【流山市】地域支援センターいろいろや・ハーモニーとミャンマーコーヒーの出会い

こんにちは!
生まれも育ちも流山、スペシャリストのスガコウタロウです。

今回は流山市の住宅街にある「地域活動支援センターⅢ型 いろいろや・ハーモニー」のお話です!

いろいろや・ハーモニー」は、2002年に障がいのある方々の働く場として、家族や地域住民の協力のもとに立ち上げられた地域活動支援センターです。
精神・知的・身体・発達・高次脳機能障害など、さまざまな背景を持つ人たちが集まり、野菜販売やポスティング、お弁当の製造・販売といった多様な仕事に挑戦してきました。

2022年の春、開設20周年(2025年10月時点)を迎えたこの施設は新たな挑戦を始めます。
それが「コーヒーの焙煎と販売」でした。
ミャンマー産を中心とするスペシャルティコーヒーをフェアトレードで輸入し、丁寧に焙煎して届ける。
いろいろや・ハーモニーの合言葉は「ていねいなものづくり」。
メンバーが一粒一粒の豆と真剣に向き合い、「世界で一番おいしいコーヒー」を目指して日々取り組んでいます。

この新しい歩みは「コーヒーのプロジェクトへと広がりました。
流山市民憲章に掲げられた「理解と尊敬をもち、お互いに助け合うすみよいまちづくり」を体現する活動として、市内のレストランやカフェ、市役所などでドリップバッグが提供され、市民の暮らしのなかに根づいてきています。

コーヒーを飲むこと、購入することが、障がい者の就労支援につながり、さらにミャンマーの生産者支援にもなるそんな循環が流山から静かに始まっているのです。

 

今回、そのコーヒーを届けてくれているミャンマー・ユワンガン地方の生産者代表、アマヤ―コーヒーのスス・アウンさんが来日しました。

彼女が率いる約700戸の小規模農家では、アボカドやバナナの木陰で、農薬や化学肥料を使わない自然農法によってコーヒーが栽培されています。
各家庭が0.5~1エーカーほどの畑を耕し、収穫したチェリーは工場で精製されます。肥料は落ち葉や牛糞を発酵させたもの。標高1200~1800mの寒暖差が生む豊かな風味とともに、自然と共生した農業が根づいています。

議論の中で印象的だったのは、ミャンマーでは農業がとても人気で、人々が自然に種をまき育てる文化があるということでした。
対照的に、日本では農業人口が減少していますが、技術や他分野の強みがあり、両国が互いに補い合うことで持続的な発展が可能になるのではないか、という視点が共有されました。

スス・アウンさんはまた、日本の都会を見て「驚き」と「違和感」の両方を語ってくれました。
通勤ラッシュの中で人がぶつからずに流れていく秩序に感銘を受けつつも、あまりにもシステマチックすぎるその光景に「人の心を逆に圧迫しているのではないか」と感じたそうです。
合理性の徹底が、人に息苦しさを与えてしまう農村から見た日本の都会は、そんな一面を持つのです。

一方で、彼女の言葉にはコーヒー生産への強い誇りと展望がにじみ出ていました。
南米やアフリカが主流だった世界のコーヒー市場に、アジアの「新しいコーヒーベルト」として挑戦する。
大量生産ではなく、一粒一粒の品質にこだわり、ブランド価値を高め、正当な評価を勝ち取る。
その強い意気込みは、流山の地で丁寧に焙煎に取り組む「いろいろや・ハーモニー」の姿勢と響き合って感じました。

今回の取材を通じて見えてきたのは、まさに世界地域を結ぶコーヒーの物語です。

障がいを持つ人々が地域の仲間とともに働き、心を込めて焙煎する。
その豆は、ミャンマーの農家が自然と共に育んだ一粒。
その両者がフェアトレードを通じてつながり、私たちの手元に届いているのです。

コーヒーは今、世界的に需要が高まり、価格も上昇を続けています。その背景には都市化の進展だけでなく、ストレス社会の広がりもあるでしょう。
だからこそ、私たちが一杯のコーヒーを飲むことには、癒しの時間以上の意味が宿ります。
それは生産者と消費者、地域と世界をつなぐ確かな架け橋なのです。

流山市から生まれたこの不思議なご縁をきっかけに、多くの人に「癒しとしてのおいしいコーヒー」を味わい、そして知っていただきたいそう強く願っています。

地域活動支援センターⅢ型 いろいろや・ハーモニー HP

地域活動支援センターⅢ型 いろいろや・ハーモニーinstagram

★この記事が気になったり、いいね!と思ったらハートマークやお気に入りのボタンを押してくださいね。

※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけ、サービス利用の際はHP等で最新情報の確認をしてください

  • facebookシェア
  • twitterシェア
  • LINEで送る

ライター一覧

この記事を書いたのは…

author avatar

おおたかの森ファームスガコウタロウ

東京工業大学工学部を卒業後、工業デザイン事務所にてデザイン業務を経て、家業である税理士事務所に入社。そのノウハウを生かし経営コンサルティング おおたかの森ファーム株式会社 を設立。ボクシング好きの三児の父。

公式LINEバナー

north