毎年8月16日に、柏市の西光院でおこなわれる「篠籠田の三匹獅子舞」。
筆者は3年前に拝見して以来、この行事は、夏の欠かせない楽しみとなりました!
千葉県の無形民俗文化財に指定されている三匹獅子舞の見どころを、昨年の写真とともにご紹介しましょう。
※2024年の篠籠田の三匹獅子舞については、台風の影響により、8月15日午前、中止が決定しました。
↓↓「篠籠田の三匹獅子舞」については過去の記事もご参照ください↓↓
URL: 【柏】篠籠田の夏は子どもも大人もアツイ! 華麗! 県指定無形文化財「三匹獅子舞」
見どころ〈その1〉「猿舞(さるまい)」ホー!
篠籠田の三匹獅子舞の起源は元禄時代(1688~1704年)にさかのぼり、稲作が盛んだったこの地で、雨ごいのために始まったといわれます。
冒頭では、猿・狐・ひょっとこの面をつけた大人や子どもたちが登場。
お囃子に合わせて軽快に踊る「猿舞」を披露します。
明るいお囃子のメロディーとフレーズの終わりの「ホー!」というかけ声。この日はきっと寝るまで頭の中で鳴り響きますよ~!
終盤では「塩まき」がおこなわれ、この塩を浴びると、一年間病気をしないといわれています。
見どころ〈その2〉「女獅子」に胸キュン!
三匹獅子舞のはじめには、女獅子(めじし)が登場。
女獅子の特徴は、小さな1本の角と赤い布です。
頭を左右に振りながら、ゆっくりと舞台をまわる様子に、キュンキュンしてしまうのは私だけでしょうか??
女獅子が対峙している「花笠」は牡丹の花をあしらったものです。
途中まで白狐も登場。何を企んでいるんでしょう? それは見てのお楽しみ!
見どころ〈その3〉「中獅子」と「大獅子」、どちらがタイプ!?
女獅子の次に登場する「中獅子」は若い男性、最後に登場する「大獅子」は獅子一族の長です。
男性の獅子は、角が2本、ひげと牙があるのが特徴。
「中獅子」の力強い舞い、「大獅子」の貫禄ある舞い、皆さんはどちらがタイプですか?
「中獅子」。この背後でほかの獅子たちがお腹に装着した太鼓を打ち鳴らし、「篠籠田の三匹獅子舞保存会」の方々が、彼らをうちわで扇いでいます。
「大獅子」。水を支配する龍神信仰から、篠籠田の獅子は龍頭となっています。
見どころ〈その4〉お囃子は地元の小学生が中心!
お囃子のメンバーは、柏第七小学校にあった伝承クラブ・伝承部の出身者、現在七小の通う児童の有志。
さらに、今年から近隣の高田小学校の児童も参加しています。
「活動の範囲を広げて地域で支えるような体制を作っています」と保存会顧問の小田山博史さん。
「今年は中学生になり小学生に教える立場となりました。例年以上にパワーアップした笛の音で猿舞と獅子舞を盛り上げたいと思っています」と3年目の川島杏さんは意気込みを語ります。
最後に「念仏」という和歌を全員で詠じます。「大寺の香の煙は細けれど天にかえりて黒雲となる」。この行事に携わる人たちの思いが胸に響く瞬間です。(この写真のみ一昨年のもの)
今年の夏は篠籠田の三匹獅子舞を!
300年続く伝統芸能の洗練された美しさ。
夏の暑さ以上に、この伝統芸能を守る人たちの思いの熱さ。
8月16日(金)は、そんな柏のステキに出会いに、ぜひ西光院にお運びください!
牡丹の名所といわれる西光院。ふだんは静寂なこのお寺が、8月16日はエネルギッシュな舞台に変わります。
篠籠田の三匹獅子舞
- 【会場】西光院
【住所】千葉県柏市篠籠田1214
【開演時間】15時頃から
【アクセス】柏駅西口バスターミナルより、東武バス[高田車庫][国立がん研究センター][柏の葉キャンパス駅西口]行き、「三間(さんげん)」下車、徒歩3分
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この記事を書いたのは…
「ちゃーりんぐ柏」代表石井雅子
柏生まれ柏育ち。編集者・箏(こと)奏者。市民活動家の両親が2015年前後に他界したことをきっかけに、柏に興味を持つようになる。2021年、柏の歴史スポットを自転車で巡る「ちゃーりんぐ柏」を立ち上げる(2022年市民公益活動団体登録)。2023年5月、補助金申請や情報発信、連携などをサポートする中間支援団体「ジセダイ歴史文化継承研究所」を設立、事務局長を務める。2024年8月柏に特化した観光会社「かしわグリーン観光社」を設立、代表を務める。