北摂の人気観光スポット“箕面大滝”。ここに至る滝道には少なくなったものの
箕面といえば、の名物「もみじの天ぷら」を店先で揚げ販売している店が連なる。
今回はその中の一軒、「久國紅仙堂」さんにお邪魔しました。
お話をうかがったのは久國紅仙堂の代表取締役 久國 香保里さん。
創業者である 久國 鶴吉さんのお孫さんの奥様です。
ポジティブでチャレンジ精神旺盛! 「もみじの天ぷら」への熱い思いに触れました。
㈠ 歴史
久國紅仙堂の創業は1940年(昭和15年)。以来80余年もみじの天ぷらを揚げ続けている。
もみじの天ぷらの由来は修験道の開祖、役行者に遡る。箕面の山で修業を続ける役行者が美しいもみじを
修行僧にふるまおうと考え、灯明の油で揚げて出したのが始まりとされる。
その後観光地となったこの地で1920年(大正9年)頃から旅館などで出されはじめ徐々に土産物店に広まっていった。
当初は40軒ほどが手掛けていたが現在は高齢化などもあり10軒を下回るまでに、、
それでもやはり箕面の滝道のお土産品の王道は「もみじの天ぷら」。
連綿と続くもみじの天ぷらを絶やすまいと香保里社長は日々奮闘を続けています。
㈡ 手間ひま
もみじの天ぷらに使われる葉は“一行寺もみじ”といって食用に適した葉だそう。赤い葉ではなく黄色い種類だ。
組合で管理している木々の葉を各店に振り分けるのだが、それだけでは足りないので別途栽培の場所を設け
育てている。
葉はむしるのではなく落ちたものを使うが、時間が経つと変色するため間を置かず拾い集めなければならない。
それをすぐに塩漬けにし一年ほど保存。揚げる前に一日塩抜きし、ようやく天ぷらに。
揚げる時間に対しものすごい時間と手間がかかっていることを知り驚いた。
さらに近年は気候変動の影響から、葉の生育状況も悪く原材料確保にも苦労しているそう。
㈢ 熟練の技
いま久國紅仙堂の一番の揚げ名人は、香保里社長の義母、節子さん。
なにせ令和3年度 大阪府優秀技能賞表彰「なにわの名工」に選ばれている。
葉の形を活かした程よい厚みと美味しそうな揚げ色に揚げるのは、簡単なようでそうはいかない熟練の技がいる。
粉のつけ具合が絶妙でなければ美味しくならないのである。
またその日その日の気候に対応して粉の配合を微妙に調整するのも長年の経験を有する。
そのためピーク時はもっともっと揚げたいが増産が困難な状況。工業的に生産することがかなわない熟練の
手仕事でしか生み出せない逸品なのである。
ー 未来につながるSOMETHING NEW ー
もみじの天ぷらを揚げ販売する店は高齢化による廃業などで徐々に減ってきている。
そんな状況に危機感を抱いた香保里社長は2020年11月、紅仙堂の少し先に新店舗「Cobeni」を立ち上げた。
この店では10数年前に箕面の異業種交流会で好評を得たゴマ入りの定番「プレーン」以外の5種類の味を販売。
「塩」「七味」「きな粉」「黒糖」「グリーンティ」の5種は常時販売を目指しているが生産が追い付かない状況。
このほかに2月は「チョコ」、6月「ごぼう」、12月「ゆず」と季節と箕面産にこだわって限定販売を行っている。
さらに夏場は「もみじソフト」。これはもみじの葉を焙煎した茶葉のエキスをソフトクリームに練り込んだもので
さっぱりした風味で後味が爽やか。
店内にはもみじの天ぷらの他にも箕面産にこだわった食品がセンス良く陳列されている。
最後に香保里社長は、お土産品店ではあるけれど本当は「地元の人にもみじの天ぷらを買ってもらいたい。そしてもっと
箕面のことを知ってもらって、好きになってもらいたい。これからも自分自身、そしてお客様にもワクワクするものを
提供したい」という言葉をいただきました。
北摂の身近で雄大な景勝地、箕面の滝、滝道をもっともっと盛り上げてくれることでしょう。
久國紅仙堂
- 〒562-0001 箕面市箕面1丁目1-40
TEL:(072)721-2747
定休日:木曜日
Cobeni
- 〒562-0001 箕面市箕面1丁目4-19
TEL:(072)723-6283
定休日:木曜日
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この記事を書いたのは…
ジモトミンM’ckirie
約20年箕面に住んでいました。現在は宝塚住民です 小学校から高校まで市内の学校に通学。 青春時代を過ごした箕面を中心に北摂の魅力を自分自身再確認しながら寄稿していきます!