あけましておめでとうございます。まちっと柏編集部のあしゅです。
今回は読者の方から寄せられたオススメの本をご紹介します。
「第34回三島由紀夫賞受賞の乗代雄介さんの『旅する練習』は我孫子駅から鹿島スタジアムまで歩いて旅するもので実際に歩いて取材している感じがとてもすばらしい」(エテル)
我孫子から鹿嶋まで歩く…? 早速読んでみました。
“旅する練習”が意味することを考える、なんとも言えない読後感
物語の始まりは、2020年3月。新型コロナウイルスがじわじわと広がりを見せ、世間にもどことなく不穏な空気が流れ始めていたころ。
中学受験を終えたサッカー少女・亜美と、その叔父の小説家が、「合宿所から持って帰ってきてしまった本を返す」という目的をもって、我孫子から合宿所のある鹿嶋まで歩いて旅する様子を描きます。
亜美はリフティングの練習を、叔父は目にする景色を描写しながら歩を進める中、ひょんなことから出会ったのは、進路に悩む大学4年生のみどり。
3人は交流を深め、三者三様に少しずつ未来を見据え成長していくさまが温かく描き出されています。
描写される景色は、自然豊かな手賀沼、鳥の博物館など、東葛エリアに暮らす人ならばリアルに目に浮かぶ景色ばかり。
読んでいる自分も一緒に歩いているかのような感覚になっていきます。
最後の1ページの展開に、心をぐしゃっとつかまれたような、なんとも言えない気持ちになり、読後は少々その世界を引きずってしまいました。
レビューを見てみると賛否両論があるようですが、私はこの1ページがあったことで忘れられない1冊になりました。
地元が舞台になっている、それだけではない何かが心にじんわり来るはず。
みなさんの心にはどう届いたか、感想を語り合いたくなる1冊です。読んだ人はぜひコメントで教えてください!
「旅する練習」(乗代雄介)
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この記事を書いたのは…
まちっと編集部あしゅ
ご当地キャラクターとアイドルが好き。気になるものはすぐにやってみたい・調べたいフットワークの軽さが持ち味。プロフィール写真は変身写真。普段はいたって普通の人です。