【泉ケ丘】泉北公園散策 Vol.25 発見!!若松台の”ひっそりかわいい”たぬき公園〈後編〉 〜小さな公園に”彩りと感動”をーー塗装屋さんに聞く〜

【泉ケ丘】泉北公園散策 Vol.25 発見!!若松台の”ひっそりかわいい”たぬき公園〈後編〉 〜小さな公園に”彩りと感動”をーー塗装屋さんに聞く〜

こんにちは〜〜〜:)
泉北(堺市南区)在住のSachey(さっちー)です。

前回の「泉北公園散策 Vol.25 〈前編〉」では、泉ケ丘エリアにある通称「たぬき公園」の魅力を、
カラフルな遊具やオブジェたちとともにご紹介しました。

実は私、この“イロトリドリのたぬき公園”しか知らなかったのですが、
取材を重ねるうちに、以前は少し色あせた、さみしげな雰囲気だったことを知りました。
それが今では、まるで命を吹き込まれたような、明るく楽しい公園に。

「これは一体、どんな人が、どんな想いで色を塗ったんだろう?」
その気持ちがどうしても気になって、あれこれ調べてみると・・・
手がけていたのは、泉北に拠点を構える塗装会社「株式会社Add Wall(アドウォール)」さん!!

気がつけば、公園愛が高じてAdd Wallさんにインタビューを申し込んでいました。
というわけで、〈後編〉ではいよいよその舞台裏を大公開!!
リニューアルの裏側に込められた想いや、彩りに込めたメッセージをお届けします。
どうぞ最後までお付き合いくださいね〜。

▼▽前編をまだ読んでいない方は、こちらからどうぞ▽▼

塗装で“まちに彩りと感動を”――Add Wallさん

今回お話を聞かせていただいたのは、
株式会社Add Wall(アドウォール)代表の上山(うえやま)さんと、ディレクターの甚田(じんた)さん。
突然のお願いにも関わらず、インタビューを快く引き受けてくださいました。

「泉北の公園が好きすぎて、記事まで書いちゃってるんです」とお話しすると、
それもすごくおもしろがってくださって、
その流れで、通称「たぬき公園」のことを根掘り葉掘り聞かせていただくことに!!

Add Wallさんは、堺市・泉北ニュータウンを拠点に、住宅や店舗の塗装はもちろん、
壁画制作やアートイベントのプロデュースなど、
“塗る”ことを通して、空間に彩りと温かさを加える活動を幅広く展開されている会社です。
地域の風景や人の気持ちに寄り添いながら、「まちの景色をもっと楽しくしたい」という想いで、
ユニークであたたかいものづくりに日々取り組まれているんです。

Add Wallさんの魅力については、以前「まちっと堺・泉北」でフーキーさんがとっても熱い記事を書いてくれているので、
よければそちらもぜひチェックしてみてくださいね〜。

彩りの名コンビ現る

彩りの名コンビ現る

名前の由来になった“たぬき”が、こんなにも楽しく変身

まずは、「たぬき公園」の名のとおり、
入口で出迎えてくれる、まあるい体のたぬきのオブジェについて聞いてみました。

以前は、長年の風雨で色あせくすんだ茶色の姿に、どこか哀愁のようなものも漂っていました。
でも、Add Wallさんの手によって、そのたぬきが見違えるように変身!!
オレンジ色のボディでぐっと明るい雰囲気に。
けれど、つぶらな瞳と黒い手足、ぽんぽこお腹のバッテンはそのままに、
“たぬきらしさ”をきちんと残した、絶妙なリニューアルです。
表情までどこか楽しげで、公園のシンボルとしての存在感がぐっと増しました。

「このたぬきは公園の“メイン”だから、見ていて楽しくなるような感じにしたかったんです。
色はめちゃくちゃこだわりました。
あまりにも“ザ・たぬき”な色にはしたくなかったんですが、“たぬきらしさ”はちゃんと残したくて。」

と、上山さんは、インタビューでも語ってくれました。

仕上がったオレンジのたぬきは、まさにその言葉どおり。
ひと目で目を引く個性と、愛嬌たっぷりの雰囲気をまといながら、
今日も訪れる人たちを、にこやかに迎えてくれています。

くすんだ色が物語る時の流れ(Add Wallさん提供)

くすんだ色が物語る時の流れ(Add Wallさん提供)

“ザ・たぬき”すぎない絶妙オレンジ

“ザ・たぬき”すぎない絶妙オレンジ

「たぬき公園」の名はここから始まる

「たぬき公園」の名はここから始まる

雲梯も、ただの遊具じゃない

たぬき公園の雲梯は、元々はどこにでもある水色の鉄製。
少し色あせたその姿は、昭和の面影を感じさせる風合いでした。

そこに加えられたのは、意外にもショッキングピンク。
思い切った色選びに見えますが、仕上がりを見た時に上山さんは思ったそうです。

「ちょっと、うるさいなって。子どもたちが遊ぶ場所なのに、逆にしんどく感じる気がして。」

そこで、いったん塗った鮮やかなピンクの上から、もう一度、穏やかなピンクと、白とグレーに塗り直し。
最終的には、周囲の景色や公園全体に溶け込む、やさしく落ち着いた色合いになりました。

たかが雲梯、されど雲梯ーー
「子どもたちが自然に遊べる空間にしたい」という想いが、こんな細部にもにじんでいました。

どこか懐かしい雰囲気な以前のカラー(Add Wallさん提供)

どこか懐かしい雰囲気な以前のカラー(Add Wallさん提供)

眩しすぎた最初のチャレンジカラー(Add Wallさん提供)

眩しすぎた最初のチャレンジカラー(Add Wallさん提供)

彩りはやわらかく遊び心はそのままに

彩りはやわらかく遊び心はそのままに

思いを託した、赤いベンチ

園内を歩いていると、あちこちに赤いベンチがあるのに気がつきます。
緑の中にぽっと映える赤が、公園の風景にアクセントを加えているようで、なんだか楽しい気持ちに。

このベンチは、「赤いベンチプロジェクト」という海外のプロジェクトにインスパイアされて、
あえて赤く塗ったのだそう。

「目を引く色があると、人が自然と立ち寄りやすくなって、ちょっとした会話が生まれたり、
ふと腰かけてひと休みしたくなったりするんです。」

そんな想いが込められていると、ディレクターの甚田さん。

たぬき公園でも、その効果はちゃんと出ていて、
取材の日には、近所のおじいさんが赤いベンチにちょこんと座って、本を読んでいました。
なんだかその光景がすごく自然で、あたたかくて。
「ああ、このベンチは、こういう時間を生み出すために塗られたんだなぁ」って、じんわり思いました。

赤いベンチが、子どもからお年寄りまで、誰もがふと足を止めたくなるような、
人にやさしく寄り添う存在になっていました。

かつてのベンチは哀愁漂う(Add Wallさん提供)

かつてのベンチは哀愁漂う(Add Wallさん提供)

緑の中に映える赤

緑の中に映える赤

誰かの「ちょっと一息」にそっと寄り添ってくれる

誰かの「ちょっと一息」にそっと寄り添ってくれる

「かわいい!!」が、あふれる空間に

以前はどこかさみしげだった動物たちのオブジェも、
今ではカラフルに生まれ変わり、子どもたちの人気者になりました。
ウマやキリンたちにそっと触れたり、背中にちょこんとまたがったりする子どもたちの姿には、
自然と笑顔があふれます。

「かわいくなったって、子どもたちが喜んでくれているのが本当にうれしくて。」

と語ってくれた、上山さんと甚田さん。
その言葉どおり、動物たちのまわりには、あたたかい空気が流れていました。

そしてもうひとつ目を引くのが、赤と青のツートンカラーが印象的なパラソル。
その下に並ぶ赤いベンチとともに、動物たちの色合いとも調和していて、
全体の景色にリズムを添えています。
まるで今まさに旬の万博を先取りしたみたいな色づかいが、
公園の風景をちょっと誇らしく見せてくれました。

ちょっぴりさみしげだったあの日の動物たち(Add Wallさん提供)

ちょっぴりさみしげだったあの日の動物たち(Add Wallさん提供)

色をまとった動物たちに集まる笑顔とやさしさ

色をまとった動物たちに集まる笑顔とやさしさ

赤と青のツートンにわくわく

赤と青のツートンにわくわく

彩りと感動がつなぐ、まちの幸せ

インタビューの中で、とても印象的だったお話があります。
作業中、近くに住む方が「庭で採れたんですよ」とびわの実を差し入れてくれたそうです。
添えられた「きれいにしてくれてありがとう」のひと言に、胸がじんとしたといいます。

自然が身近にあり、庭先で季節の実りを育てる人が多い泉北。
そんな土地だからこそ生まれた、あたたかなおすそ分けでした。
暮らしの中にある豊かさと、人と人との距離の近さ。
それこそが、泉北らしさなのかもしれません。

Add Wallさんのコンセプトは「彩りと感動を」。
ただ塗るだけでなく、公園を訪れる人の気持ちまで明るくしたい——
その想いが、色づけひとつひとつに込められています。

「地域の人が喜んで、自分も嬉しくなる。それが“Happyの連鎖”なんです。」

と語ってくれたのは、上山さん。
その笑顔の先には、公園だけでなく、まち全体への願いが込められているようでした。

彩りと感動が、人とまちをやさしくつないでいく——
そんな物語が、泉北の一角で確かに息づいています。

地域の人と職人の想いが重なって生まれた、
ささやかだけど確かな「幸せの連鎖」。
泉北愛がぎゅっと詰まった「たぬき公園」に、ぜひ足を運んでみてください。

泉ヶ丘緑道 通称たぬき公園

  • 大阪府堺市南区若松台3丁5

株式会社Add Wall

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ジモトミンSachey

泉北(堺市南区)在住のSachey(さっちー)です:) 夫と2人の子供たちと一緒に、泉北での暮らしを愉しみながらあれやこれや活動中!! 大好きな泉北の緑豊かな公園や緑道の魅力を発信していきます。

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