【柏】七福神めぐり&グルメ④古代ロマンと柏のへそ。隠れ家フレンチで舌鼓

【柏】七福神めぐり&グルメ④古代ロマンと柏のへそ。隠れ家フレンチで舌鼓

「かしわ七福神」めぐりもいよいよ後半!
4つ目の寿老人をお祀りする「香取神社」がある戸張は、古代遺跡あり、中世の城跡あり、完全予約制の隠れ家的フレンチ・レストランあり、そして「柏のへそ」もあり??…と、なかなか味わい深い土地です。
今回は、そんな謎めいた魅力のある戸張地域を探っていきましょう!

香取神社のある戸張へ! 大河ドラマとの関係も!?

「かしわ七福神」の中には、旭町と戸張の二つの香取神社がありますが、今回は、戸張の香取神社に行きます。

戸張は中世には千葉氏一族の戸張氏の領地で、この戸張氏の初代が、現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出てくる、千葉氏中興の祖・千葉常胤(つねたね)の孫にあたる戸張行常(ゆきつね)です。
ちなみに、千葉常胤の次男が、相馬氏初代の相馬師常(もろつね)。戸張行常は相馬師常の三男(?)にあたるといわれています。
つまり、大河ドラマ的には、岡本信人さんの孫がこの地をおさめていたというわけですね!

柏駅方面から自転車でいらっしゃる方は、「開智国際大学」の看板を目印に、デニーズとセブンイレブンの間の道路を左折してください。

柏駅方面から自転車でいらっしゃる方は、「開智国際大学」の看板を目印に、デニーズとセブンイレブンの間の道路を左折してください。

柏駅東口からバスでいらっしゃる方は、「柏学園前」バス停で降りて、さらに200メートルほど前方に歩いてください。

柏駅東口からバスでいらっしゃる方は、「柏学園前」バス停で降りて、さらに200メートルほど前方に歩いてください。

寛永年間(1624~1644年)までは、香取神社の近隣に、現在柏6丁目にある長全寺がありました。 長全寺の山号はずばり「戸張山」。正光寺の辺りという説や、この写真のように神社の斜め右向かいにあったという説があります(神社前から撮影)。

寛永年間(1624~1644年)までは、香取神社の近隣に、現在柏6丁目にある長全寺がありました。 長全寺の山号はずばり「戸張山」。正光寺の辺りという説や、この写真のように神社の斜め右向かいにあったという説があります(神社前から撮影)。

戸張香取神社に着きました!

境内の石碑によると、戸張香取神社の創建は大同2年(807年)とあります。(『柏市史』には寛永3年(1626年)創建という記述も。)
ご祭神は経津主命(ふつぬしのみこと)。旭町の香取神社の回でも書きましたが、武力に優れた、勝負ごとにご利益のある神様でしたね。

以前は鳥居や参道は木々で覆われていたのですが、民家に倒れる危険性から令和2年(2020年)に伐採されてしまいました。切り株がいくつも見えています。

以前は鳥居や参道は木々で覆われていたのですが、民家に倒れる危険性から令和2年(2020年)に伐採されてしまいました。切り株がいくつも見えています。

ふだんの日はひそやかですが、近隣の子どもたちの遊び場にもなっているようです。お正月は参拝客で人が絶えません。

ふだんの日はひそやかですが、近隣の子どもたちの遊び場にもなっているようです。お正月は参拝客で人が絶えません。

昭和55年(1980年)に鳥居と社殿を造りかえました。社殿の美しさにも注目!

昭和55年(1980年)に鳥居と社殿を造りかえました。社殿の美しさにも注目!

「かしわ七福神」の寿老人さま。長寿の神様です。お供の鹿も長寿の象徴。戸張香取神社では御朱印を置いていないので、最終回で行く神明社で押してもらいまししょう!(豊受稲荷神社や大洞院でも可。)

「かしわ七福神」の寿老人さま。長寿の神様です。お供の鹿も長寿の象徴。戸張香取神社では御朱印を置いていないので、最終回で行く神明社で押してもらいまししょう!(豊受稲荷神社や大洞院でも可。)

庚申塔などの石碑が厳重に保護されています…!?

庚申塔などの石碑が厳重に保護されています…!?

本日の“イチオシ青面金剛”はこのお方! 餓鬼を踏みつけ、台座にはお決まりの三猿が彫られています。安永2年(1773年)の庚申塔。

本日の“イチオシ青面金剛”はこのお方! 餓鬼を踏みつけ、台座にはお決まりの三猿が彫られています。安永2年(1773年)の庚申塔。

柏の中心地「柏のへそ」はパワースポット?

次に、日本体育大学柏高等学校(日体高校)の前を通って、「柏のへそ」がある戸張地区公園を目指しましょう!

日体高校の正門左側の道に沿っていきます。(正門と反対側の道に「戸張地区公園」の看板も立っています。)

日体高校の正門左側の道に沿っていきます。(正門と反対側の道に「戸張地区公園」の看板も立っています。)

戸張地区公園は2か所に分かれていますが、日体高校から来る場合、左側に見えてくる公園の中に「へそ」があります。「へそ」の角柱はこの写真からもわずかに見えていますよ!

戸張地区公園は2か所に分かれていますが、日体高校から来る場合、左側に見えてくる公園の中に「へそ」があります。「へそ」の角柱はこの写真からもわずかに見えていますよ!

ここが柏の中心地です。なぜ中心かというと、柏の地形の重心がここにあるからなんです。

詳しくは、平成26年(2014年)に制作された柏市の広報番組「これってナンダイ!?市立柏研Q所(カシケン)」の第6話「柏の中心で柏愛をさけぶ!」の動画をご覧ください。

平成17年(2005年)に旧柏市と旧沼南町が合併したからこそ、この地が「柏のへそ」となったのですが、この地は単なる重心ではないんです!

古代ロマンあふれる「戸張一番割遺跡」

戸張地域は手賀沼に注ぐ大津川の西側に広がる台地上にあり、縄文時代から古墳時代にかけての遺跡が多数発掘されています。そのような遺跡群のなかでも、「もみじ公園」ともいわれる戸張地区公園付近は、「戸張一番割(いちばんわり)遺跡」として発見当時たいへん注目された遺跡でした。

特に話題となったのが、弥生時代から古墳時代に移りかわる時代の環濠集落(周囲を堀で囲んだ集落)の発掘。畿内や東海西部・北陸地方の影響を受けた土器が出土されたため、何らかの理由で遠方から移り住んできた人たちがいたと推測されるのです。邪馬台国の滅亡との関連性も…などと考えるとワクワクしてきませんか?

現在は公園や住宅地となっていますが、400~500人が暮らす130軒以上の環濠集落が発見されました。そのほか、いろいろな時代の人々が移り住んだ形跡があり、この地は人々を引きつけるパワースポットなのかもしれません!?

現在は公園や住宅地となっていますが、400~500人が暮らす130軒以上の環濠集落が発見されました。そのほか、いろいろな時代の人々が移り住んだ形跡があり、この地は人々を引きつけるパワースポットなのかもしれません!?

遠くに手賀沼が見えています。ここ「手賀沼見晴らし休憩所」は絶好の写真映えスポット。また、敷地内には、平成10年(1998年)に「モミジの里親」の方々により85本のイロハモミジが植樹され、秋には美しい紅葉が楽しめます。

遠くに手賀沼が見えています。ここ「手賀沼見晴らし休憩所」は絶好の写真映えスポット。また、敷地内には、平成10年(1998年)に「モミジの里親」の方々により85本のイロハモミジが植樹され、秋には美しい紅葉が楽しめます。

どちらの公園の中にも、森の中を歩ける散策コースがあります。写真のもみじ公園の小道付近は、環濠集落のムラをおさめた支配者の古墳があったところです。また、ここを歩いて降りると、次に行くレストランへの近道となります!(自転車は迂回しましょう。)

どちらの公園の中にも、森の中を歩ける散策コースがあります。写真のもみじ公園の小道付近は、環濠集落のムラをおさめた支配者の古墳があったところです。また、ここを歩いて降りると、次に行くレストランへの近道となります!(自転車は迂回しましょう。)

隠れ家的フレンチ・レストラン「Coeur de Massa(クードマサ)」でランチコース!

戸張地区公園(もみじ公園)から歩いて数分のところに、知る人ぞ知るフレンチ・レストランがあります。
前日までの完全予約。でも、そうすることで「一人ひとりのお客様に丁寧にお料理をお出しできる」と渡辺政昭シェフ。
フランスの三ツ星レストランで修行したときに、名前が読みにくいということで「マサ」と呼ばれたところから、“マサの心”を意味する「Coeur de Massa」という店名にしたそうです。

メニューはお任せですが、予約時に「苦手なものはないですか?」と聞いてくださったり、リピーターさんには同じ食材でもアレンジを加えたりするなど、一人ひとりの好みにできる限り寄り添ってくれるので、次の料理を待つ間も期待でワクワクします。

隣には「南台第三公園」があります。シェフは独立にあたって、手賀沼が見えるところに開業したかったそうですが叶わず、公園のある開放的なこの土地を選んだそうです。

隣には「南台第三公園」があります。シェフは独立にあたって、手賀沼が見えるところに開業したかったそうですが叶わず、公園のある開放的なこの土地を選んだそうです。

夜のコースでは、左側の暖炉で食材を焼いてくれるそうです。木の香りでスモークされた肉料理にフレンチのソースをかけて…。次はもうディナーで来るしかないっ!!

夜のコースでは、左側の暖炉で食材を焼いてくれるそうです。木の香りでスモークされた肉料理にフレンチのソースをかけて…。次はもうディナーで来るしかないっ!!

ステキな個室のお部屋を用意してくださいました。

ステキな個室のお部屋を用意してくださいました。

ランチコース一皿目「赤海老の炙りとスライス野菜ぞえ」。薄くスライスされたカラフルなお野菜は宝石のよう! 海老はガーリックテイストでカラッと揚がっているので、サクサク食べられました!

ランチコース一皿目「赤海老の炙りとスライス野菜ぞえ」。薄くスライスされたカラフルなお野菜は宝石のよう! 海老はガーリックテイストでカラッと揚がっているので、サクサク食べられました!

二皿目「カキのパスタ」。粉チーズとオリーブ、パスタのもちもち感のバランスが絶妙です!

二皿目「カキのパスタ」。粉チーズとオリーブ、パスタのもちもち感のバランスが絶妙です!

三皿目「カマスの香草パン粉焼き」。“魚の方が好き”という私のために用意してくださった魚づくしのコースです。クルミがちりばめられていたり、ソースもいろいろな素材の味が感じられたり…シェフの細やかな心遣いが伝わってきました。

三皿目「カマスの香草パン粉焼き」。“魚の方が好き”という私のために用意してくださった魚づくしのコースです。クルミがちりばめられていたり、ソースもいろいろな素材の味が感じられたり…シェフの細やかな心遣いが伝わってきました。

デザート「いちごのフィユテ」。デザートも日によって変わりますが、今日のコレ、たまらないです!  イチゴのソルベも深い味わいですし、カスタードクリームとマスカルポーネクリーム、カラメルソースと絡み合って…幸せです!

デザート「いちごのフィユテ」。デザートも日によって変わりますが、今日のコレ、たまらないです!  イチゴのソルベも深い味わいですし、カスタードクリームとマスカルポーネクリーム、カラメルソースと絡み合って…幸せです!

ちょっと足をのばして戸張城跡にも…?

クードマサの2階からも見えるという戸張城跡。国道16号線のトンネルのちょうど真上の辺りにあります。
現在、文京区の所有(文京区立柏学園)ですが、平成23年(2011年)の震災以降、使用されていないそうです。

中世に戸張氏の居城だったといわれる戸張城ですが、その空堀や土塁の様子は外からでも確認できます。
また、戸張城山(じょうやま)遺跡としても知られ、敷地内に(外からは見えませんが)弥生時代の住居跡も復元されています。
貴重な歴史遺産なので、将来的に有効活用ができるようになることを願ってやみません。

文京区立柏学園の入口。ここは二の郭があったとされるところです。戸張城跡は、市内で遺構が現存する城跡としては最大級!

文京区立柏学園の入口。ここは二の郭があったとされるところです。戸張城跡は、市内で遺構が現存する城跡としては最大級!

門扉の間から、二の郭の土塁や空堀、虎口が確認できます。

門扉の間から、二の郭の土塁や空堀、虎口が確認できます。

柏学園入口の左脇の道を下っていくと、途中、主郭と二の郭の間の虎口が確認できます。

柏学園入口の左脇の道を下っていくと、途中、主郭と二の郭の間の虎口が確認できます。

戸張の「かしわ七福神」コースはいかがでしたでしょうか。
古代からたくさんの人をひきつけてきた「柏のへそ」――柏の中心地――ぜひこの機会に訪れて、パワーを感じてみてください!

次回は、布袋様をお祀りする福満寺のある大井地区をめぐってみたいと思います。お楽しみに!

Coeur de Massa(クードマサ)

  • 【所在地】千葉県柏市戸張950-14
    【電話番号】04-7167-2277
    【営業時間】ディナー18:00~22:00(L.O.20:00)
    ※火曜日のみランチ時間の営業12 :00~15:00(L.O.13:00)
    【定休日】水曜日

    【メニュー】
    ■ランチタイム(火曜日のみ)
    ランチコース(¥1990)
    フォアグラ丼コース(¥2930)

    ■ディナータイム(木曜日~月曜日)
    お手軽コース(¥2900)…料理4皿+デザート
    暖炉料理Aコース(¥4900)…料理6皿+デザート
    暖炉料理Bコース(¥6900)…料理7皿+デザート
    ※お手軽コースは暖炉を使用しません。

戸張香取神社

  • 【住所】千葉県柏市戸張1309

戸張地区公園

  • 【住所】千葉県柏市戸張999他

戸張城跡(文京区柏学園)

  • 【住所】千葉県柏市戸張城山台909他(柏学園)

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「ちゃーりんぐ柏」代表石井雅子

柏生まれ柏育ち。編集者・箏(こと)奏者。市民活動家の両親が2015年前後に他界したことをきっかけに、柏に興味を持つようになる。2021年、柏の歴史スポットを自転車で巡る「ちゃーりんぐ柏」プロジェクトを立ち上げ、2022年市民公益活動団体として登録。2023年5月、補助金申請や情報発信、連携などをサポートする中間支援団体「ジセダイ歴史文化継承研究所」を設立、事務局長を務める。

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