「まちっと柏」をご覧の皆様、グリフォンです。
こんにちは。
さて、今日3月11日は皆さんの中にも被災された方が多いでしょう、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生した日。もう発生から12年と干支一回りです。
そして、2023年は、近代以降の日本では最大の被害(死者・行方不明者は推定10万5,000人)の関東大震災発生から
100年という節目の年となります。
私は、東日本大震災で帰宅難民となる等大変な思いをして以降、地震を初めとした災害について考えることが増えました。
昨年も同じような記事を書いています。
今年はこれから一歩踏み込んで、防災だけでなく、減災についても考えてみたいと思います。
★今回の執筆にあたり、柏市役所危機管理部防災安全課の方々にご協力いただきました。ありがとうございました。
災害は必ず発生する。減災に力をいれよう
皆さん、「減災」って知っていますか?
防災は聞いたことがある方も、減災という言葉を知らない方が多いかもしれません。
減災とは災害被害を最小限に抑えるための備えのこと。
1995年に発生した阪神淡路大震災の経験から生まれた取り組みだそうで、
「災害、または災害による被害は生じるもの」という考えを前提とし、その被害を最小限に抑えるために備える事前対策だそうです。
日本は下記の通り、年間20件以上も災害が発生する「災害大国」。
4年毎に数値がまとまっているので見づらいですが、毎年に換算すると5件以上は発生している計算になります。
日本だけでなく世界的な異常気象も相まって台風や熱波、豪雪などが増えていることも関係しているかもしれませんが、それでも日本は災害が毎年のように発生しています。そうなると、どんなに被害を想定して建物を建設していてもその想定を超えた災害が発生するのではないでしょうか?
自然災害の予測も困難ですし、発生したら発生したで被害規模が大きく「激甚災害」に指定される事も多くなりました。
自然災害の発生率が高い日本において、減災の取り組みこそが重要です。
そんなわけで、阪神淡路大震災や東日本大震災以降は、これまでの防災意識や取り組みの問題点を補うため、より合理的で現実的な減災が重要視され、各都道府県、市町村レベルで用意されるようになったようです。
内閣府でも減災の取り組みとして、以下の7点をポイントとしています。
1.自助・共助
2.地域の危険を知る
3.地震に強い家
4.家具の固定
5.日頃からの備え
6.家族で防災会議
7.地域とのつながり
出典:減災のてびき
柏市でも減災で検索してみるとこんなドキュメントがヒットしました。
Microsoft Word - 柏市防災アセス報告書_Ⅲ減災対策_物資修正版.docx
柏市での減災の取り組み
柏市での減災の取り組みですが、例えば「地域の危険を知る」では「柏市防災ガイドブック」というツールを配布したり、ダウンロードできるようにしています。
この柏市防災ガイドブック、2022年4月から配布を開始したものということなので、ひょっとしたら知らない方もまだまだいらっしゃるかもしれません。
これは平常時と災害時の行動マニュアル、備蓄品および非常時持ち出し品チェックリスト、携帯型防災カードを盛り込んだ、多機能型のガイドブックだそうです。
柏市役所や柏市内の近隣センター、湘南庁舎で配布しています。
なお、配布しているガイドブックはダウンロード版と違い、ハザードマップも一緒についているそうですよ!
減災の取り組みの一つ「日頃からの備え」は防災対策でよく言われる以下の持ち物が重要ですね。
子供を持つママパパの強い味方!「ママパパBOUSAIライフ」
さて、先程内閣府が挙げた7つの減災ポイントの一つ「地域とのつながり」について、
子供を持つ若いママパパに強い味方が柏市にいらっしゃることがわかりました。
それが「ママパパBOUSAIライフ」という柏市民公益活動団体です。
今回お急がしい中、「ママパパBOUSAIライフ」代表の坂上様に、お話をお聞きいたしました。
坂上様には感謝いたします。
以下、坂上様にインタビューさせていただきました内容です。
Q.今回はお忙しい中取材にご協力いただき、ありがとうございます。「ママパパBOUSAIライフ」の活動内容について教えてください。
A.「ママパパBOUSAIライフ」は2020年9月に設立したのですが、コロナ禍の時期とも重なり、これまでオンラインを中心に活動してきました。
私たちサークルは防災サークルとして活動していますが、防災の専門家は一人もいません。ごく普通の子育て中のママたちが、有識者にお話を聞いたり、情報交換をしながら、
防災について学んでいます。だからこそ、ママならではのアイデアも出てくるし、防災関係の話から子育て相談に発展することもしばしば。
みんなが同じ高さの目線で、子育て世代のリアルがそこにある!と私は思います。
Q.素晴らしいですね!防災・減災というと男性が行うもの、というイメージもあるかと思いますが、女性ならでは、ママならではのアイデアや気づいた点というのも出てきますよね。
ママパパBOUSAIライフ様のサイトを拝見しましたところ、避難用サコッシュというのもオリジナルで作ったのだとか・・・。
A.はい。こちらは通勤バッグや、マザーバックに入れて普段から持ち歩く防災グッズです。
一例としては、中身は以下のようなものです。
・アルミブランケット
・栄養補助食品
・鎮痛剤などの常備薬、絆創膏
・ワセリン
・モバイルバッテリー
・モバイルバッテリーの接続コード
・紙のアドレス帳
・ライト
Q.なるほど。確かにこれらの道具を普段から持ち歩いていれば外出先で被災しても安心ですね!紙のアドレス帳というのが気になりました。こちらは?
A.被災時、スマートフォンが使用できるとは限りません。基地局と呼ばれる建物やアンテナが倒壊すると圏外になってしまいますし、バッテリーが切れたりスマートフォン自体が災害の影響で壊れて使用できなくなってしまう事も多いです。そうなると、スマートフォンの中に蓄えていたアドレス帳も見れなくなってしまい、親や近所の方に連絡を取ることもできなくなる可能性があります。今は電話番号を覚えている人、少ないですよね?
また、災害時にに開設される災害伝言ダイヤルを使用する際にも、メッセージを残したい“相手の電話番号”が必要になります。こういった時にも役立つんですよ。
Q.なるほど!私も妻の電話番号と実家の電話番号くらいは覚えていますが、その他の番号は覚えていないですね・・・。そういった場合に紙のアドレス帳に緊急連絡先などを控えておけば役立ちますね!
それに、災害伝言ダイヤルは相手の電話番号を覚えてないと"しまった!"と思ってしまいますね。
Q.その他にも作成している防災グッズがありますか?
A.はい。私たちのこれまでの活動で得た知識や、アイデアが詰まったパンフレットを2種類発行します。
子連れで避難する際の判断基準や、避難する時にやった方が良いことをまとめた
『みんなで作るBOUSAIノート』
家族と離れた時に被災した場合に備えて持っていたい『BOUSAIカード』は、大人用と子ども用で、内容をあえて変えています。
子ども用は、迷子の時にも使えるようにしました。
Q.すごいですね。今までにはない気づきです。『みんなで作るBOUSAIノート』、『BOUSAIカード』はイベントで配布するとお聞きしました。
A.はい。3/21、春分の日に柏駅前のハウディーモールで開催される『ぽかぽか市』に参加します。
そこで、前述の『BOUSAIノート』と『BOUSAIカード』を配布する予定です。
また、フリーマーケットも開催するので、ぜひ遊びにいらしてください。
Q.おおお!それはすごい。ぜひ取材に行きたいと思います。最後に、「ママパパBOUSAIライフ」が考える防災で大切なこと、を教えてください。
A.はい。ネットやSNS、本など、防災に関する情報はたくさんあります。
しかし、各家庭によって家族構成や生活リズムが違うので、必要になるアイテムや情報は違ってくるはずです。
だから、必ず“我が家だったら”、“私だったら”、と考えることを大切にしています。
Q.確かに、全ての家庭が十人十色、構成や生活リズム、住む場所や性格など様々な要因でアイテムや情報を取捨選択するのは大切ですね!
私も、自分と妻が被災したら、という原点に立ち戻って考えてみたいと思います。
今回はお忙しい中、本当にありがとうございました!イベントでまたご一緒させてください!
URL: ママパパBOUSAIライフ
これから9月まで毎月東葛地域の防災・減災について寄稿します。
今回は減災についての基本的な考え方と、柏市の減災の取り組みについて簡単にご紹介いたしました。
柏をはじめ、我孫子、流山、松戸、野田の各市にもご協力をいただき、現在情報をまとめております。
これから9月まで毎月1本、「減災を考えよう」という連載を行いますのでご興味のある方はお楽しみに!
さて、次回のまちっと柏は?
次回は、予告通り「わとか食堂」の社長、高野紀子さんのインタビュー記事をご紹介いたします。
お楽しみに(๑•̀ㅂ•́)و✧
参考リンク
気象庁|「関東大震災から100年」特設サイト
関東大震災映像デジタルアーカイブ
「関東大震災100年」 特設ページ : 防災情報のページ - 内閣府
防災対策 - 柏市
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※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけ、サービス利用の際はHP等で最新情報の確認をしてください
この記事を書いたのは…
東葛地域アンバサダーグリフォン
「#柏を盛り上げよう運動」で、柏市民に柏の街をもっと好きになってもらうための活動をしています。カメラを通した柏の息吹を、みなさんにお伝えできるよう日々撮影中。自分たちの住んでいる街をもっと好きになりたいと思いませんか? そのお手伝いをいたします!