改めまして、今回はパンの保存方法について書くことにしたいと思います。
購入してきたパン、どのように保管していますか?まずは、まだ焼きたてだったパンを買った場合を想定してみます。
①食パン専門店で食パン2斤を購入、焼きたてだったので薄紙で軽く包んだ状態でいつもの紙の手提げ袋で受け取った。紙袋には保存用のビニール袋が入っていた。
②パン屋さんで食パン1斤、スライスは難しいとのこと。手渡されるときお店の人から「焼きたてなので、袋を開けさせていただきます」と言われた。
①の場合、いつビニール袋に移しますか?
②の場合、いつビニール袋の口を閉じますか?
①の場合も②の場合も、目安となるのはパンの温度です。
とは言え、温度計で計る必要はありません。①の場合、粗熱が取れるまでしっかりと冷ましましょう。「粗熱が取れた」目安としては手で触って熱いと感じない程度、体温と同じくらいの温度。そのくらいまで冷めたらビニール袋に移してください。でもすぐにビニール袋の口は閉じずに、開けておくとよいでしょう。
焼きたてのパンからは、時々湯気が見えることもありますが、湯気はパン内部からパンの外側すなわち空気中に向かって水分は移動している現象です。湯気が上がっているような時は、水分移動がかなり活発に行われている状態、パンの状態もまだ安定していません。
水分移動が活発に行われているうちにビニール袋に入れてしまうと、ビニール袋の中に水分が溜まって、せっかくバリっと焼きあがった外側が蒸れてしまったり、濡れてしまったりします。粗熱が取れるまで冷ますこと、とても重要です。
また、その水分移動は粗熱が取れても止まったわけではありません。自然界では常に水分は多い方から少ない方へと移動しているのです。
ビニール袋に移した後も、しばらくは様子を見て下さい。少し蒸気がたまるようなところがないかどうか確認し、手で触って冷めた、すなわち体温よりも低くなったと感じたらビニール袋の口を閉じましょう。②の場合も同様です。
冷めた後、ビニール袋に入れて口を閉じた方がいいのはパンから空気中に必要以上に水分が放出されないため。水分が抜けてしまうとパンが固くなり、ふわふわと柔らかいというパンの美味しさのもとが失われます。なるべくきちんと口を閉じておきましょう。
常温保存の場合は日の当たらない冷暗所で、買ってきた翌日くらいまで。2日以上保存する場合についてはまた次回書くことにします。
コッペ田島 柏酒井根店
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この記事を書いたのは…
パンコーディネーターAD福地 寧子
一日3食、年間1095食以上パンを食べ続けて四半世紀を過ぎたパン食人。パンの記事執筆、イベント企画、レシピ提案、講義登壇、メディア出演など、パンのおいしさと楽しさをより多くの人と共有すべく活動中。