【柏】七福神めぐり&グルメ⑤福満寺で美しくなれる?将門伝説もいっぱい!

柏には各地に平将門伝説が残っていますが、布袋様をお祀りする福満寺をはじめ大井地区でも将門ロマンにたっぷり浸れます!
また、福満寺にお参りした女性はキレイになるという噂もあったり…?
そして、大井と前回の戸張との関係は??
魅力いっぱいの大井地区、参りましょう!

今回のコースはウォーキングでも行けますが、道の駅しょうなんで自転車をレンタルするのもオススメ!

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手賀沼周辺最大規模の古墳群「船戸古墳群」

前方後円墳や円墳など、6世紀後半から7世紀前半にかけての古墳が40基以上所在した古墳群です。
現在は、手賀沼里山クラブさんが土地所有者や柏市と連携して管理し、貴重な植物を保護しています。(クラブ活動日以外は立ち入り禁止。)

看板の後ろに見えている盛り上がりが前方後円墳の8号墳。「前方後円墳」という響きだけでもワクワクしてしまう私です…。

看板の後ろに見えている盛り上がりが前方後円墳の8号墳。「前方後円墳」という響きだけでもワクワクしてしまう私です…。

船戸古墳群の左脇の道をフェンス沿いに進むと、手賀沼が一望できます。

船戸古墳群の左脇の道をフェンス沿いに進むと、手賀沼が一望できます。

中世の風俗を知る貴重な文化財「阿弥陀様板碑」

板碑は、鎌倉から室町時代にわたる中世400年間のみ建立された石造の供養塔です。
この板碑は福満寺の境外地(飛び地)にあり、平成元年(1989年)の発掘調査で全長186㎝の下総式板碑であることがわかりました。
柏市の有形文化財に指定されています。

阿弥陀堂の中に板碑が保存されています。板碑には秩父石を用いた「武蔵式板碑」と筑波石を用いた「下総式板碑」の2種類があります。柏市内ではこのような下総式板碑は少数派。

阿弥陀堂の中に板碑が保存されています。板碑には秩父石を用いた「武蔵式板碑」と筑波石を用いた「下総式板碑」の2種類があります。柏市内ではこのような下総式板碑は少数派。

将門スポット〈その1〉王城通り

中世に柏を含む旧相馬郡をおさめていた相馬氏には、平将門の子孫であるという伝承があります。
相馬氏の初代・相馬師常(もろつね)は、千葉氏中興の祖といわれる千葉常胤(つねたね)の次男。
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」的にいうと、岡本信人さんの子どもにあたります。

王城通り。千葉氏の先祖は平良文。将門の伯父にあたります。伯父の良文が甥の将門の養子になったことが『源平闘諍録』に記述されていることから、相馬氏は将門の直系であることを主張しました。

王城通り。千葉氏の先祖は平良文。将門の伯父にあたります。伯父の良文が甥の将門の養子になったことが『源平闘諍録』に記述されていることから、相馬氏は将門の直系であることを主張しました。

将門の事件を描いた『将門記』には、将門が「下総国の亭南」に「王城」を建設したこと、大井津が京の大津になぞらえられたことが記載されていますが、この大井津が市内の大井と考えられています。(柏市ホームページより)

将門の事件を描いた『将門記』には、将門が「下総国の亭南」に「王城」を建設したこと、大井津が京の大津になぞらえられたことが記載されていますが、この大井津が市内の大井と考えられています。(柏市ホームページより)

パワースポット〈その1〉&将門スポット〈その2〉「福満寺」

福満寺は天台宗のお寺で、8世紀頃建立されたといわれています。
下記の見どころのほか、女性の病気などにご利益がある「粟島大明神」、合格祈願のご利益がある「聖徳太子堂」、「准四国八十八カ所霊場」なども、チェックポイントです!

見どころいっぱいなので、拝観スケジュールは余裕をもって立ててくださいね!

見どころいっぱいなので、拝観スケジュールは余裕をもって立ててくださいね!

「かしわ七福神」の布袋様です。布袋尊は七福神の中では唯一、実在の人物を神格化した存在で、笑門来福、夫婦円満、商売繁盛、無病息災などのご利益があります。御朱印も押してもらいましょう!

「かしわ七福神」の布袋様です。布袋尊は七福神の中では唯一、実在の人物を神格化した存在で、笑門来福、夫婦円満、商売繁盛、無病息災などのご利益があります。御朱印も押してもらいましょう!

布袋様の脇には弁天様もいらっしゃいます。上野の寛永寺の不忍池にある弁財天を勧請したもの。

布袋様の脇には弁天様もいらっしゃいます。上野の寛永寺の不忍池にある弁財天を勧請したもの。

「鏡井戸」。将門の第三夫人・車ノ前が鏡の代わりに使ったという伝説のある井戸です。本堂の裏から行くことができます。

「鏡井戸」。将門の第三夫人・車ノ前が鏡の代わりに使ったという伝説のある井戸です。本堂の裏から行くことができます。

「開運の黄金水」。このスポットで、身に着けている数珠を洗った女性が、友人たちから「最近輝いてるよね!?」と言われたというエピソードも…。

「開運の黄金水」。このスポットで、身に着けている数珠を洗った女性が、友人たちから「最近輝いてるよね!?」と言われたというエピソードも…。

本堂の右側にある講堂では、大井東山遺跡などから出土した土器や武蔵式板碑が展示されています。寺務所にお断りすれば、見学できます。

本堂の右側にある講堂では、大井東山遺跡などから出土した土器や武蔵式板碑が展示されています。寺務所にお断りすれば、見学できます。

江戸時代中頃に建立された鐘楼門。「手賀沼八景」のひとつで、「大井の晩鐘」とよばれています。

江戸時代中頃に建立された鐘楼門。「手賀沼八景」のひとつで、「大井の晩鐘」とよばれています。

パワースポット〈その2〉「大井香取神社」

経津主命(ふつぬしのみこと)を祀る香取神社は毎回登場していますが、こちらは福満寺の鐘楼門のすぐ脇にある大井の香取神社です。
空気が澄んでいて、大好きなスポットのひとつです。

元和5年(1619年)に社殿が再建されたことから、香取神社はそれ以前から大井の鎭守として祀られていたと考えられています。

元和5年(1619年)に社殿が再建されたことから、香取神社はそれ以前から大井の鎭守として祀られていたと考えられています。

幹の絡み合いが見事な椎の木が入口付近にあります。迫力ありますよ~!

幹の絡み合いが見事な椎の木が入口付近にあります。迫力ありますよ~!

将門スポット〈その3〉「車ノ前五輪塔」

福満寺の鐘楼門から徒歩数分の畑の中に、「妙見さま」とよばれる繁みがあります(福満寺の境外地)。
将門の第三夫人・車ノ前は、将門が戦死したのち、夫の菩提を弔うために、この地に妙見菩薩を祀って供養したという伝承があります。

お堂はすでに失われ、現在は祠が立つだけです。妙見信仰は、北極星や北斗七星を神格化した信仰のことで、平将門が妙見菩薩を信仰していたことから、将門にゆかりのある相馬氏が支配した地域では、妙見信仰の名残りを見ることができます。

お堂はすでに失われ、現在は祠が立つだけです。妙見信仰は、北極星や北斗七星を神格化した信仰のことで、平将門が妙見菩薩を信仰していたことから、将門にゆかりのある相馬氏が支配した地域では、妙見信仰の名残りを見ることができます。

沼南地域では最大最古の五輪塔で、南北朝から室町初期に造立されたと推測されます。妙見堂があったことから、相馬氏一族の墓塔ではないかと考えられています。柏市の指定文化財。

沼南地域では最大最古の五輪塔で、南北朝から室町初期に造立されたと推測されます。妙見堂があったことから、相馬氏一族の墓塔ではないかと考えられています。柏市の指定文化財。

戸張城のライバル「大井追花城」

五輪塔から徒歩5分圏内に妙照寺という日蓮宗のお寺があります。
この付近にはかつて大井追花(おっけ)城があり、中世の相馬氏の支配を経て、戦国期には小金城主高城氏の支城であったと考えられています。
大津川を挟んで戸張城と対峙するような立地になっていることから、戸張城主との伝説も残されています。

妙照寺の大杉は柏市の指定文化財(天然記念物)。目通り幹周囲が約6メートル、上部に注連縄をまわしてあります。樹齢は不明ですが、鎌倉時代のものと推察されます。

妙照寺の大杉は柏市の指定文化財(天然記念物)。目通り幹周囲が約6メートル、上部に注連縄をまわしてあります。樹齢は不明ですが、鎌倉時代のものと推察されます。

妙照寺は13世紀後半に開創されましたが、平安時代に真言宗の寺院として創建されたのが始まりです。この山門は寛政8年(1796年)に建立されました。

妙照寺は13世紀後半に開創されましたが、平安時代に真言宗の寺院として創建されたのが始まりです。この山門は寛政8年(1796年)に建立されました。

妙照寺山門の前には「追花弁財天」があり、こちらも福満寺の境外地になります。この一帯にかつて大井追花城があり、今回その遺構を探しましたが、それらしき土塁がわずかに残るくらいでした。

妙照寺山門の前には「追花弁財天」があり、こちらも福満寺の境外地になります。この一帯にかつて大井追花城があり、今回その遺構を探しましたが、それらしき土塁がわずかに残るくらいでした。

妙照寺が立つ台地の先端から、大津川を挟んで戸張城が見えます(中央の森)。妙照寺先端は現在は墓地として造成されていますが、戦国時代には追花城の「出丸」(本城から張り出して設けられた曲輪)が設けられていたと考えられています。

妙照寺が立つ台地の先端から、大津川を挟んで戸張城が見えます(中央の森)。妙照寺先端は現在は墓地として造成されていますが、戦国時代には追花城の「出丸」(本城から張り出して設けられた曲輪)が設けられていたと考えられています。

「鼻喰い田」石碑

妙照寺から戸張城を左に眺めながら大津川沿いをぐるっとまわって「手賀沼ふれあい緑道」まで出ると、繁みの中に「鼻喰い田」の石碑が立っています。
戸張城主が追花城に攻め入り、両城主の一騎打ちとなって、取っ組み合いながら田んぼの泥のなかにおちていき、相手の鼻に食らいついたという伝説があります。
戸張城と追花城の敵対関係から、このようなエピソードが生まれたのでしょう。

この両者が落ちた田んぼは「鼻喰田(はなつけげ)」という呼び方もされています。

この両者が落ちた田んぼは「鼻喰田(はなつけげ)」という呼び方もされています。

手賀沼を眺めながらヘルシー料理!「手賀カフェ」

「鼻喰い田」の石碑から道の駅しょうなんに向かって進むと、「日女若ものがたり」の石碑が見えてきます。そこを目印に右に曲がると、道路沿いに「手賀カフェ」さんが見えます。

オシャレでアットホームな雰囲気が魅力の手賀カフェさん。
6月10日で開店10周年を迎えます。
お店として大切にしていることを伺ったら、「ここで一日分の野菜をとっていただきたくて!」とカフェの店員さん。
ランチは350gのお野菜が目標。モーニングも、野菜やヨーグルトなどがついていて、とってもヘルシーですよ!

手賀カフェさんといったら、ヘルシー料理やバラエティ豊かなドリンクだったりしますが、開業のきっかけは、この地でギャラリーとアトリエをつくろうと思ったことだそうです!

手賀カフェさんといったら、ヘルシー料理やバラエティ豊かなドリンクだったりしますが、開業のきっかけは、この地でギャラリーとアトリエをつくろうと思ったことだそうです!

この日は手賀沼がよく見えるカウンター席に座りました。お店の方々は気さくなので、一人でも安心して過ごせます。

この日は手賀沼がよく見えるカウンター席に座りました。お店の方々は気さくなので、一人でも安心して過ごせます。

「おまかせランチセット」。この日は、煮込みハンバーグ、わかさぎフライ、レンコンのきんぴら、ミモザサラダ、里芋のみそがけ。いろいろな食材を食べられて、心も体もウレシイ!

「おまかせランチセット」。この日は、煮込みハンバーグ、わかさぎフライ、レンコンのきんぴら、ミモザサラダ、里芋のみそがけ。いろいろな食材を食べられて、心も体もウレシイ!

ランチセットの飲み物とミニデザート。ふだんはコーヒー派の私ですが、手賀カフェさんに来ると、ハーブティーを頼んでしまうんです。手賀沼とお料理と人…全てがやさしい空間です。

ランチセットの飲み物とミニデザート。ふだんはコーヒー派の私ですが、手賀カフェさんに来ると、ハーブティーを頼んでしまうんです。手賀沼とお料理と人…全てがやさしい空間です。

いかがでしたでしょうか?
気のせいか、お肌の調子が良くなったような…??
庶民の味方・将門も近くに感じられた気がして、心強く思えたり…。
今回、大津川越しに、前回訪れた戸張城を眺めたら、感動でこみ上げてくるものがありました。歴史を知るっていいですね~!

さて次回は、「かしわ七福神」の最終回、神明社とその周辺スポットです。
お楽しみに!

※大井の散策については、昨年度、私が勤務&修行させていただいた「kamon かしわインフォメーションセンター」の下記URLにも掲載記事があります。併せてご覧ください。

手賀カフェ

  • 【住所】千葉県柏市箕輪字花輪854
    【電話番号】04-7193-1117
    【営業時間】(11~3月)9:00~17:00、(4~10月)8:30~17:00
    【定休日】木曜日・金曜日、第2・第4水曜日

福満寺

  • 【住所】千葉県柏市大井1708
    【電話番号】04-7191-1469

大井香取神社

  • 【住所】千葉県柏市大井1755

車ノ前五輪塔

  • 【住所】千葉県柏市大井 1228

妙照寺

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「ちゃーりんぐ柏」代表石井雅子

柏生まれ柏育ち。編集者・箏(こと)奏者。市民活動家の両親が2015年前後に他界したことをきっかけに、柏に興味を持つようになる。2021年、柏の歴史スポットを自転車で巡る「ちゃーりんぐ柏」を立ち上げる(2022年市民公益活動団体登録)。2023年5月、補助金申請や情報発信、連携などをサポートする中間支援団体「ジセダイ歴史文化継承研究所」を設立、事務局長を務める。2024年8月柏に特化した観光会社「かしわグリーン観光社」を設立、代表を務める。

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