【柏】七福神めぐり&グルメ(最終回)文句なしのパワースポット神明社‼

【柏】七福神めぐり&グルメ(最終回)文句なしのパワースポット神明社‼

北部の大洞院から始まった「かしわ七福神めぐり」もいよいよ最終回!
今回は、大黒天をお祀りする神明社と、高柳・塚崎・藤心地域の見どころをめぐります。
そして、最後は、私の周辺では絶大な人気を誇るカフェ「アンチーブ」さんでまったり!
では、出発!!

(今回のコースは、今月末にフットパスを開催する柏観光プロダクションさんの下見に同行し、教えていただいたスポットも取り入れております。)

地元の方々に愛されているユニークなスポット「富士塚」

高柳駅西口から徒歩10分ほどの住宅街に「富士塚」とよばれる、5メートルほどの高さのある小山があります。
この小山は、元々は、西向原古墳(にしむこうばらこふん)という前方後円墳で、その後円部を富士塚として転用したものです。

頂上には文政12年(1829)に建立された「仙元大菩薩」の石碑などが祀られています。

頂上には文政12年(1829)に建立された「仙元大菩薩」の石碑などが祀られています。

頂上からの眺め。「仙元大菩薩」とは江戸時代に流行した富士信仰の神様です。

頂上からの眺め。「仙元大菩薩」とは江戸時代に流行した富士信仰の神様です。

右下の小塚に祀ってある石塔には「御嶽石尊大権現」「大天狗」「小天狗」などと記されていて、富士山頂の峰々を表したものです。鳥居の右下に、セメント製のミニ富士山がちらっと見えています(笑)。

右下の小塚に祀ってある石塔には「御嶽石尊大権現」「大天狗」「小天狗」などと記されていて、富士山頂の峰々を表したものです。鳥居の右下に、セメント製のミニ富士山がちらっと見えています(笑)。

富士塚の手前には、庚申塔が5基並んでいます。

富士塚の手前には、庚申塔が5基並んでいます。

今回の“イチオシ青面金剛”はこの方! 天保5年(1834年)建立、ショケラ持ち(ショケラが何者であるかは所説あり)。ネットでは“聖火ランナー”風とも噂されている青面金剛さまです。けっこうイケメンでしょう?

今回の“イチオシ青面金剛”はこの方! 天保5年(1834年)建立、ショケラ持ち(ショケラが何者であるかは所説あり)。ネットでは“聖火ランナー”風とも噂されている青面金剛さまです。けっこうイケメンでしょう?

さらに続々と庚申塔が!!

高柳地域を歩いていると道のあちこちで庚申塔に出くわします。最近、庚申塔にはまっている私としてはたまりません!
庚申塔は、60日に一度おとずれる「庚申の日」にみんなで集まって徹夜で過ごす「庚申講」の記念に建てられたもの。
これから福寿院を目指しますが、その間にも庚申塔スポットがありますよ!

「サイクルショップランブル」さんの筋向いの道路に「藤庚申」とよばれる庚申塔スポットがあります。

「サイクルショップランブル」さんの筋向いの道路に「藤庚申」とよばれる庚申塔スポットがあります。

2基の青面金剛さまのうち左側の方は元禄4年(1691年)建立。顔が左右についているところにも注目!

2基の青面金剛さまのうち左側の方は元禄4年(1691年)建立。顔が左右についているところにも注目!

さらに進んでいくと、三叉路に4基の庚申塔が祀られていて、マニアには絶大な人気を誇るスポットです! それぞれの作風の違いをお楽しみください!

さらに進んでいくと、三叉路に4基の庚申塔が祀られていて、マニアには絶大な人気を誇るスポットです! それぞれの作風の違いをお楽しみください!

茅葺屋根の静謐な佇まいにグッとくる「福寿院観音堂」

福寿院の観音堂は沼南幼稚園に隣接した茅葺屋根の建造物です。
現在の建物は、安政2年(1855年)に落雷によって焼失したあとに再建されたものですが、本尊の十一面観音尊像(秘仏)が近世以前の製作とされることから、観音堂の創建は中世ではないかと考えられています。柏市指定文化財(有形文化財)。

福寿院観音堂。初めてきたときは、園児たちのかわいらしい声が聞こえるなか、突如、時空を超えた建造物が出現したような驚きがありました。桜の季節もまたステキですよ!

福寿院観音堂。初めてきたときは、園児たちのかわいらしい声が聞こえるなか、突如、時空を超えた建造物が出現したような驚きがありました。桜の季節もまたステキですよ!

茅葺の美しさ、精緻な龍の彫刻、母屋との間に渡されている2本の「海老虹梁」が見どころです。

茅葺の美しさ、精緻な龍の彫刻、母屋との間に渡されている2本の「海老虹梁」が見どころです。

神明社南側の台地に残る「高柳城跡」

県道8号船橋我孫子線(船取線)の西側の善龍寺一帯、東側の山林は、戦国期には高柳城があったといわれています。

高柳城は、善龍寺(非公開)の北側をⅠの郭(本丸)とした舌状台地に立っていたと推測されています。周囲には土塁や空堀の跡と思われる箇所がたくさん見られます。

高柳城は、善龍寺(非公開)の北側をⅠの郭(本丸)とした舌状台地に立っていたと推測されています。周囲には土塁や空堀の跡と思われる箇所がたくさん見られます。

県道東側北端部は、現在は市民団体「沼南かたくりの会」によって野草保護地になっています。ここから香取神社までが高柳城の東側の領域と推測されます。

県道東側北端部は、現在は市民団体「沼南かたくりの会」によって野草保護地になっています。ここから香取神社までが高柳城の東側の領域と推測されます。

高柳の鎭守「香取神社」

「かしわ七福神」で毎回登場する香取神社ですが(第1回の花野井にもあったのですが、ご紹介し損ねてしまいました)、今回は高柳の鎭守として地元の方々に親しまれている香取神社です。
先ほどご紹介した福寿院は、この香取神社の別当寺(※)だったといわれています。
(※江戸期までの神仏習合時代において、神社に付属して置かれた寺院)

東葛地域に香取神社が多いのは、利根川流域において水運の無事を祈願し、本宮の香取市にある香取神社から勧請したためと考えられます。

東葛地域に香取神社が多いのは、利根川流域において水運の無事を祈願し、本宮の香取市にある香取神社から勧請したためと考えられます。

本殿には見事な彫刻がぐるりと施されているので、格子の隙間からご覧になってみてください。正面は登り龍と降り龍が見えます。

本殿には見事な彫刻がぐるりと施されているので、格子の隙間からご覧になってみてください。正面は登り龍と降り龍が見えます。

昔も今も変わらぬ聖地「神明社」

中世には柏、我孫子、野田、取手にかけての一帯は、「相馬御厨(みくりや)」とよばれた伊勢神宮の荘園でした。
神明社は、創建年代については不明ですが、鎌倉時代前後に遡るといわれ、古くから相馬御厨のなかでも聖地とされてきました。

宝暦7年(1757年)に、本多正珍(ほんだまさよし)から寄進されたことが記されている石鳥居(柏市指定文化財)。本多氏は、江戸時代に相馬・東葛両郡の村々に領地を有した大名です。

宝暦7年(1757年)に、本多正珍(ほんだまさよし)から寄進されたことが記されている石鳥居(柏市指定文化財)。本多氏は、江戸時代に相馬・東葛両郡の村々に領地を有した大名です。

御祭神は、天照大神(大神宮)、応神天皇(八幡社)、武甕槌神(たけみかづちのかみ)(春日社)。境内は美しく厳かで清々しく、何時間でもいたいと気持ちになります。神明社を中心とするこの辺り一帯は、強力なパワースポット?

御祭神は、天照大神(大神宮)、応神天皇(八幡社)、武甕槌神(たけみかづちのかみ)(春日社)。境内は美しく厳かで清々しく、何時間でもいたいと気持ちになります。神明社を中心とするこの辺り一帯は、強力なパワースポット?

「かしわ七福神」の大黒天。小槌を持ち、俵の上に立つ姿でおなじみですね。五穀豊穣・出世開運、縁結びの神様として知られています。

「かしわ七福神」の大黒天。小槌を持ち、俵の上に立つ姿でおなじみですね。五穀豊穣・出世開運、縁結びの神様として知られています。

昨年(2021年)完成された新しい神楽殿。一昨年・昨年はコロナ禍で中止になりましたが、毎年10月17日には、古代神話に基づく十二の舞曲から成る「十二座神楽」(柏市指定無形文化財)が奉演されます。新しい舞台での奉演、今年は見たいですね!

昨年(2021年)完成された新しい神楽殿。一昨年・昨年はコロナ禍で中止になりましたが、毎年10月17日には、古代神話に基づく十二の舞曲から成る「十二座神楽」(柏市指定無形文化財)が奉演されます。新しい舞台での奉演、今年は見たいですね!

昭和10年(1935年)に県の天然記念物に指定された大榊は樹齢約1300年と推定されたことから、神明社の歴史の古さがうかがえます。現在、主幹は枯死し、若木が育成されています。

昭和10年(1935年)に県の天然記念物に指定された大榊は樹齢約1300年と推定されたことから、神明社の歴史の古さがうかがえます。現在、主幹は枯死し、若木が育成されています。

庚申(かのえさる)にあたる日の夜におこなう祭事「庚申待」の大願成就を祈願して、寛文9年(1669年)に氏子から奉納された手水鉢。柏市指定文化財。

庚申(かのえさる)にあたる日の夜におこなう祭事「庚申待」の大願成就を祈願して、寛文9年(1669年)に氏子から奉納された手水鉢。柏市指定文化財。

境内裏手に広がる「沼南の森市民緑地」。清々しい気に満ちていて英気を養えます!

境内裏手に広がる「沼南の森市民緑地」。清々しい気に満ちていて英気を養えます!

神明社の社殿は、伊勢神宮の方角に向いています。つまり、お参りした帰りに、このように鳥居・表参道に向き合うと、そのはるか先に伊勢神宮があることになります。

神明社の社殿は、伊勢神宮の方角に向いています。つまり、お参りした帰りに、このように鳥居・表参道に向き合うと、そのはるか先に伊勢神宮があることになります。

表参道の石段脇に鎮座する「弁財天社」。宝暦7年(1757年)に、湧き水をたたえた弁天池に石塔が祀られました。

表参道の石段脇に鎮座する「弁財天社」。宝暦7年(1757年)に、湧き水をたたえた弁天池に石塔が祀られました。

傷病平癒にご利益!「藤心八幡神社」

神明社からニッカ通りに入っていくと藤心八幡神社が見えてきます。
創建年代は不詳ですが、中世に遡るのではないかといわれています。

祭神は応神天皇。第15代天皇で、実在した可能性が高い最初の天皇と知られています。死後、八幡信仰の祭神となり、中世には、源氏の氏神となったことで武家の間で信仰が集まり、「武神」として全国に広がっていきました。

この八幡神社には、母の病気平癒祈願のためにお参りした娘の話が伝わっています。
詳細は、柏市観光協会さんの「柏のむかしばなし」〈(13番)丑の刻参り〉をご覧ください。

ちなみに、お話の中でお母さんのせりふにある「いしゃ」は、柏周辺の地域の方言で「あなた、おまえ」を意味する言葉です。

藤心八幡神社。鳥居脇の大木が見事です。(写真のフレームに収まりません!)

藤心八幡神社。鳥居脇の大木が見事です。(写真のフレームに収まりません!)

近くに「藤心陣屋跡」もあるので併せてご覧ください。神明社の鳥居を寄進した本多氏が代官所を構えた跡地です。表門は観音寺に、中門は法林寺に移築されました。

近くに「藤心陣屋跡」もあるので併せてご覧ください。神明社の鳥居を寄進した本多氏が代官所を構えた跡地です。表門は観音寺に、中門は法林寺に移築されました。

看板ネコがお出迎え!「軽食&喫茶アンチーブ」

八幡神社のすぐ近くにあるオシャレなカフェ「アンチーブ」さん。
オーナーのお母さまが飲食店を開くことが長年の夢だったことから始めたお店ですが、今年で何と27年目になるそうです。
ずっと親子で運営されていましたが、昨年お母さまが引退され、現在は看板ネコのドラちゃんとともにオーナーがお店を切り盛りしていらっしゃいます。

知る人ぞ知る隠れ家的存在といわれているようですが、なぜか私の周りはアンチーブファンだらけ…(笑)。

知る人ぞ知る隠れ家的存在といわれているようですが、なぜか私の周りはアンチーブファンだらけ…(笑)。

知人から定食を強くすすめられてオーダー。この日はメンチカツ。2つも食べられるか少し心配でしたが、衣がサクサクで軽やかで、ペロッと食べてしまいました。

知人から定食を強くすすめられてオーダー。この日はメンチカツ。2つも食べられるか少し心配でしたが、衣がサクサクで軽やかで、ペロッと食べてしまいました。

昨年訪れたとき注文したナポリタン。ケチャップの酸味がほどよく、これも私の知人たちの間で人気メニューとなっています!

昨年訪れたとき注文したナポリタン。ケチャップの酸味がほどよく、これも私の知人たちの間で人気メニューとなっています!

フレンチトーストも美味しそうだけど、さすがに食べられない…と諦めかけていたら、「半分の量でお作りしますよ!」とオーナー。そのお味は…口に入れたときのバターの香り、ミックスベリーの酸味、トーストの甘味のバランスが絶妙! オススメです!

フレンチトーストも美味しそうだけど、さすがに食べられない…と諦めかけていたら、「半分の量でお作りしますよ!」とオーナー。そのお味は…口に入れたときのバターの香り、ミックスベリーの酸味、トーストの甘味のバランスが絶妙! オススメです!

 窓から見渡せる田園風景に癒されます。「今日ドラちゃんは?」とオーナーに尋ねると…。(この写真の中にすでに見えていますよ!)

窓から見渡せる田園風景に癒されます。「今日ドラちゃんは?」とオーナーに尋ねると…。(この写真の中にすでに見えていますよ!)

イスの上で気持ちよさそうに眠っていました。

イスの上で気持ちよさそうに眠っていました。

6回にわたる「かしわ七福神めぐり」はいかがでしたでしょうか?
一つひとつのスポットは距離が離れていますが、それぞれ周辺の名所と一緒にめぐると、様々な柏の歴史文化に触れることができて、一層“かしわ愛”が深まりました!
機会がありましたら、ぜひチャレンジしてみてください!

神明社寺務所で、大黒天とともに、戸張香取神社の寿老人の印判も押していただき、見事コンプリート! もう イイコトありそうな予感しかないっ!

神明社寺務所で、大黒天とともに、戸張香取神社の寿老人の印判も押していただき、見事コンプリート! もう イイコトありそうな予感しかないっ!

軽食&喫茶アンチーブ

  • 【住所】千葉県柏市藤心389-1-2
    【営業時間】10:00~19:00
    【定休日】水曜日
    【インスタグラム】https://www.instagram.com/cafe_antibes/

富士塚

  • 【住所】千葉県柏市高柳西向原1634-3

福寿院

  • 【住所】千葉県柏市柏市高柳1366

高柳香取神社

  • 【住所】千葉県柏市高柳712

神明社

★この記事が気になったり、いいね!と思ったらハートマークやお気に入りのボタンを押してくださいね。

※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけ、サービス利用の際はHP等で最新情報の確認をしてください

  • facebookシェア
  • twitterシェア
  • LINEで送る

ライター一覧

この記事を書いたのは…

author avatar

「ちゃーりんぐ柏」代表石井雅子

柏生まれ柏育ち。編集者・箏(こと)奏者。市民活動家の両親が2015年前後に他界したことをきっかけに、柏に興味を持つようになる。2021年、柏の歴史スポットを自転車で巡る「ちゃーりんぐ柏」を立ち上げる(2022年市民公益活動団体登録)。2023年5月、補助金申請や情報発信、連携などをサポートする中間支援団体「ジセダイ歴史文化継承研究所」を設立、事務局長を務める。2024年8月柏に特化した観光会社「かしわグリーン観光社」を設立、代表を務める。

公式LINEバナー

north