こんにちは!
生まれも育ちも流山、スペシャリストのスガコウタロウです。
今回は前回お話しした良峰 武徳さん(一般社団法人みらいのたね応援団のよっしー団長)が率いる「まなびテラス」のお話です!
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【流山市】みらいのたね応援団の団長 良峰 武徳さんという「誠実の装置」
序章:どこにも収まらない子どもたち
いま、子どもたちの居場所は多様になっている。学校、フリースクール、福祉の場。
だが、そのどれにも収まりきれない子どもたちが確かにいる。特に思春期、子どもから大人に変わろうとする「はざま」の時期にいる子たちだ。
彼らはもう「子ども扱い」されることを嫌う。けれど、大人として扱われるには未成熟な部分もある。上から「支援」を施されれば反発し、かといって放任されれば孤立してしまう。思春期の扱いにくさは、実は子ども自身が最も苦しんでいることでもある。
そんな「どこにも収まらない」子どもたちの居場所をどうつくるか。その問いに挑んでいるのが、流山市の「まなびテラス」だ。
第一章:良峰 武徳さんという人
「まなびテラス」を率いるのは、よっしー団長(一般社団法人みらいのたね応援団良峰 武徳さん)。
彼の人生は、一言でいえば「押し付けない強さ」に導かれてきたものだ。
父は社会で大きな成果を残した人だったが、子どもに何ひとつ強制しなかった。その背中を幼少期に焼き付け、40歳で父を亡くした後も、よっしー団長はその姿を追い続けている。
青年時代、サッカーの夢を病気で絶たれた。そしてJリーグ開幕戦。テレビの向こうで、自分より上手くなかった仲間がプロとして輝いていた。
「自分は病で降りた。なのに市場はこれから爆発する」。
この残酷な時間差に、彼は絶望を味わった。
その後は営業の世界へ。毎日名刺を置き続け、ついには「ここまでやったのは君だけだ」と評価された。「不器用を貫くことが信用になる」という法則を身をもって知った。
押し付けない父の背中。夢を断たれた絶望。不器用な営業で掴んだ自信。
そのすべてが、いま教育の現場で生きている。
第二章:まなびテラスの哲学
「まなびテラス」には、独自のルールがある。
やらない自由はある
ただし、妨害は許さない
子どもは「やる/やらない」を自分で決められる。ただし他者の学びを邪魔することはできない。
このシンプルな線引きが、自由と秩序の同居を可能にしている。
強制しないが、放任でもない。
背中を見せ、必要なときにだけ短く声をかける。
この「押し付けない強さ」こそが、思春期の子どもに響く。
第三章:兄貴的存在としてのまなびテラス
よっしー団長は「先生」ではない。子どもたちにとっては兄貴のような存在だ。
そして彼の最大の特徴は、もうすぐ60歳を迎えようとしているのに、どういうわけか子ども心を丸ごと残したままの大人であることだ。
冗談を飛ばし、子どもと一緒に本気で遊び、ときには同じように失敗もする。
だから思春期の子どもにとっては、こんなふうに見える。
「ああ、大人になってもまだ子どもでいられるし、成長もできるんだ」
これは口先のメッセージではない。
60歳目前にしても童心を失わずに前に進み続けるよっしー団長自身が、その “ 生きた証拠 ” となっているのだ。
第四章:扱いにくい子どもたちこそ来てほしい
学校の成績で評価されず、福祉の枠組みにも収まらない。支援の言葉には反発するが、心のどこかで理解されたいと願っている。
そんな「大人になりかけの子どもたち」にこそ、まなびテラスは開かれている。
彼らは、ただの「対象」ではない。
兄貴と仲間に囲まれ、自分の役割を見つけ、少しずつ「大人への階段」を上っていく存在だ。
よっしー団長には、自分が地獄を味わった経験がある。夢を絶たれ、コンプレックスに苦しみ、それでも立ち上がった。だからこそ、成長の痛みに苦しむ子どもたちの気持ちを深く理解できる。
第五章:地域に足りないものを埋める
親にとっても、思春期の子どもを「子ども扱い」しないことは難しい。けれど、それが子どもをさらに苦しめることもある。本来なら地域の助け合いの中で、少しずつ大人にしていくのが自然だ。
しかし現代は、その環境が不足している。だからこそ、「まなびテラス」のような場が必要なのだ。
ここには、父から受け取った「押し付けない強さ」、地域に支えられてきた経験、そして童心を失わないよっしー団長自身がいる。だからこそ、大人になりかけの子どもたちにとって、安心して足を踏み入れられる居場所になる。
結語:まずは遊びに来てほしい
よっしー団長は願う。
「大人になりかけて苦しい子どもたちに、どんどん来てほしい」
学校や福祉、フリースクールの枠から外れてしまった子でもいい。
大人の支援や指導に反発してしまう子でもいい。
ここには先生はいない。あるのは兄貴分と仲間だけだ。
そして、童心を抱えたまま60歳を迎えようとしている大人がいる。
迷ったときは、まず一度「まなびテラス」に遊びに来てほしい。
そこには、子どもにとっても親にとっても「ほっとできる空気」が待っているはずだ。
まなびテラス
一般社団法人みらいのたね応援団
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この記事を書いたのは…
おおたかの森ファームスガコウタロウ
東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。