上の写真のかわいい「ハートのぐい吞み」、なんと一枚の金属から作られているんです!
製作したのは、同じく右の写真の金工作家・宮田琴さん。
「鍛金」という金属の板を叩いて成形する伝統技法で、ぬくもりのある作品を製作し、代表作のひとつであるコーヒードリッパーは柏市のふるさと納税返礼品に認定されています。
この「ハートのぐい吞み」のかわいさ・美しさにひかれて、初めて宮田さんにお会いしたのが、昨年の桜が咲くころ。
今年の春は、そんな“大人カワイイ”を自分の手で作ってみたくて、宮田さんのアクセサリー作りのワークショップに参加しました!
大切な方への贈り物として製作の依頼が入るという「ハートのぐい吞み」「ハートの片口」、奥に見えるのが、「コーヒードリッパー」。ハートのぐい吞みは、現在「かしわギフトセレクション2022」にエントリー中。(写真は宮田さん提供)
※「かしわギフトセレクション2022」では、50品の中から、柏市の手土産や贈り物として推薦できる製品に投票し、金・銀・銅の認定マークを決めていきます。投票の締め切りは5月31日(火)。
URL: かしわギフトセレクション投票ページ
※宮田琴さんの作品や経歴などについては、kamonかしわインフォメーションセンターのホームページでも紹介していますので、ぜひご覧ください。
URL: “かしわ文化知り隊”班長まちゃ子の「柏ゆかりの芸術家を訪ねて」5:金工作家・宮田琴氏
宮田さんの工房「アトリエ鍛~たん~」へ
ワークショップは、柏市大塚町にある宮田さんの工房「アトリエ鍛~たん~」で開催されています。
体験できるのは、真鍮(しんちゅう)を使ったアクセサリー作り(3,000円)。
ピアス、イヤリング、髪ゴム、ブローチの中から作りたいものを選ぶのですが、私はイヤリングに挑戦!
柏駅東口からバスで5~10分、「新田原」停留所で下車すると、道路を挟んで向かい側に、青い屋根の宮田さんの工房「アトリエ鍛~たん~」がすぐ目に入ります。
ワークショップの流れを説明する宮田さん。筆者はすでにこの時点でテンションが上がっています。
①絵を描こう!
アクセサリー作りで使うのは4㎝四方の真鍮のプレート。
まず、方眼紙にデザインを描いていきます。
工房には穴を開ける機械があるので、穴のあるデザインに挑戦しました!
イメージは月と雫。その場のインスピレーションで一気に描きました。
カーボン紙を使って絵をなぞり、真鍮のプレートにデザインの線を写しました。
②穴を開けよう!
専用の機械を使って、プレートに穴をあけていきます。
宮田さんが丁寧にご指導くださり、補助もしてくださるので、初めての方でも安心!
貫通したときの感触がたまりません!
右利きの私は左手で板を押さえ、右手でドリルを下げていきます。左手でしっかり押さえるのがコツ!(写真は筆者)
宮田さんが、粗く削られた穴に対して面取りをしていきます。
きれいな穴ができました!
③糸鋸(いとのこ)を使って切ろう!
細い刃の糸鋸(いとのこ)で、デザインの輪郭を切っていきます。
慣れてくると、力の入れ方がわかって、スムーズにカットしていけますよ!
こんな細い刃ののこぎりを使うんですね!
職人気分で糸鋸を引いている筆者です。あとでヤスリをかけるので、少しくらい凸凹しても気にしない、気にしない!
ほぼデザインどおりカットできました! 真ん中のラインは後でヤスリで削っていきます。
④鎚目(模様)をつけよう!
いよいよクライマックス!
金鎚(かなづち)でプレートを叩いて模様をつけていきます。これが鍛金の技術です!
私は2種類の金鎚で、パーツの上下に模様をつけることにしました。
金鎚だけでもこんなにたくさんの種類があります。
この2つの模様の金鎚を選びました。手前の見本プレートの模様と対応しています。細かい方の模様(左)は「梨地(なしじ)」とよびます。
金鎚の面全体がプレートに接するように慎重に振り下ろしていきます。慣れてくるとリズミカルに!(写真は筆者)
ひとふりごとに、模様がついていくのが、楽しい!
パーツ全体に鎚目がつきました! 真ん中は両方の金鎚で叩いて、グラデーションにしてみました。
⑤やすろう!
複数のヤスリをつかって、カットした部分を滑らかにしていきます。
丸みのあるヤスリは、曲線的な線を出すのに使います。
「すり板」にパーツを押し当て、ヤスリをかけていきます。地道にこすっていく作業です。(写真は筆者)
ヤスリをかけたパーツに、宮田さんが金具を取りつける穴を開けてくださいました。
⑥磨こう!
ヤスリをかけ終わったパーツは、研磨液に浸して汚れをとります。
数分間、研磨液に浸してから、重曹でこするだけ!
ピカピカになりました!
⑦金具を取りつけよう!
ペンチを使って、デザインに合う金具を取りつけていきます。
完成!! 2時間ほどで、世界に一つだけのアクセサリーができました!
袋に入れると、それっぽい商品みたいに!? 金具をつけかえて、ペンダントにしてもよさそうです!
製作を終えて…
大人になると、なかなか作品をつくる機会は持てなかったりするものですが、今回、女子心をくすぐるアクセサリーを製作することで、達成感やときめきを感じることができました!
真鍮の魅力は、使っていくうちに、自然な光沢になること。
自分で作った世界でたった一つのアクセサリーを身につけることで、日々の生活がちょっとした幸福感に包まれそうな予感が…!
ワークショップ申し込み方法!
宮田さんのワークショップに参加したい方は、「ココロミル」のホームページから「開催日をリクエストする」をクリックして、希望日を複数挙げて申し込んでみてください。
↓↓ココロミル「真鍮で作るアクセサリー」のサイトはこちら↓↓
URL: 女性鍛金家さんの小さなアトリエでレッスン 美しい輝きを放つ!真鍮アクセサリー作り!
宮田さんの近況など…
ワークショップを通じて、鍛金のことを多くの方に知っていただきたいと語る宮田さん。
最近は、製作依頼もコンスタントに入ってきているため、彫金の経験者で、ヤスリかけなど、製作の補助をしてくれる人がアルバイトに来てくれたらと、金工作家ならではの願望も…。
そんな宮田さんのワークショップが旧吉田家住宅でも開催されます。
参加ご希望の方は、当日、直接会場でお申し込みください!
【製作内容】真鍮を使ったキーホルダー
【日にち】4月23日(土)および24日(日)
【時間】①10時~12時、②13時~15時半
【料金】1,000円
【お問い合わせ】04-7135-7007(旧吉田家住宅歴史公園)
↓↓旧吉田家住宅については、まちっと柏の過去の記事をご参照ください。↓↓
URL: 【柏】七福神めぐり&グルメ①(後半)江戸情緒を残す旧吉田家住宅
アトリエ鍛~たん~
- 【住所】千葉県柏市大塚町12-15
【アクセス】
JR・東武柏駅東口1番バス乗り場にて、東武バス「沼南車庫」「小野塚台」「布瀬」「手賀の丘公園」行き乗車、「新田原」下車、徒歩1分。
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※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけ、サービス利用の際はHP等で最新情報の確認をしてください
この記事を書いたのは…
「ちゃーりんぐ柏」代表石井雅子
柏生まれ柏育ち。編集者・箏(こと)奏者。市民活動家の両親が2015年前後に他界したことをきっかけに、柏に興味を持つようになる。2021年、柏の歴史スポットを自転車で巡る「ちゃーりんぐ柏」を立ち上げる(2022年市民公益活動団体登録)。2023年5月、補助金申請や情報発信、連携などをサポートする中間支援団体「ジセダイ歴史文化継承研究所」を設立、事務局長を務める。2024年8月柏に特化した観光会社「かしわグリーン観光社」を設立、代表を務める。