【柏市】温もりと懐かしさと安らぎと。小川兄弟写真展「極彩四季」@中村順二美術館で旅に出かけよう!

【柏市】温もりと懐かしさと安らぎと。小川兄弟写真展「極彩四季」@中村順二美術館で旅に出かけよう!

柏市のガイドブックの写真なども手掛ける、柏市を拠点に活動する写真家ユニット「小川兄弟」。

昨年の開催されたパレット柏での展覧会もスタイリッシュな展示で魅了されましたが、今回は、私が大好きな美術館のひとつ・中村順二美術館での開催ということで、たまらず初日に訪問。

兄の元貴さんと弟の晃希さんにお話をうかがいました。

↓↓昨年の小川兄弟写真展についてはこちらをご覧ください↓↓

国道16号沿いの大津ヶ丘にあるオシャレな中村順二美術館。カフェも併設されています。

国道16号沿いの大津ヶ丘にあるオシャレな中村順二美術館。カフェも併設されています。

小川兄弟×中村順二美術館

――今回なぜ中村順二美術館で開催することになったのですか?

弟・晃希さん:昨年、館長の中村勝先生の取材で伺ったとき、この空間と先生のお人柄に魅かれて、「来年、やらせていただいてもいいですか」とお尋ねしたら、「いつでもいいよ」と言ってくださって。

兄・元貴さん:こんなに温かみのあるギャラリーは初めてです。

――実際、展示してみていかがですか?

晃希さん:めっちゃいいです。漆喰の壁の色、梁。あと、自然の匂いがするところも。

元貴さん:僕たちの写真がふだんと違って見えてきますよね。ここに飾りたいという観点で30点の写真を選びました。

展示作業がひと段落して打ち合わせ。手前が兄の元貴さん、奥が弟の晃希さん。

展示作業がひと段落して打ち合わせ。手前が兄の元貴さん、奥が弟の晃希さん。

兄弟のイチオシ

――お二人のイチオシ展示エリアを教えてください。

晃希さん:明るい写真を選んだ奥の壁面が好きですね。自然界のやさしい面が感じられて、鮮やかな色も白もあって。

元貴さん:僕は反対側のテーブルとの調和ですね。大きい写真の隣りには小さな写真を選びました。それと、花があったり、小窓から光が入ったりしているところも好きですね。

晃希さんのイチオシ展示エリア。黄色のお花畑の写真は柏の有名な観光スポット!

晃希さんのイチオシ展示エリア。黄色のお花畑の写真は柏の有名な観光スポット!

元貴さんのイチオシ展示エリア。カメラのフレームにおさめてみると、元貴さんらしい構図!と納得。

元貴さんのイチオシ展示エリア。カメラのフレームにおさめてみると、元貴さんらしい構図!と納得。

「極彩四季」とは?

――タイトルの「極彩四季」は毎回使われているんですね。

晃希さん:「極彩色」という言葉から作った造語なんです。四文字だとおさまりがいいということで「四季」に。

元貴さん:元々、この4枚の作品(下記写真)が「極彩四季」だったんです。でも、僕たちの作品はどれも四季を扱っているので、作品全体のタイトルとして使うようになりました。

――東山魁夷の絵画を思い出すような光景ですね。

元貴さん:長野県の御射鹿池(みしゃかいけ)で撮ったものなんですが、実際、東山魁夷の「緑響く」は御射鹿池をモデルに描かれたそうですよ。

晃希さん:冬は池に氷が張って雪が積もってしまうので、地元の方でもこの景色はなかなか見られないと話していました。完成するまでに、5年もかかったんですよ。

――実際、こんなに色が違うんですか?

晃希さん:明るさの調整はしていますが、色は実際の四季の色なんです。

御射鹿池の四季を撮った写真。左上が夏、右上が秋、左下が冬、右下が春。冬の写真をよく見ると、つがいのカモが2羽泳いでいるのが見えます。

御射鹿池の四季を撮った写真。左上が夏、右上が秋、左下が冬、右下が春。冬の写真をよく見ると、つがいのカモが2羽泳いでいるのが見えます。

筆者のイチオシ

――今回も満月の作品が展示されていますね。

元貴さん:他の作品と迷ったのですが、やはりこの会場だとこれかなと。

晃希さん:初めてこの作品を展示したとき、理解されないだろうと思っていたのですが、刺さる人には刺さるみたいで…。

――以前、画家・高島野十郎の作品「月」の話題で盛り上がりましたが…。

晃希さん:ちょうどこの美術館に図録があったので、置いてみました(笑)。

――最後に一言!

晃希さん:僕たちの展示のコンセプトが「“写真展に行く”ではなく“旅に行く”」なので、それぞれの土地の空気や光を感じて、旅行気分を味わっていただけたら嬉しいです。

元貴さん:中村順二美術館は落ち着いた温かい空間なので、いろいろとお話ししながら、くつろいでいただければと思います。

美術館に置いてあった野十郎の図録を片手に、月山(がっさん)で撮影した作品について説明してくださる晃希さん。

美術館に置いてあった野十郎の図録を片手に、月山(がっさん)で撮影した作品について説明してくださる晃希さん。

白黒のコントラストの究極の美しさは、芸術家たちの想像力をかきたてるのでしょうか。

白黒のコントラストの究極の美しさは、芸術家たちの想像力をかきたてるのでしょうか。

終わりに

会場の写真を撮影していたとき、人物がフレームの中に入っている方が、しっくりくることに気づきました。

ここは人の温もりがあってこその空間なのではないか…。

夭折の画家・順二さんのお人柄にも触れたような気がしました。



↓↓中村順二美術館についてはこちらの記事もご参考になさってください↓↓

旅から戻ったら、併設している「カフェ・アルテ」で一休み。お疲れ気味の方は天然カフェインがたっぷり入った「ガラナジュース」を!

旅から戻ったら、併設している「カフェ・アルテ」で一休み。お疲れ気味の方は天然カフェインがたっぷり入った「ガラナジュース」を!

カフェコーナーには、順二さんの色彩豊かな作品も飾られています。

カフェコーナーには、順二さんの色彩豊かな作品も飾られています。

今回の写真展の案内カード。展示してあるこの作品、水の冷たさまで感じるようでした。

今回の写真展の案内カード。展示してあるこの作品、水の冷たさまで感じるようでした。

小川兄弟 写真展「極彩四季」

  • 会期:2025年6月4日(水)~ 6月15日(日)
    会場:中村順二美術館(柏市大津ヶ丘1丁目41-5)
    開館時間:10時~18時
    休館日:月曜日、火曜日
    作家在廊予定日:6月4、5、7、8日、ほか不定期
    アクセス:東武バス「大津ヶ丘団地」下車徒歩5分、駐車場あり
    ※入場無料・写真撮影可

★この記事が気になったり、いいね!と思ったらハートマークやお気に入りのボタンを押してくださいね。

※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけ、サービス利用の際はHP等で最新情報の確認をしてください

  • facebookシェア
  • twitterシェア
  • LINEで送る

ライター一覧

この記事を書いたのは…

author avatar

「ちゃーりんぐ柏」代表石井雅子

柏生まれ柏育ち。編集者・箏(こと)奏者。市民活動家の両親が2015年前後に他界したことをきっかけに、柏に興味を持つようになる。2021年、柏の歴史スポットを自転車で巡る「ちゃーりんぐ柏」を立ち上げる(2022年市民公益活動団体登録)。2023年5月、補助金申請や情報発信、連携などをサポートする中間支援団体「ジセダイ歴史文化継承研究所」を設立、事務局長を務める。2024年8月柏に特化した観光会社「かしわグリーン観光社」を設立、代表を務める。

公式LINEバナー

north