「まちっと柏」をご覧の皆様、東葛地域アンバサダーのグリフォンです。
こんにちは。
さて、今回は我孫子市新田にある農産物直売所アンテナショップの跡地利用の問題について、取り上げてみたいと思います。
ついに事業者が選定されたということで本来は喜ぶべき事なんですが、調べてみるとあまり地域住民は喜んでいない様子。
この跡地利用の問題、なにが問題でどう決着していくのか、他の地域に住んでいる方はわからないと思いますので、その辺も順を追って書いていきましょう。
旧「あびこ農産物直売所あびこん」跡地とは?
今回のスポットとなっている旧「あびこ農産物直売所あびこん」(以下、旧あびこん跡地と略)とは、2007年に開店した農産物直売所のアンテナショップ。
手賀沼親水広場1階にある現在の「あびこ農産物直売所あびこん」が、移転して来たのが2017年です。
我孫子市は、この移転によって空いた広大な跡地の新たな活用を検討し、これまで2度の事業所公募を行ってきたわけですが、1度目は不調、2度目は新型コロナウイルス感染症などの影響により事業者の辞退があり、今回で3度目の公募。
今はこのようになっていますね。


周辺住民と摩擦が起きている原因とは?
さて、この広大な土地の利用について、我孫子市は「手賀沼観光施設誘導方針」(以降、誘導方針と略)を2016年に策定、2024年2月に更新し、事業所公募にあたって以下いずれかのような施設の提案を求めてきました。
(1)手賀沼そのものを活用する施設
(2)観光客をもてなすための施設
(3)観光の核となる複合施設
ですが、この誘導方針が改定される前は公衆浴場、ホテル、旅館の建設などという事は考慮されていませんでした。
下記のリンクに、2016年(平成28年)に公開された誘導方針の初稿を掲載します。これは現在も我孫子市で公開されているものです。
URL: 手賀沼観光施設誘導方針
最初から事業所ありきで誘導方針を勝手に変更した?
この問題を調べていくうちにわかったのは、誘導方針が変更された経緯が不可解なこと。
この問題のために作られた市民グループ「手賀沼を生かしたまちづくりを考える会」によると、誘導方針の変更にあたって大事な「地域住民との合意形成」が行われず、事業者を呼び込むために誘導方針を変更した疑いがあるとの事。
下記の議事録によると、誘導方針を変更した直接的な理由が次の事業所を早く決定したいために、我孫子市として事業者からの立地相談で把握した温浴施設や宿泊施設を誘導方針に追加して、跡地施設により多くの集客を得たいと考えた、とあります。
URL: 我孫子市新田地区のまちづくり
決定した事業者について
さて、こんな状態で選定された事業者ですが、メークス株式会社というところ。
メークスの跡地提案内容は以下の通り。
【アンテナショップ跡地】マルシェ・トイレ・足湯・レンタサイクル駐車スペース・電気自動車・充電場所・平面駐車場
【西側近接地】天然温泉施設・レストラン・平面駐車場の複合施設
なんだか「温泉施設」という文字が見えますね・・・。
事業者のメークス株式会社は、主要事業に温泉事業を行っている茨城の会社。
西側近接地に温泉、レストランとありますが、この場所から車で10分弱のところに「道の駅 しょうなん」「天然温泉 満天の湯」がありますし、お客さんを食い合う事になって両者自滅という最悪の結果にならないか、心配するのは私だけじゃないはず。
我孫子市は地域住民と話し合いをするべきでは?
周辺住民と合意形成ないまま勝手に変更された誘導方針に、変更された途端にその条件にぴったり合う事業者が選定される。
・・・これで問題が発生しない訳がありませんね。
百歩譲って誘導方針を変更したとして、この誘導方針を変更するためには「地区計画の変更」が必要です。
地区計画とは、都市計画法に基づいて定められる、都市内の特定の地域(地区)におけるまちづくりの計画です。地区の特性や課題を踏まえ、住民と市町村が連携して将来像を設定し、その実現に向けて都市計画に位置づけます。
我孫子市は周辺住民、地権者らと話し合って、この新田地区の目指すべき将来像を共有するべきだったのではないでしょうか?
議事録にもありますが、住民との将来像共有がなかったために、今になって住民の方々の反対論が噴出しているのではないでしょうか?
端的に書けば、新田地区の住民からすると「我孫子市に裏切られた」と感じているのではないでしょうか?
事態がかなりこじれている現在、すぐに解決することは難しいと思いますが、今後の推移を見守っていきたいと思います。
URL: 「手賀沼湖畔にスーパー銭湯はふさわしくない」「観光誘致を」 我孫子市の計画変更案に賛否354人:東京新聞デジタル
★この記事が気になったり、いいね!と思ったらハートマークやお気に入りのボタンを押してくださいね。
※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけ、サービス利用の際はHP等で最新情報の確認をしてください
この記事を書いたのは…
東葛地域アンバサダーグリフォン
「#柏を盛り上げよう運動」で、柏市民に柏の街をもっと好きになってもらうための活動をしています。カメラを通した柏の息吹を、みなさんにお伝えできるよう日々撮影中。自分たちの住んでいる街をもっと好きになりたいと思いませんか? そのお手伝いをいたします!