【東葛】親亡き後どうする?東葛医介塾 新開千世さんへインタビュー

こんにちは、流山市在住2児の母 まちっと柏編集部のtoriemaです。

東葛医介塾 新開千世さんへインタビューをさせていただきました。

「医介塾」を知らない方も多いと思うのでまずはご説明します。

 

医介塾とは?

医介塾の説明は下記をご覧ください。

医介塾は、地域の医療や介護、福祉に携わる方々の職種を越えた交流会です。
「塾」と名乗っておりますが、ここは自由なコミュニケーションの場です。

職種ごとの研修会や、地域の会議、医療機関や介護事業所主催の勉強会は数あれど、単純に地域の輪を広げる会は、なかなか存在しません。

そこで医介塾では、色々なコミュニケーションを図るために、飲みにケーションを図ることで、顔の見える関係からさらに一歩進んだ関係を構築出来る会です。

参照元:一般社団法人医介HP

新開千世さんは、2年前に東葛医介塾を立ち上げることにしました。

きっかけは、看護師と介護福祉士を両方とも経験し、

社会的に包括したサービスを提供できなければ、社会的弱者とされる方たちを本気で支援できないと感じたからだそうです。

▼東葛医介塾について
新開千世さんの紹介

 

 

医介塾をするきっかけは?

toriema医介塾をするきっかけを聞かせてください!

 

新開医介塾をするきっかけは「地域包括」の切り札と考え立ち上げました。

地域包括とは、住まい、医療・介護、予防、生活の視点で一体的に支援しようという考えを指します。

高齢者、障害者と名前が付けられていますが、地域で暮らす一生活者ですよね。

しかし、介護サービスや障害サービスに従事している人は、医療や介護サービス以外の連携やつながりがないのが現状です。

例えば、相続で悩んでいる高齢者にとって相続の相談ができる弁護士等の士業や、

最期の思い出に旅行に行きたい等、その方を支援するのは医療介護従事者だけではないですよね。

医療介護従事者や士業、終活に関連する様々な職種、生活者を支援する方々の交流会ですので、

それこそ飲食業や娯楽等のエンターテイナーの方もいます。

例えば落語家の方など。

東葛地域での高齢者や障害者の暮らしが発展するように、この交流会を主催しています。

ちなみに、公的機関や専門職による制度に基づくサービスや支援のことをフォーマルサービスと言い、

家族や友人、地域コミュニティなどによる保険を用いない支援をインフォーマルサービスといいます。
(簡単に言うと、フォーマルサービスとインフォーマルサービスの方々の交流会ですね。)

 

toriema地域包括」という視点とても大事なことですよね。

東葛地域でそんな素晴らしい交流会があるということを今まで知らずにいました。

 

 

東葛医介塾はどんなところ?

東葛 医介塾 交流会

会場は柏のLong tall sally。キッシュが絶品だそうです♪

toriema:実際、東葛医介塾はいつもどんな様子なのでしょうか?

 

新開2時間半の会ですが、前半の30分はそれぞれの分野でご活躍されている方のミニセミナー。

残りの2時間が美味しいお食事とお酒も楽しめる懇親会です。

やはり、世のため人のためという方々が集まっているので、とても良い雰囲気です。

どうゆう課題を抱えていて、それにアプローチできる方と出会えるチャンスがありますし、皆様の熱量がすごいんです。

それでいて謙虚といいますか、ガツガツとした営業ではなく、

相手のために力になりたいという思いが溢れている、そんな温かい場ですね。

たくさんの協働を見ることができたので、実は私が一番楽しんでいると思います(笑)

 

 

東葛医介塾で解決したい問題って?

toriema:これまで、東葛医介塾で様々な意見交換がされてきたと思いますが、その中で特に解決したいと思う問題はありますか?

 

新開:たくさんありますが…

最近は8050問題をとても深刻に考えています。

8050問題は、80代の親が50代の子どもの生活を支えるために経済的・精神的な負担を負う社会問題のことを言います。

子どもの自立が困難なため、親の年金に頼って生活し、困窮した生活を送っている方が少なくありません。

 

toriema:50代の子どもはなぜ自立せずにいるのでしょう?

 

新開:それは歴史を読み解いていくと分かります。

実は日本では、30年以上引きこもりという人が引きこもりの割合の70%を占めていて、

生きづらさを抱えた人が長期間家に引きこもり自立ができていない状態にいます。

30年の間に色々と支援に入れたらいいのですが、なかなか機会を持てない方が多いです。

なので、支えていた唯一の親が老いて子どもを支えられなくなってから、わたしたち支援側が気づくということが各地で起きているのです。

 

toriema:ええ!そんな問題があったのですね。

支援する側も30年間引きこもりだった方とコミュニケーションをとっていくのは、相当大変なことですよね。

 

新開:そうなんです。引きこもる理由はいろんな問題が隠れていますが、発達障害を持つ方も多くいると考えています。

 

 

親亡き後をどう考える?身元保証サービスとは

親亡き後 8050問題

toriema8050問題の後にでてくるのが、親亡き後ですよね。

親亡き後について新開さんはどのように考えていますか?

 

新開実は…以前支援していた50代男性の方が、体重が30㎏台になり心配した近所の方が通報をしたことがありました。

ご自宅には、数か月前に亡くなったお母様が見つかったそうで、『親が亡くなった後どこに連絡すればいいのかわからなかった』とその方は言ってたそうなんですね。

その後逮捕され、更生施設に入所し、医療機関にかかるのですが、なんとそこで初めて発達障害の診断が下りたんです。

この話は一例にすぎませんが、8050問題はとても根深い問題があります。

親亡き後の問題はより解決を急がなくてはいけないため、わたしも先日より「一般社団法人いきいきライフ協会かしわ」を立ち上げ、身元保障サービスをスタートさせました。

 

toriema:身元保障サービスは具体的にどんなサービスなのでしょう?

 

新開身元保証サービスとは、高齢者や身寄りのない人、子どものいないご夫婦を対象に、

入院や施設への入所や賃貸住宅への入居の際に身元保証人の役割や、入院先での医師とのやりとり、入退院の手続きなどの支援をします。

ご本人が亡くなったときは、死亡確認や死亡診断書の受け取りや、葬儀社への手配、葬儀費用の支払い、死後のライフラインの解約手続き、住んでいたお部屋・施設の片付け、各行政手続きなどもします。

このサービスは、親亡き後の遺された子ども(と言っても50代以上を想定していますが)、今まで頑張って生きてきた親御さんも対象としています。

身元保障サービスを使うことで、親子で共倒れという最悪の事態を防ぐことにつながるので、すぐにでも普及させたいサービスだと思っています。

 

toriema:分かりやすい説明をありがとうございます。

親子で共倒れになる前に社会とのつながりを持たないといけないですよね。

親亡き後の問題を身元保障サービスでなんとか食い止めたいですね。

 

 

きっかけは同級生ゆりちゃん。医療×福祉で街を元気にしたい!

toriema8050問題親亡き後、初めて聞く話ばかりでとても興味深く聞かせていただきました。

そもそも新開さんが医療×福祉で包括的に支援したい!と思うようになったきっかけはあったのでしょうか?

 

新開わたしの小学生の頃の同級生のゆりちゃんと出会ったことがきっかけでこの業界に入りました。

ゆりちゃんは知的障害と自閉症の障害を抱えていました。

知的障害と自閉症の重症度が重いと強度行動障害という症状があるのですが、いわゆる重度の障害でした。

でも小学生ながら、わたしはゆりちゃんを「助けたい」という思いが強く、

将来はゆりちゃんみたいな子たちの支援したいとアツい気持ちを持っていました。

ゆりちゃんはいつもクラスの中心人物で、わたしだけでなくみんなでゆりちゃんを守ろうという気持ちが働いていて、とても良いクラスでしたよ。

 

toriema:発達障害だからといって蚊帳の外にせず、クラス全員でゆりちゃんを守ろうという姿勢、とても素敵ですね。

 

新開:そうなんです。地域で助け合う心はみんなにもきっとあるはずなんです。

わたしもそういった経験を通じ、地元で医療だけ、福祉だけではなく包括的な視点で街を元気にしたいと思っています!

同級生ゆりちゃん

同級生ゆりちゃんと一緒に♪

 

 

ゆりちゃんは今どうしている?

新開さんへインタビューをした後、ゆりちゃんが今どうしているかお母様に聞いてくださいました。

 

新開:ゆりちゃんは、お母さんが設立した生活介護にて日中を過ごしています。

今では全盲になっていますが、今までの生活があるのでご自宅では大きな事故もなく過ごせています。

また、行き慣れた支援先があるので、グループホームに入所しなくてもお泊りはできているそうです。

懐かしい写真を載せますね。

社会人になってふとゆりちゃんの顔が見たくなり、会いに行ったときの写真です。

同級生ゆりちゃん

大人になった2人(左上:新開さん 左下:ゆりちゃん 右下:ゆりちゃんのお母様)

 

 

最後に伝えたいメッセージはありますか?

toriema:新開さん、お時間たっぷりお話しいただきありがとうございました。

最後に今困っている方へ伝えたいメッセージはありますか?

 

新開:最後に一つだけ。

子どものために何を残してあげられたらいいか?」と親御様によく聞かれます。

お金?家?

私が必ず答えるのは、【ご本人をちゃんと考えてくれる支援者へたくさん繋げてください。】です。

お子様をご自分だけで守り、関わり続けるのではなく、たくさんの支援者と出会ってください!

自分の亡き後もお母さんの思いを引き継いで見てくれます。

本人にとっての支援者、相談者、守ってくれる存在をつくること。

私はそれが1番だと実感しています。

 

toriema:ありがとうございます。

支援者へ繋げることとても大事なことですよね。

今回は東葛医介塾 新開千世さんのインタビューでした。

みなさん最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

一般社団法人いきいきライフ協会かしわ

Long tall sally【ロングトールサリー】

★この記事が気になったり、いいね!と思ったらハートマークやお気に入りのボタンを押してくださいね。

※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけ、サービス利用の際はHP等で最新情報の確認をしてください

  • facebookシェア
  • twitterシェア
  • LINEで送る

ライター一覧

この記事を書いたのは…

author avatar

まちっと編集部toriema

流山市在住。2歳と4歳の子供を持つ母。流山・柏・松戸エリアの子育て情報をメインに発信していきます★

公式LINEバナー

north