに娘を乗せ、ゆるゆる走っていたら・・・なんと!!いつも静かなお屋敷の扉があ、あ、開いてる!!!
もう公園に行ってる場合ではありません。すぐに予定を変更し、ドキドキしながら中へ入って行きました。
ここは江戸時代から続く旧家の西田邸。今も住居として西田家の方々が生活されていらっしゃいますが、月に一度(第3土日)一部を開放されています。
「私はお嫁に来てこの家に感動を覚えました。それで、地域のみなさんにも見ていただきたくて」という、奥様の嬉しい心意気です。(ありがとうございます!!)
この「ひとやすみ」という名のカフェタイムは今年の5月から始められたそう。
懐かしさを感じるお部屋で子どもがのびのび
この日は「自然のものでつくるリース」(300円)というワークショップが行われていて、ちょうど娘にもってこい♪リボンや松ぼっくりなど様々な素材に娘は喜び、さっそくリース作りに没頭し始めました。しかも若いお客さんがお隣に座って、ときどき「上手だね」なんて褒めてくれるものだから、ますます上機嫌。よし、この隙に西田邸をじっくり拝見させていただこう!
憧れの館内はまるで時代を超えた生き証人
「この家はずっと住み続けているからあちこち改装されているんですけど、古いままの部分もたくさん残っています。古民家を研究されている専門家が『ぜひ調べさせてほしい』と来られたこともあるんですよ」と西田さんからの説明を受けながら家の中をツアー。高い天井から差し込む光、力強い梁、アンティークな調度品、どこを切り取っても絵になること!
「2階には本棚いっぱいに古い本が入っていて、いつか整理できたらなぁって思っているんです」と通された部屋は過去にタイムスリップしたかのよう。紺色のがっしりした本や茶色い全集が並ぶ中には先代のアルバムも保存されていて、白黒の風景写真を見せていただきました。
好奇心をそそるフードメニューにワクワク
大満足のお家拝見を終えて娘の元に戻るとリースは途中で終わっていました。残りを私が仕上げている間、娘は絵本を読んだりおもちゃで遊んだり。
終わった頃、少しお腹が空いたのでメニューを見てみるとフードは3つ。「もち入りぜんざい」「まるごと焼きりんごアイスクリームのせ」「火鉢セット」。全部魅力的ですが、ここはやはりインパクト強大な「火鉢セット」で。
今となっては貴重な体験をお手軽に
大きなお座敷には床の間や飾り棚があり、2つの座卓、そしてその上に火鉢が。「使用している炭はうちにずっと前からあったものです。『菊炭』といって高級品なんですけど、もう使っちゃおうって。全部なくなったら、次は普通の炭かな?」
そんなことを聞くと、心なしか火が上品に見えて、暖かさも増すというもの。菊のような炭の断面を見つめているうちにお餅やマシュマロののったお盆が運ばれてきました。
ココロを込めて作られたドリンクでまったり
「火鉢セット」を堪能した後、再び玄関口の土間へ。娘はそのままおもちゃのところへ一直線に向かい、食べ物屋さんごっこを始めました。これはきっと長引くな、と直感した私は一息つくことに。オーダーは、実はあまり得意でない抹茶のドリンク。だって、この家の雰囲気に一番合いそうなんだもん。
しばらくして運ばれて来たホットの「抹茶ラテ」はダブルウォールグラスにたっぷり。一口飲んでみると・・・おお!苦みがないのにコクがあって、甘くて、まろやかで、もう、一気に大好き♪私が「うわ、美味しい」とつぶやくと三輪さんが「よかった~!」と声を上げました。これは三輪さんが試行錯誤して完成されたものだそう。その誠実さが味に出ているんですね、きっと。
内容が充実すぎる「ひとやすみ」カフェ、次回は12月の第3土日です。ワークショップ「お正月のミニ門松づくり」も開催予定。はい、必ず行きます!!
ひとやすみ
- 住所:大阪府池田市綾羽1-3-23
オープン:第3土曜日13:00~17:00 第3日曜日11:00~16:00
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この記事を書いたのは…
ジモトミンイナリーバ
若いとき世界に向いていた目が今は地元に全集中。徒歩や自転車で見つける街の情報、楽しくてたまりません♪