【柏】柏市役所本庁舎がフリーアドレス化。気になる市民サービスへの影響は？

2023年12月7日

「まちっと柏」をご覧の皆様、東葛地域アンバサダーのグリフォンです。
こんにちは。

柏市民の方なら一度はご利用になったことがある柏市役所。今回はこちらのお話です。

柏市役所は12月より庁舎に固定の席を設けずに空いている席を職員が都度選べる「フリーアドレス」の導入を始めました。

フリーアドレスの導入を決定した、ではなく「導入を始めた」とのことです。

これは驚きました。速報でご紹介します。

メリット・デメリットがそれぞれ存在のフリーアドレス化。

千葉県柏市では11月よりフリーアドレス化に伴う庁内のレイアウト改革が始められ、すでに稼働し始めているようです。
ニュースソースは千葉日報のこちらからどうぞ。Yahoo砲も飛んでいますね。
柏市役所、職員の席を自由化　４部７課で「グループアドレス制」導入　部内外連携、業務効率化へ | 千葉日報オンライン
対象は本庁舎3階の「広報広聴課」など4部7課。
対象の課では個人の机が原則なくなり、代わりに大型テーブルが配置されたようです。

庁舎内のインターネット接続を無線LAN化するのと合わせて行われた大規模なDX計画の一部ですね。
かかった費用は約1,600万円ほど。

IT企業にはよくあるフリーアドレスのオフィス。
「お堅い」イメージで知られる役所で導入されるのは珍しいですよね。
と思って調べてみたら、実は環境省でも2022年よりフリーアドレス化を始めています。

URL：環境省はフリーアドレス化でこうなった。“資料が山積み”の霞が関は変わるのか？ | Business Insider Japan

フリーアドレスは誰がどこにいるかわかりにくい、書類・持ち物の管理が難しいといったデメリットを挙げる方もいらっしゃいますが、スペース効率利用や部署の垣根を超えた横連携のコミュニケーション推進といったメリットもあります。

私が所属している会社も本社移転を機にオフィスをフリーアドレスにしましたが、他部署の人たちと話す機会が増えたりスペースも広く、窮屈に思えたオフィス空間がとても広く感じられるようになりました。

テーブルやイスもクッション付きや高さ自動調節機能付き、バランスボールチェアやカフェのようなものなどバラエティに富んでいて、出社するたびに毎回場所を切り替えてリフレッシュできています。

フリーアドレスにしても失敗する会社は、大体においてフリーアドレスの目的を共有していなかったり、固定メンバーが集まってしまったり、書類の電子化をせぬまま形だけフリーアドレスにしてしまったりといった準備不足による原因であることが多いです。

DX推進課が進めた今回のフリーアドレス化、もちろんこのような失敗談も参考にしているのでしょう。

個人情報を取り扱う際に必要な防音設備が施されたブースが設置されたり、行政サービスの相談などに来る住民により迅速に対応できるよう、各課の窓口に専用の席も設けるなど、ちゃんと考えられているようです。

書類もロッカーで管理しており、紛失の恐れをなくすようにしているとのこと。

DX化には強力なリーダーシップとしっかりとした計画が必要

柏市では、企画部DX推進課が中心となって「柏市DX推進ガイドライン」というガイドラインを計画し、公開しています。

★DX＝デジタルトランスフォーメーション＝デジタル技術を日常のなかに浸透させることにより，
⼈々の⽣活をあらゆる⾯でより良い⽅向に変化させること。

DX推進課が旗振り役となり、3年計画で「つながる市役所」の実現に向けた施策を実行しており、今回のフリーアドレス化もその一部です。

フリーアドレス化以外にも行政サービスのオンライン化やSNSによる広報活動の拡充、ペーパーレス活動や庁内の意識醸成など様々な計画が動いているようです。

このガイドライン、リンクを貼っておりますのでご興味のある方はどうぞ。

URL：柏市DX推進ガイドライン 2022-2025 2022年度進捗報告

旧態依然とした体制では新しい考えは生まれない。成果が見えてくるのはこれから。

このフリーアドレス化、Yahooにも新聞記事のニュースが転載されており、さっそく批判コメントが多く寄せられているようです。

おそらく市役所職員の中でも反対をしている（た）方は多数いることでしょう。

ですが、目的意識をもってこういった新しい試みをするのは一市民として素直に評価したいと思います。

「予算の使い道としてもっと優先的にまわすところがあったのでは？」
「行政サービスに影響が出るに決まっている」
「個人情報を扱うのにフリーアドレスで不安だ」

・・・批判をするのは簡単です。ですが、この批判は本当に的を得たものなのでしょうか？

フリーアドレス化による成果はこれから2年程度で見えてきます。

どのような成果が出たのか、それはこれからの市政で評価するべきではないでしょうか？