【柏】十三塚にジャンボ海老天重! なかじーと行く“濃厚濃密”藤ヶ谷ちゃーりんぐ(前編)

【柏】十三塚にジャンボ海老天重! なかじーと行く“濃厚濃密”藤ヶ谷ちゃーりんぐ(前編)

柏南端部に位置する藤ヶ谷。
土地勘がなく、なかなか訪れるチャンスがなかったのですが、今回は、「なかじー」こと柏市観光協会 事務局長の中島貴洋さんにご案内していただき、念願の藤ヶ谷ツアーが実現!
同行してくださるのは、市内の水辺環境や動植物などの生態系に精通している「デミー」こと川瀬美幸さん。

クルマだと停める場所に気を遣うということで、移動手段は自転車!
妄想好きな3人で巡る“藤ヶ谷ちゃーりんぐ”をご紹介いたします。

なかじーオススメ! 藤ヶ谷ちゃーりんぐコース

①ローソン沼南工業団地入口店(集合)
②藤ヶ谷十三塚
③持法院
④濱田家 本店(ランチ)
⑤藤ヶ谷城跡(香取神社)
⑥藤ヶ谷中上城跡
⑦矢の橋(セブンイレブン沼南藤ヶ谷店)
⑧鮮魚街道 常夜燈
⑨海上自衛隊 下総航空基地
⑩むこたま 本店(解散)

前編では、藤ヶ谷城跡の香取神社まで巡ります!

前編では、藤ヶ谷城跡の香取神社まで巡ります!

神秘! 藤ヶ谷十三塚

藤ヶ谷の十三塚は、中央の大きな塚の両側に小さな塚が6個並んでいる典型的な十三塚で、千葉県の指定史跡です。
十三塚とは十三基の盛り土が並んだもので、鎌倉時代から江戸時代にかけて作られ、古墳と違って人骨や副葬品は出土しないのがふつうです。村境・国境に造られたもの、13人の侍を葬ったもの、供養塚、十三仏信仰(※)など、諸説ありますが、その目的については解明されていません。

※十三仏信仰:十三仏は亡くなった人を浄土に導く13人の仏様で、初七日から三十三回忌まで、13回の追善供養仏事にそれぞれ対応しています。

中央の塚は直径約7.8m、高さ約1.5m。他の小塚は直径約2.5m、高さ0.2~0.5mで、それぞれ約6mの感覚で並んでいます。

中央の塚は直径約7.8m、高さ約1.5m。他の小塚は直径約2.5m、高さ0.2~0.5mで、それぞれ約6mの感覚で並んでいます。

ツアー実施日は5月初旬。黄金色の花が美しい「キンラン」があちこちで咲いていました。キンランは絶滅危惧種に指定されている貴重な野草。「踏んじゃだめですよ~!」と川瀬さん。

ツアー実施日は5月初旬。黄金色の花が美しい「キンラン」があちこちで咲いていました。キンランは絶滅危惧種に指定されている貴重な野草。「踏んじゃだめですよ~!」と川瀬さん。

「十三塚は現在は県内に10か所ほど残っていますが、13基すべてがそろっているのは、千葉県内では柏だけ!」と、中島さんが解説してくださいました。

「十三塚は現在は県内に10か所ほど残っていますが、13基すべてがそろっているのは、千葉県内では柏だけ!」と、中島さんが解説してくださいました。

日の光が当たると、聖地のような神秘的な印象さえ受けます。何のために造られたのか、現地で感じてみてください。

日の光が当たると、聖地のような神秘的な印象さえ受けます。何のために造られたのか、現地で感じてみてください。

彼岸花だけじゃない! 平将門ゆかりのお寺「持法院」

持法院は、現在放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で岡本信人さん演じる千葉氏中興の祖「千葉常胤(つねたね)」と関係があるんです。
建久元年(1190年)、千葉常胤は鎌倉在館時に見た夢のおつげにより、仏師の運慶に如意輪観音像を作らせました。その後、承久の乱(1221年)が起こると、観音像は運慶の弟子の登慶(とうけい)に託され、登慶は相馬氏の領地である当地に持参して祀ったと伝えられています。

正式な寺号は「登慶山持法院如意輪寺」。観音像と登慶法師にちなんでつけられたそうです。彼岸花の名所として知られ、秋には境内を真紅に染めた美しい光景が見られます。

正式な寺号は「登慶山持法院如意輪寺」。観音像と登慶法師にちなんでつけられたそうです。彼岸花の名所として知られ、秋には境内を真紅に染めた美しい光景が見られます。

山門右手に如意輪観音像の伝承がある観音堂があります。先に観音堂に行ってみましょう。

山門右手に如意輪観音像の伝承がある観音堂があります。先に観音堂に行ってみましょう。

階段の途中に庚申塔が2基建っていました。

階段の途中に庚申塔が2基建っていました。

階段を登りきると、明るく平坦な境内に観音堂が姿を現します。登慶は茅葺き屋根のお堂を建て、厨子に藤の花を飾って観音像を安置したため、当地は「藤萱村(ふじかやむら)」と呼ばれるようになったといわれています。

階段を登りきると、明るく平坦な境内に観音堂が姿を現します。登慶は茅葺き屋根のお堂を建て、厨子に藤の花を飾って観音像を安置したため、当地は「藤萱村(ふじかやむら)」と呼ばれるようになったといわれています。

山門をくぐって持法院本堂へ。現在、如意輪観音像はこちらに安置されています(柏市指定文化財。通常は非公開)。登慶が観音像を祀ったのは鎌倉時代の話ですが、現存する観音像は、中世末期から江戸時代初期の作品だといわれています。

山門をくぐって持法院本堂へ。現在、如意輪観音像はこちらに安置されています(柏市指定文化財。通常は非公開)。登慶が観音像を祀ったのは鎌倉時代の話ですが、現存する観音像は、中世末期から江戸時代初期の作品だといわれています。

平将門供養塔

本堂右手には、昭和61年(1986年)に建てられた平将門の供養塔があります。
千葉常胤の次男・師常(もろつね)は、中世に柏を含む東葛地域を支配していた相馬氏の初代。
鎌倉末期に一族の一部が現在の福島県南相馬市に移住し、下総相馬氏はその後衰退しましたが、わずかに残った一族がこの地に残り、現在でも藤ヶ谷は柏市内の中でも最も相馬姓が多いのです。

持法院は相馬氏の菩提寺でもあります。千葉氏一族の相馬氏には将門の子孫という伝承があります。

持法院は相馬氏の菩提寺でもあります。千葉氏一族の相馬氏には将門の子孫という伝承があります。

「玄性院殿信隠宗卜大居士」は将門の戒名です。将門の命日である2月14日には毎年供養会がおこなわれます。

「玄性院殿信隠宗卜大居士」は将門の戒名です。将門の命日である2月14日には毎年供養会がおこなわれます。

濱田家 本店

来年(2023年)の5月で50周年を迎える濱田家さん。
地元に密着した和食レストランで、七五三、冠婚葬祭など、子どもの頃からイベントの際に利用しているというお客様も多いそうです。

平日夕方は持ち帰り弁当の販売もしている濱田屋さん。丼ものから、生姜焼き弁当や唐揚げ弁当、ヘルシー弁当など、メニューも充実しています!

平日夕方は持ち帰り弁当の販売もしている濱田屋さん。丼ものから、生姜焼き弁当や唐揚げ弁当、ヘルシー弁当など、メニューも充実しています!

4人部屋の個室に案内していただきました。そのほかテーブル席、お座敷や宴会席などもあるので、様々なシーンで利用できそうですね。

4人部屋の個室に案内していただきました。そのほかテーブル席、お座敷や宴会席などもあるので、様々なシーンで利用できそうですね。

「五目釜めし」「とり釜めし」「かに釜めし」の3種類の「釜めし御前(茶碗蒸し・デザート付)」を仲良く(?)オーダー! 濃すぎず薄すぎず、ここしかないという絶妙な味加減! もう、いくらでも食べられちゃう!!

「五目釜めし」「とり釜めし」「かに釜めし」の3種類の「釜めし御前(茶碗蒸し・デザート付)」を仲良く(?)オーダー! 濃すぎず薄すぎず、ここしかないという絶妙な味加減! もう、いくらでも食べられちゃう!!

後日…

店長さんから一番人気が「ジャンボ海老天重」と伺い、たまらず、後日再訪してしまいました。

現在、期間限定の特別サービスランチとして、この海老天重が1,280円で食べられちゃうんです!(小鉢、漬物、みそ汁付き)

現在、期間限定の特別サービスランチとして、この海老天重が1,280円で食べられちゃうんです!(小鉢、漬物、みそ汁付き)

見てください、このボリューム! 「本当に大きなプリプリの海老が入っているんですね!」と店員さんにお話しすると、「はい。ですので、衣は薄いんですよ」と笑顔で答えてくださいました。

見てください、このボリューム! 「本当に大きなプリプリの海老が入っているんですね!」と店員さんにお話しすると、「はい。ですので、衣は薄いんですよ」と笑顔で答えてくださいました。

藤ヶ谷城跡

藤ヶ谷城は、現在は国道16号線によって分断されてしまっていますが、かつては香取神社を含む広大な城域に存在していました。
鎌倉時代から藤ヶ谷は相馬氏の所領であり(※)、戦国時代には小金城主の高城氏の支配下にありましたが、その家臣に藤ヶ谷修理(しゅり)という人物の名が見られることから、この藤ヶ谷氏が城主であり、相馬氏の一族ではないかといわれています。

※下総を支配した相馬氏のなかでも、元々相馬郡泉村を所領とした一族で、鎌倉末期に陸奥国行方(なめかた)郡岡田村に居館を構えたことから相馬岡田氏といわれることもあります。

藤ヶ谷地区の鎮守「香取神社」。現本殿は安政8年(1835年)に再建されたものです。字名が「城之堀」、南隣が「馬場」であることからも、藤ヶ谷城跡の一部であったことがうかがえます。

藤ヶ谷地区の鎮守「香取神社」。現本殿は安政8年(1835年)に再建されたものです。字名が「城之堀」、南隣が「馬場」であることからも、藤ヶ谷城跡の一部であったことがうかがえます。

拝殿左側奥には、この地から出土した3枚の武蔵式板碑が安置されています。右の板碑が十三仏板碑となっていることから、十三塚とともに、この地域の十三仏信仰との密接な関係が推測されます。

拝殿左側奥には、この地から出土した3枚の武蔵式板碑が安置されています。右の板碑が十三仏板碑となっていることから、十三塚とともに、この地域の十三仏信仰との密接な関係が推測されます。

板碑については、下記の過去の記事もご参照ください。

境内にはたくさんの庚申塔や石祠がありました。

境内にはたくさんの庚申塔や石祠がありました。

本日の推し青面金剛さまはショケラ持ちのこの方。何よりも踏みつけられている邪鬼の表情がたまりません!

本日の推し青面金剛さまはショケラ持ちのこの方。何よりも踏みつけられている邪鬼の表情がたまりません!

入念に庚申塔をチェック。文政8年(1811年)と書かれています。私のこの姿を見た中島隊長から、この後、私に挑戦状が突きつけられるのです…。

入念に庚申塔をチェック。文政8年(1811年)と書かれています。私のこの姿を見た中島隊長から、この後、私に挑戦状が突きつけられるのです…。

後編に続く…

妄想族3人で巡る、藤ヶ谷ちゃーりんぐ。
実は、すでにここまでで、なかじーの想定時間を大きくオーバーするほど、濃厚濃密な旅となりました。
後編は藤ヶ谷中上城跡を経て、涙なしには語れない「村雨丸伝説」からスタート!
ぜひお楽しみに!

↓↓後編はこちらからご覧ください↓↓

濱田家 本店

  • 【住所】千葉県柏市藤ケ谷707
    【電話番号】04-7191-5435
    【営業時間】ランチ(平日および土日)11:00~14:00、ディナー(土日のみ営業)17:00~21:00
    【定休日】月曜日(祝日の場合は営業)

    【お弁当販売】
    火~金曜日 17:00~18:00
    ※天丼、カツ丼、親子丼、各種弁当(生姜焼き・唐揚げ・日替わり魚)(各500円)
    ※から揚げ単品(300円)

ローソン沼南工業団地入口店

  • 【住所】千葉県柏市藤ケ谷1916-1

藤ヶ谷十三塚

  • 【住所】千葉県柏市藤ヶ谷347-2

登慶山 持法院 如意輪寺

  • 【住所】千葉県柏市藤ヶ谷178-1

藤ヶ谷香取神社

  • 【住所】千葉県柏市藤ケ谷686

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※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけ、サービス利用の際はHP等で最新情報の確認をしてください

  • 「ちゃーりんぐ柏」代表石井雅子

    2022年07月04日 16時01分

    コメントありがとうございます。 お客様のことを大事に考えてくださっている濱田家さん、ステキです! 次回は家族と一緒に伺いたいと思います!

  • 「ちゃーりんぐ柏」代表石井雅子

    2022年06月19日 19時20分

    コメントありがとうございます。そうです、ロマンですよね!移動距離、意外と苦にならないんですよ~😊

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この記事を書いたのは…

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「ちゃーりんぐ柏」代表石井雅子

柏生まれ柏育ち。編集者・箏(こと)奏者。市民活動家の両親が2015年前後に他界したことをきっかけに、柏に興味を持つようになる。2021年、柏の歴史スポットを自転車で巡る「ちゃーりんぐ柏」を立ち上げる(2022年市民公益活動団体登録)。2023年5月、補助金申請や情報発信、連携などをサポートする中間支援団体「ジセダイ歴史文化継承研究所」を設立、事務局長を務める。2024年8月柏に特化した観光会社「かしわグリーン観光社」を設立、代表を務める。

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